ミンガス・ビッグ・バンド(Mingus Big Band)は、チャールズ・ミンガスの作品を専門に演奏する、ニューヨークを拠点とするジャズ・アンサンブル。マネジメントをしているのは、ミンガスの未亡人スー・ミンガス(Sue Mingus)で、アデオ・ミュージック・インターナショナル(Addeo Music International、AMI)が窓口となっている。2008年から毎週月曜日に、ニューヨークのジャズ・クラブ「ジャズ・スタンダード」に出演しているほか、ヨーロッパはじめ世界各地を頻繁に演奏旅行で回っている。
結成はミンガスが他界した1979年から、しばらく間が空いた後のことであった。1991年から、ニューヨークの「フェズ」というジャズ・クラブで毎週の演奏を始め、次いで2004年から2008年までは、イリジウム・ジャズ・クラブに毎週出演していた[1]。
ミンガス・ビッグ・バンドは、デビュー・アルバムである1993年の『Nostalgia in Times Square』以降、コンスタントにアルバムを発表し続けていて、そのいずれも批評家から高い評価を受けており、これまでに6回グラミー賞にノミネートされている。
基本的な構成は、トランペット3、トロンボーン3、サクソフォーン5に、ピアノ、ベース、ドラムのリズムセクションが加わる、14人編成である。各セクションには数名から十数名のミュージシャンがメンバーとして加わっており、ローテーションで交代しながらステージを務めている[1]。トランペットのランディ・ブレッカーや、アルト・サックスのクリス・ポッターをはじめ、メンバーの多くはリーダー・アルバムのリリース経験がある実力者である。
- エイブラハム・バートン (Abraham Burton)
- アダム・クルーズ (Adam Cruz)
- アレックス・フォスター (Alex Foster)
- アレキサンダー・ポープ・ノリス (Dr. Alexander Pope Norris)
- アレックス・シピアギン (Alex Sipiagin)
- アンディ・マッキー (Andy McKee)
- アンソニー・ファツィオ (Anthony Fazio)
- ブランドン・ライト (Brandon Wright)
- ボリス・コズロフ (Boris Kozlov)
- コンラッド・ハーウィグ (Conrad Herwig)
- クリス・ポッター (Chris Potter)
- クレイグ・ハンディ (Craig Handy)
- デヴィッド・リー・ジョーンズ (David Lee Jones)
- デヴィッド・テイラー (David Taylor)
- デヴィッド・キコスキー (David Kikoski)
- ドナルド・エドワーズ (Donald Edwards)
- アール・ガードナー (Earl Gardner)
- アール・マッキンタイア (Earl McIntyre)
- フランク・レイシー (Frank Lacy)
- ジェイソン・マーシャル (Jason Marshall)
- グレッグ・ギズバート (Greg Gisbert)
- ヘレン・スン (Helen Sung)
- ハワード・ジョンソン (Howard Johnson)
- ジャック・ウォラス (Jack Walrath)
- ジミー・ ネッパー (Jimmy Knepper)
- ジョン・ヒックス (John Hicks)
- ジョン・スタッブルフィールド (John Stubblefield)
- ケニー・ドリュー・ジュニア (Kenny Drew Jr.)
- ケニー・ランプトン (Kenny Rampton)
- ローレン・セヴィアン (Lauren Sevian)
- マイケル・ウォン (Michael Wang)
- マイク・リッチモンド (Mike Richmond)
- オリン・エヴァンス (Orrin Evans)
- フィリップ・ハーパー (Philip Harper)
- ランディ・ブレッカー (Randy Brecker)
- ロニー・キューバー (Ronnie Cuber)
- ロン・ウィルキンス (Ron Wilkins)
- ライアン・カイザー (Ryan Kisor)
- サム・ディロン (Sam Dillon)
- スコット・ロビンソン (Scott Robinson)
- シーマス・ブレイク (Seamus Blake)
- スティーヴ・スラッグル (Steve Slagle)
- テイタム・グリーンブラット (Tatum Greenblatt)
- セオ・ヒル (Theo Hill)
- トミー・キャンベル (Tommy Campbell)
- ヴィンセント・ハーリング (Vincent Herring)
- ウェイン・エスコフェリー (Wayne Escoffery)
- ウォルター・ホワイト (Walter White)
- ジョナサン・ブレイク (Johnathan Blake)
アルバム
- Nostalgia in Times Square (1993年、Dreyfus)
- Gunslinging Birds (1995年、Dreyfus)
- Live in Time (1996年、Dreyfus)
- 『ヴィヴァ・ミンガス!』 - Que Viva Mingus! (1997年、Dreyfus)
- 『ブルース&ポリティクス』 - Blues & Politics (1999年、Dreyfus)
- Tonight at Noon: Three of Four Shades of Love (2002年、Dreyfus) ※エルヴィス・コステロが歌詞提供と歌で参加した曲「Invisible lady」を収録
- I Am Three (2005年、Sunnyside)
- 『ライヴ・イン・トーキョー』 - Live in Tokyo at the Blue Note (2006年、Sunnyside) ※2005年の大晦日にブルーノート東京で行われたライブを収録
- Mingus Big Band Live at Jazz Standard (2010年、Jazz Workshop / Sue Mingus Music)
- Mingus Sings (2015年、Sunnyside)[2]