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ガンダムシリーズの登場兵器 ウィキペディアから
ミネルバ (Minerva) は、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の宇宙戦艦。
コズミック・イラ (C.E.) 73年にプラント最高評議会議長のギルバート・デュランダルによる主導のもとに開発されたセカンドステージシリーズの運用艦として建造された、ユニウス条約締結後初となるザフトの新鋭艦。船体分類記号のLHM-BBをそのまま訳すと「高速モビルスーツ (MS) 揚陸戦艦 (High Speed MS Landing Battleship) となり、揚陸艦と戦艦のハイブリッド艦船であることが分かる。
過去に開発されたザフト系統の戦艦とは大きく異なる構造となっており、武装には陽電子砲やビーム砲、多数のミサイル発射口やCIWSを搭載している。単独での大気圏突入能力や巨大な可変翼、底部に搭載された巨大な推力装置による大気圏内での飛行や垂直離着陸を可能とするなど、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦を生き残った地球連合軍の強襲機動特装艦アークエンジェルを参考としている。その一方、機動性はナスカ級やエターナルなどザフトが開発した高速宇宙艦艇の流れを汲んでおり、劇中でも艦長のタリア・グラディスに「足自慢」と評されている。
上記のほか、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後に開発されてセカンドステージシリーズに共通採用されたデュートリオンビーム送電システム発信機やインパルス専用カタパルト、CICと一体化する可変昇降式戦闘ブリッジを採用するなど、歴代のザフト艦艇には無い新システムを多数採用した試験艦としても位置付けられている。
本艦で実装された新機能や特徴の一部は、後年に開発されて「世界平和監視機構コンパス」で運用されるスーパーミネルバ級強襲揚陸艦「ミレニアム」に受け継がれることになる。
艦名の「ミネルバ」はローマ神話のミネルウァが由来。また、後述の各種武装はドイツの音楽家のリヒャルト・ワーグナーが担当した音楽劇のタイトルから命名されている。
アーモリーワンにおいて進水式を控えての停泊中、カオス、アビス、ガイアのセカンドステージシリーズMSがファントムペインによって強奪され、急遽その追撃任務に着く。また、デュランダルの避難所としても活用され、しばらくは彼の拠点に等しくもなった。
ユニウスセブン落下テロ事件において、ユニウスセブンの地球への落下阻止に投入され、ユニウスセブンの破片をタンホイザーで破砕しながら地球へ降下する。地球連合とプラントの関係が緊張していく中、カーペンタリア基地ではセイバーを、ディオキアではグフイグナイテッド(ハイネ・ヴェステンフルス専用機)を、ジブラルタル基地ではデスティニーとレジェンドを受領するとともに、各地を転戦する。
ガルナハンに設置されていた地球連合軍の陽電子砲(ローエングリン)の砲台破壊作戦では、レジスタンス(少女コニールら)の協力を得て鉱山跡の通路を利用した奇襲作戦を行う。ザフト軍は積極的自衛権行使の大義名分のもと、領土的野心がないと公表していることから前大戦同様の大規模降下作戦ができないため、ラドル隊がバクゥやガズウートの大群で大規模作戦を展開したが失敗し、ことごとく撃破されて苦戦していた。再度のラドル隊の攻撃作戦に協力させられ、デュランダル自身の発案でザフト軍の切り札にされる。
ヘブンズベース戦ではデュランダルのほか、ザフト軍の上層部もブリッジに乗艦し、事実上の旗艦としてブリッジがザフト軍の戦闘指揮所となった。
大戦の裏で暗躍する軍産複合体「ロゴス」側の返答がなく強引に開戦してザフト軍が降下作戦を開始した後、ロゴス側の放ったニーベルングで降下部隊が撃破される。また、出撃してきたデストロイ5機に味方の対ロゴス同盟軍の東アジア共和国軍のイージス艦やザフト軍潜水艦ボズゴロフ級などを多数撃破され、ザフト軍が手をこまねいていた際にタリアがデュランダルに忖度する形でミネルバが出撃させられるMS3機すべてを出撃させた結果、ヘブンズベースの制圧に貢献する。戦闘終了後、パイロット3人にネビュラ勲章(シンは2個目)およびシンとレイに特務隊フェイス権限を与える授賞式を行ったデュランダルは、ミネルバを降りてプラントへの帰国準備とロゴスの主要メンバーでもあるブルーコスモスの盟主のロード・ジブリールの追討作戦に移行し、オーブに逃げ込んだ彼を逮捕するとの名目でオーブへの侵攻も行う。
オーブ侵攻戦の後、月のアルザッヘル基地でレクイエムを発動させたジブリールを討つべく、カーペンタリア基地から再び宇宙へ上がる。ジブリールを取り逃がしたオーブでは侵攻に抗議する同国代表のカガリ・ユラ・アスハによる世界的メッセージ放送が流され、デュランダルの命令と反論でミーア・キャンベルの扮する偽ラクスによるオーブ非難放送を流すが、オーブ側では本物のラクスがカガリとともに連携しており、デュランダル側のラクスが偽物であると明言する。オーブ侵攻戦で旗艦セントヘレンズがアークエンジェルに撃沈されたため、ジブリール拘束の作戦失敗というタリアの判断でミネルバが旗艦になり、ザフト全軍の撤退を決める。
メサイア攻防戦では、レクイエムの1次中継ステーションを巡る戦闘でアークエンジェルを追い詰めたものの、タンホイザーの一撃をムウ・ラ・フラガ(ネオ・ロアノーク)搭乗のアカツキに防御されたうえ、タンホイザー本体を破壊されて甚大な被害を受ける。
最終決戦では月面上空でアークエンジェルと正面から交戦するが、アークエンジェルが一瞬の隙を突いてバレルロールを敢行し、背面飛行で上空に占位する。直上への攻撃手段を持たないため、為す術も無くアークエンジェルの斉射を受けて主砲ビームとMSカタパルトを損傷したうえ、機関部へインフィニットジャスティスのファトゥム-01による突貫攻撃(小説版ではムラサメのビーム)を受けて大破し、月面へ不時着する。その後、乗員たちは退艦したことが副長のアーサー・トラインに後を任せるタリアの台詞からうかがえるが、終戦後の動静(曳航修理や退役・除籍など)は不明。
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