ライオンカット

ウィキペディアから

ライオンカット(lion cut)は、ペットなどの長毛種)のデザインカットの一種。胴体部の被毛を、動物用バリカンなどを用いて、短くトリミングする。ライオンクリップ(lion clip)とも呼ぶ。

呼称の由来は、主に胴体部の毛のみを短くした外観が、あたかもオスライオンのようなためという説がある[1]

夏場に行うサマーカット(Summer cut)のうちの一つとして扱われることもある[2]。その場合の目的としては、「熱中症対策」や「毛玉を取るため」[1]が、まず挙げられる。

犬における歴史

ローシェン(別名:Petit Chien Lion、Little Lion Dog)における「ライオンカット」は、前半身の毛を残すのが伝統的である[3]

プードルの「コンチネンタル・クリップ」も、ローシェンに似たクリップ(=刈り方)である。これは、ダッチクリップの一種「ライオンカット(=ライオンクリップ)」と同等と位置づけられる場合があり、マリー・アントワネットが考案したクリップであるという説がある[4]

このスタイルは、水猟犬として活用されていた時代の名残り。胸と足の毛を残すのは、冷たい水から心臓や関節を守る寒さ対策や、藪の棘からの防御。下半身の毛を刈るのは、沼地に足をとられないため[5]、毛が水を含んで重くなるのを避けるため[6]、水の抵抗を減らすため[7]などといわれている。この独特のクリップは、ドッグショーにも用いられる。

注意点

サマーカット後の毛の長さ、縮毛か直毛かによって違いもあるが、以下の指摘がある。

犬においては、散歩などの屋外では、草むらによる皮膚の傷付き、紫外線や地面からの反射熱の影響などが想定される[8]。また、室内で冷房に晒された場合の逆効果に鑑み、「肌が出るほどのカット依頼」は断るトリマーもいる[2]

猫においては、毛づくろいによる飲み込む毛の量が減るため、毛球症対策効果があるとされる。一方で、に刺される可能性が高まるともいえる[8]

ギャラリー

脚注

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.