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日本のコンピュータゲーム ウィキペディアから
『ワイルドカード』 (Wild Card) は、スクウェア(現スクウェア・エニックス)から2001年3月29日に発売されたワンダースワンカラー用RPG。
ジャンル | ロールプレイングカードゲーム |
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対応機種 | ワンダースワンカラー |
開発元 | スクウェア |
発売元 | スクウェア |
人数 | 1人用 |
メディア | 16Mb+256ksRAM |
発売日 | 2001年3月29日 |
ゲームデザインはサガシリーズを手がける河津秋敏が担当。『はたらくチョコボ』『ブルーウィングブリッツ』とともにスクウェアのワンダースワンカラー専用のオリジナルタイトルである。出荷本数は約4万本。
本作はシナリオ、フィールド、武器、バトル、魔法、スキル、行動といったRPGを構成する様々な要素が全てカードで表現されているのが特徴。
9人の主人公から1人を選ぶことになるが、単に主人公を選ぶわけではなく、ゲーム開始時に様々な質問に答え、それに適したキャラクターが主人公に選ばれる。決まったシナリオをなぞる形ではなく、基本的には街でシナリオを選択していき、その選択したイベントをクリアしてゲームを進行させていくことになる。
成長システムやシナリオの自由度の高さからサガシリーズの関連作と見られており、本作を手がけた河津は「マップがなくてもRPGは成立する」と考え、のちに『アンリミテッド:サガ』を開発した。
また、作曲に携わった伊藤賢治は、このゲームに携わった後退社し、フリーとなった。
主人公を選択すると、シナリオ選択画面に入る。まずは街シナリオを選択し、酒場での情報収集や、仲間を増やしたり装備と整えたりすることになる。 情報収集の結果、ダンジョン等のシナリオカードを入手できたら、街シナリオ終了後、再びシナリオ選択画面に入る。
シナリオ中は全ての行動がターン制で行われ、すべての行動が1ターンとカウントされる。また、すべての行動に回数制限がある(後述のワイルドカードはこれに該当せず)。ランダムで出現する地形カードを選択して進んでいくが、地形ごとに危険度が設定されており、より危険度が高い地形にはモンスターや宝箱が出現しやすく、シナリオの目標(モンスター討伐シナリオならボス、探索シナリオなら目標物)も出現しやすくなる。なお、バトル画面とフィールド画面との移行はなく、フィールド画面が戦闘画面そのものである。プレイヤーが攻撃する際に、対象となる敵を選択できるのは勿論、敵から攻撃を受ける際にも、攻撃されるキャラクターを選択できるのが特徴。
目標を達成するか、達成できずにシナリオ中の制限ターン(「山札」単位で表現される)を使い切ってしまったらシナリオは終了してリザルト画面になり、キャラクター個人のカードやパラメーターカードを取得することができる。シナリオ中に倒したモンスターと入手したアイテムに応じたボーナスポイントと、クリアした場合はクリアボーナスポイントも加えた上で、個人のカードはポイントを人数で割った数値から、パラメーターカードはポイント全ての範囲内で選ぶことができる。個人のカードは、より上級のカードや枚数の多いカードの場合入手ポイントが多く必要になり、またパラメーターカードもメンバー全員で持っている枚数が多いほど入手ポイントが多くなる。またどのカードが出現するかは、シナリオ中にとった行動が影響する。
なお、ほとんどのシナリオはクリアできなくても再び情報を聞くことで再挑戦が可能なので、敢えて達成せずに何度でも失敗を繰り返すことで、少ないポイントながらキャラクターを強化し続けることもできる。また、シナリオをクリアするごとにシナリオレベルが上がっていき、より強いモンスターや強力なアイテムが出現するようになるので、シナリオのクリアにこだわり続けるとキャラクターの強さが追い付かず、クリア不能になる可能性がある。
ある程度の数のシナリオをクリアするとイベントが発生し、主人公によるステージ1が一旦終了する。再び主人公選択を行って、今度はサブ主人公によるステージ2がスタートする。ゲームの流れは同じだが、シナリオレベルがある程度高い状態からスタートするにもかかわらずキャラクターのカードは初期状態のままであり(一部のパラメーターのみ成長している可能性がある)、また最初の主人公と同時進行の物語なのか、ステージ1で仲間にしたキャラクターは登場しないので、ステージ1と比べると難易度が高くなっている。
サブ主人公もある程度のシナリオをクリアするとステージ2が終了し、今度は最初に選んだ主人公によるステージ3がスタートする。こちらは能力値を引き継いでいるが仲間が一旦解散しており、メンバーを変更することが可能(この時、ステージ2で冒険したメンバーも加入させることができる)。さらにシナリオをクリアしていくとラストダンジョンであるシナリオ「最終試練」が出現する。これをクリアし、更に連続でラストボスと戦うシナリオ「最後の戦い」をクリアすればエンディングとなるが、「最終試練」を無視して他のシナリオをクリアすることで、ステージ1と同様にイベントが発生し、ステージ4へと移る。ステージ4ではステージ2と同様に主人公選択を行って、やはり難易度の高い冒険をこなすこととなる。
同様の流れでステージ5、ステージ6があり、ステージ7が最終ステージになる。ステージ7の「最後の戦い」を特定の条件でクリアすることで新たなボスとの戦いになり、更に特定の条件を満たしていれば真のボスとの戦いになり、勝利することで真のエンディングになる。
上述のように、あらゆる要素がカードとして表現されている。なお、「カードを入手する」「カードを選択する」「スキル「よく調べる」でカードを調べる」等の行動で、タイトル画面から入れる「Album」に登録される。全930種類だが、コンプリートしても特典は無い。また、通信機能を利用して、アルバムに登録されているカードをやり取りすることもできる。
無制限にいつでも使用することができる行動カード。これらのものは無くなってしまうとゲームを進行できなくなるので何回でも使用できるが、いざというときの最終手段には使えないので注意が必要である。
またこれら三種類のカードとは別に、シナリオ中に入手したアイテムカードや、シナリオ終了時に入手したパラメーターカードも「ワイルドカード」と表現され、三種類のカードと同じ場所で管理される。これは一度キャラクターに配分すると二度と受け渡しができないが、配分しない限りはステージを越えて引き継がれる。
各キャラクターが所有、使用することで効果を発揮するカード。一種類につき9枚まで所持できる。使用するカードは枚数がそのまま使用回数となり、シナリオ終了時に回数が回復する(一部のアイテムを除く)。所持できる種類に制限は無いが、整頓機能等は無いので、大量のカードを持つと使用が不便になる。
なお、攻撃用のカード等の場合、ダメージは次のように算出される(小数点以下切り捨て)。また攻撃の数値は一定の値からのランダムだが、クリティカルが発生すると数値が高い状態で再び選択することができる。クリティカルの発生回数に制限は無い。
D=A/S
キャラクターの強さを表すカードで、全キャラクターが必ず全種類所持している。持っている枚数は戦闘等で使われる実際の数値と等しいわけではなく、やや高くなる。枚数が多いほど、関連する技・魔法・スキルカードの入手確率に影響する。 また、最初の主人公選択ではライフ以外のカードを用いている。選択肢に沿ったカードを選んでいき、最終的に残ったパラメーターカードに対応した主人公が選ばれる仕組みとなっている。
持っているだけで効果を発揮する「装備品」と、シナリオ中に使用するアイテムがある。使用アイテムのうち、薬草等はシナリオが終われば回数が回復する。また装備品は複数枚所持していても、最も効果の高いものが一枚のみで判定される。アイテムによっては、シナリオ中で発見するのが目標になる。
物理攻撃を行うカード。全7種類の技系統があり、何度も使用していればより上位の技や、他系統の技カードを入手できる。一枚でも技カードを所持してれば、それを元手に全ての技系統を極めることもできるが、初期状態で技カードを所持していないキャラクターは入手することができない。例外として、アイテム「奥義書」を使えば新たに一枚の技カードを入手できる。
系統ごとに特徴がある他、モンスターによっては「技防御2倍」の特性を持っており、そのようなモンスターには全ての技の効きが悪くなる。
魔法攻撃を行うカード。全6種類の系統があり、技と同様に派生が行われるが、他系統への派生は炎土水風の4系統のみであり、光と闇の2系統へは派生しない。魔法を持っていない場合も入手することはできないが、アイテム「魔術書」を使えば一枚の魔法カードを入手できる。
技と違い系統ごとのダメージは同じだが、状態異常や回復等の特殊魔法もある。またモンスターによっては属性が存在し、同じ属性の魔法に対しては防御力が10倍になり、状態異常も無効化する。
主に戦闘以外の探索で使用することになるカード。特に宝箱からのアイテム入手に必要な「トラップ解除」「オープンロック」や、対象の状態を調べる「よく調べる」等は重要。全14種類で上位スキルの概念は無いが、複雑な派生が存在する。初期状態でスキルを一枚も所持していないキャラクターはおらず、一枚のスキルカードを元手に全てのスキルを入手することもできるが、アイテム「技術書」を使えば、アルバムで見て最も番号の若いスキルカードを一枚入手できる。
主人公となるキャラクターの他に、街の住人やイベントキャラもカードで表現されている。仲間にするか、スキル「よく調べる」で調べることでアルバムに登録される(イベントのみ登場のキャラクターは出会うだけで登録される)。仲間になるキャラクターの一部は他のカードに絵のモデルとして登場している。
全ての主人公はある日「流星」を観測、そこに何かを感じ取って旅に出るという点で共通している。
ステージ1の主人公選択で選ばれる可能性がある他、選ばれなかった場合も仲間に誘うことができる。
仲間に誘うことができる他、ステージ2以降で主人公選択によっては選ばれる可能性のあるキャラクター。
シナリオ中でランダムに出現する他、地形を調べることでも出現する。スキル「よく調べる」でアルバムに登録される他、モンスターのステータスを確認することができる。シナリオによっては特定のモンスターを倒すことが目標となっている。またシナリオ「最後の戦い」で出現するボスモンスターはカード3枚分の大きさを持ち、それぞれの部位から攻撃してくる。本体を倒せばシナリオクリアとなり、倒した時点でアルバムに登録される。
なお、モンスターの攻撃手段は「つめ」「炎」等のモンスター攻撃専用のカードの他、武器系アイテムカードをそのまま攻撃に用いる場合と、魔法あるいは技カードを使ってくる場合がある。モンスターごとに使用できるカードと使用頻度が設定されており、またモンスターのカードが尽きることは無い。
地形を調べることで発生する「宝箱」「つぼ」等のアイテムを入手できるオブジェクトや、「落とし穴」「落石」等の罠の他、ステージ中に発生するイベントで登場するカードが該当する。宝箱はスキル「よく調べる」で罠や鍵の状態を確認することができる。また、一度ゲームをクリアするとカードの「うら」がイベントカードとしてアルバムに登録される。
街シナリオで情報収集すると入手でき、シナリオをクリアした時点でアルバムに登録される。またメニューからのワイルドカード確認画面でのみ、現在所持しているシナリオカードを確認できる。
シナリオは主に「モンスター討伐」「アイテム入手」「地形発見」の三種類となり、街の住人ごとに森系や城系等、入手できるシナリオの系統は決まっている。また、シナリオレベルが一定にならないと挑戦できないシナリオと、特定のシナリオをクリアあるいは所持している状態でしか挑戦できないシナリオがある。
ほとんどのシナリオは何度失敗しても再び情報を聞くことで再挑戦できるが、一度クリアすると二度と挑戦できなくなる。これらの例外として、最初に入手できるシナリオカード「戦士の腕試し」には目標が存在せず、山札を消費し尽くすまで生き残ればクリアできる他、街の住人から聞けるシナリオが無くなった場合に(その系統のシナリオを全てクリアした、あるいは挑戦条件を満たしていない)、一定確率で再び情報が聞けるようになる。
地形には探索や戦闘を行う通常の地形の他に、地形に行くまでの「トランジット」がある。トランジットには「不安な階段」や「狭い道」等の名前が付いており、その先にある地形の危険度の目安となっている。なお、トランジットはシナリオごとに決まった8種類(一部シナリオのみ16種類)からランダムに選ばれ、トランジットと地形もシナリオごとに個別に対応している。また、地形発見系シナリオの場合は、目標に近づくと8種類とは異なる特殊トランジットが出現するようになり、そのトランジットを選んでいくことでクリアすることができる。
地形にはランダムでモンスターやイベントが発生する他、道をふさぐ特殊地形が存在する。たとえば「大岩」の場合は攻撃カードで破壊することで、「溶岩」は水属性魔法で固めることで、「川」は対応するスキル「スイミング」を用いることで突破でき、突破した場合はよりシナリオの目標に近づく(突破できなくても、確率は低くなるが目標達成は可能)。
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