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国際的なインターネット上の電子図書館。運営はUNESCOとアメリカ議会図書館 ウィキペディアから
ワールド・デジタル・ライブラリー(英語: World Digital Library、頭字語WDL)は、UNESCOとアメリカ合衆国のアメリカ議会図書館が運営する国際的な電子図書館[1]。 インターネット上の文化的コンテンツの充実を図り、それによって国際的な異文化間の相互理解を深めることを目的として創設された。教育者・学生・一般大衆にリソースを提供し、国家間および各国内の情報格差を狭めるために提携機関にそれらリソースを配置する容量を築いている[2]。また、インターネット上の非英語圏や西洋以外のコンテンツの拡充によって、学問的研究に寄与することを目指している。無料で多言語形式のコンテンツをインターネット上で入手できるようにすることを意図しており、世界各地の文化から貴重な一次資料(手稿、地図、稀書、楽譜、録音、録画、写真、図面など)を集めている[3][4][5]。
ワールド・デジタル・ライブラリーのホームページ(2009年4月21日) | |
URL |
www |
---|---|
言語 | 多言語対応 |
タイプ | 教育 |
運営者 | アメリカ合衆国 |
設立者 | アメリカ議会図書館 |
営利性 | 非営利 |
開始 | 2009年4月21日 |
現在の状態 | オンライン |
2009年4月の開始時点で、1,236点が公開されていた[6]。2014年2月現在で80ヶ国から9,900点が公開されている。
アメリカは約20年間国際連合教育科学文化機関 (UNESCO) から脱退していたが、2003年に再加盟した。アメリカ議会図書館館長のジェームズ・H・ビリントンがアメリカのUNESCO委員会の委員長に選ばれ、2005年6月の就任会議で正式なスピーチを依頼された。A View of the Digital World Library と題したスピーチで、「図書館や博物館などが守ってきた」豊富なコレクションを「無料で、かつこれまでよりも遥かにアクセスが容易な新たな形式で世界に公開する」というビジョンを説明した。
これにいち早くパートナーとして名乗り出たのがGoogleで、2005年にワールド・デジタル・ライブラリーの開発資金として300万ドルを寄付した[7]。
「 | 誰でも歓迎する。これは会員制クラブではない。誰の参加も歓迎するし、会費はとらない。 | 」 |
—ジェームズ・H・ビリントン |
アメリカUNESCO委員会の2006年の年次会合でアドバイザーのジョン・ヴァン・アウデナレン(John Van Oudenaren)はビリントンの理想を実現するプロジェクトとして、議会図書館が進めるワールド・デジタル・ライブラリーの概要を示した。まず説明したのは、ワールド・デジタル・ライブラリーを実現するにあたって主要な4つの分野(技術アーキテクチャ、内容選択、管理、出資)でパートナーを必要とするという点だった。2006年12月、45の国立図書館の館長、各図書館の技術担当部長、UNESCOの文化および教育担当者がパリで一堂に会し、ワールド・デジタル・ライブラリーの開発について議論した。その参加者によってプロジェクトの4つの分野それぞれを分担するワーキンググループが結成された。
そのワーキンググループは翌2007年前半に電子図書館関連の専門家(計算機科学者、図書館情報学者、Web開発者)を含めた会合を開いき、同月中にWDLプロジェクト全体に対して報告を上げた。そして同年10月に第34回UNESCO全体会議(パリ)に報告を提出した。
2008年9月初め、米州機構 (OAS) とアメリカ議会図書館の間でワールド・デジタル・ライブラリー開発について合意がなされた。
「 | これらは本当に貴重な宝であって、ひとつの国や文化圏についての単なる寄せ集めではない。 | 」 |
—ジェームズ・H・ビリントン |
当初からの展示品としては、世界初の小説とされることもある11世紀に日本人が書いた小説『源氏物語』[11]、アステカによる最初のイエスの幼少時代への言及[6]、古代アラビア語の代数学の元となった文書[6]、漢字の元となった亀甲獣骨文字[8]、8000年前のアフリカ美術(動物の壁画)[4]、アメリカ州について名前をつけて言及した最初の地図であるヴァルトゼーミュラー地図[4][12]、ギガス写本[11]、探検家サミュエル・ド・シャンプラン[注 1]の17世紀の著書 Des Sauvages: ou voyage de Samuel Champlain, de Brouages, faite en la France nouvelle l'an 1603[11]、かつてアメリカで奴隷だった101歳の老人の肉声の録音[11]、第一次世界大戦時の新兵募集ポスター[11]、スカンディナヴィアからの移民者のためにカナダ政府が作った1899年製のハンドブック[11]、スペイン語とタガログ語で出版された最初の本である Doctrina Christiana, en lengua española y tagala[12]、アラスカのインノケンティが聖書をアレウト語に翻訳したもの[12]、マリ共和国で見つかったイスラム教の手稿[12]、百万塔陀羅尼[8]、中国・オスマン帝国・ロシア・ツァーリ国で撮影された珍しい写真[8]、「ラ・マルセイエーズ」の世界初の録音[8]、リュミエール兄弟による世界初の映画[8]、インドの憲法のフォトリソグラフィによる複製[16]、Prem Behari Narain Raizda によるカリグラフィー[16]、Huexotzinco Codex[5]、『ニュルンベルク年代記』[17]などがある。
ワールド・デジタル・ライブラリーのパートナーには次の図書館などが含まれる [18]。
以下、50音順。
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