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マツダ・アテンザ GJ(ATENZA GJ)およびMAZDA6 GJ(Mazda 6 GJ)は、マツダが平成24年(2012年)より製造・販売しているセダンとステーションワゴン。アテンザ/MAZDA6の3世代目に当たる。
マツダ・アテンザ / MAZDA6 (3代目) GJEFP/GJEFW/GJ5FP/GJ5FW/ GJ2FP/GJ2FW/GJ2AP/GJ2AW型 | |
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英国仕様 セダン フロント (2018年7月- ) | |
英国仕様 セダン リア (2018年7月- ) | |
日本仕様内装 (2018年5月- ) | |
概要 | |
製造国 |
日本 ロシア 中国 |
販売期間 |
2012年- (日本市場向けは2012年-2024年) |
設計統括 | 梶山浩(主査) |
デザイン | 玉谷聡(チーフデザイナー) |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ |
4ドアセダン 5ドアステーションワゴン |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 |
前輪駆動 四輪駆動(ディーゼル車のみ) (2014年11月-) |
パワートレイン | |
エンジン |
2.0L 直4 PE-VPR型 2.5L 直4 PY-VPR型 2.2L 直4 SH-VPTR型 |
最高出力 |
PE-VPR型 114kW (155PS) /6,000rpm PY-VPR型 138kW (188PS) /5,700rpm SH-VPTR型 129kW (175PS) /4,500rpm |
最大トルク |
PE-VPR型 196N·m (20.0kgf·m) /4,000rpm PY-VPR型 250N·m (25.5kgf·m) /3,250rpm SH-VPTR型 420N·m (42.8kgf·m) 2,000rpm |
変速機 |
トランスミッション=6速MT(ディーゼル車のみ) 6速AT (6EC-AT) |
前 |
前:マクファーソンストラット式 後:マルチリンク式 |
後 |
前:マクファーソンストラット式 後:マルチリンク式 |
車両寸法 | |
ホイールベース |
2,830mm(セダン) 2,750mm(ワゴン) |
全長 |
4,860mm(セダン) 4,800mm(ワゴン) (2012年11月-2014年11月) 4,865mm(セダン) 4,805mm(ワゴン) (2014年11月-) |
全幅 | 1,840mm |
全高 |
1,450mm(セダン) 1,480mm(ワゴン) |
車両重量 |
1,430-1,510kg(セダン) 1,450-1,530kg(ワゴン) (2012年11月-2013年11月) 1,430-1,520kg(セダン) 1,450-1,550kg(ワゴン) (2013年11月-2014年11月) 1,440-1,610kg(セダン) 1,460-1,630kg(ワゴン) (2014年11月-2016年8月) 1,450-1,620kg(セダン) 1,470-1,640kg(ワゴン) (2016年8月-2018年5月) 1,510-1,680kg(セダン) 1,530-1,710kg(ワゴン) (2018年5月-) |
その他 | |
ブレーキ |
前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク |
系譜 | |
先代 | マツダ・GH |
後継 | 既存のMAZDA3 SEDANとCXシリーズ(特にCX-5、CX-50<北米>、CX-60<日本、欧州>)にそれぞれ統合 |
GJ系は、日本では「アテンザ」として、日本国外では「Mazda 6」として販売されてきたDセグメント(CDセグメント)クラス乗用車の3世代目の型式系列名である。GJ系にはセダンとステーションワゴンの2種類がラインアップされ、セダンの型式はGJ#FP型、ワゴンの型式はGJ#FW型となる[注釈 1]。先代GH系までは日本市場においてのみ「アテンザ」の名前で販売され、それ以外の国では「Mazda6」として販売されていたが、GJ系からは中国市場において「Mazda6 アテンザ」の車名で販売されている。また、2代目まではハッチバックモデルも設定されていたが、ハッチバック購入層の大半がデザインを理由に選んでいたというマーケティングリサーチの結果から、セダンのデザイン性向上を理由にGJ系では廃止されている[1]。
マツダには、価格帯でアテンザ/Mazda6と同等かあるいは上回るMPVやCX-9などの存在があり、以前のアテンザはマツダを代表するフラッグシップモデルとしての扱いではなかったが、今世代からはマツダを体現するフラッグシップモデルとして開発が行われている[2][注釈 2]。
2012年8月2日より山口県防府市のマツダ防府第2工場において生産が開始され[3]、同年8月29日よりロシアで開催されたモスクワ国際モーターショーにおいてセダンモデルが公開、9月26日にはフランスで行われたモンディアル・ド・ロトモビルにおいてワゴンモデルが公開された。ロシアでワールドプレミアを行ったのは、欧州債務危機により経済が伸び悩むユーロ圏とは異なり、ロシアは経済成長中の市場であること、またマツダにとってはロシアが米、中、日、豪、加に次ぐ販売規模を持つ市場であり、特にMazda 6の属するセグメントのマツダのシェアが大きいことが理由である。ロシアにおいては当初は日本からの輸入販売を行っていたが[4]、2013年4月からはロシアの自動車メーカー、ソラーズとの合弁でウラジオストク工場での現地生産を開始した[5]。3ボックススタイルのセダンが好まれ、マツダの販売の半数以上をアテンザが占める中国市場においても、当初は日本からの輸入という形をとっていたが、2013年から第一汽車によって現地生産が開始された[6][7]。一方、先代GH系の生産を行っていた北米においては、北米のマツダとフォード・モーターの合弁会社、AAIにおける生産中止に伴い、GJ系より日本生産車の輸入販売となる[8]。
2014年11月に開催されたロサンゼルスオートショーにおいては、フェイスリフトを行い、内装のデザインを一新した大幅改良モデルが発表された。大幅改良後のモデルは日本および北米市場においては2015年1月に発売される[9]。
2019年8月1日発売の一部改良モデルより、日本向けにおいても「MAZDA6」のブランドネームを使用することとなった[10]。マイナーチェンジ時に派生モデルの車名が変更される事例は過去にもあるが、フルモデルチェンジを伴わない車名の全面変更はあまり例がないという[11]。
GJ系には、マツダの新世代技術であるSKYACTIV TECHNOLOGYが投入されている。パワーユニットにはガソリンエンジンとして直噴SKYACTIV-Gエンジンの直列4気筒 2.0LのPE-VPR型と、同じく2.5LのPY-VPR型の2種類が、そしてディーゼルエンジンとして直噴SKYACTIV-Dエンジンの2.2L 直4ターボのSH-VPTR型エンジンが用意される。トランスミッションには「SKYACTIV-DRIVE」6速ATおよび「SKYACTIV-MT」6速MTが用意される。ボディ構造は軽量化・高剛性化された「SKYACTIV-BODY」[12]、そして新開発のフロントストラット・リアマルチリンクサスペンションを採用し、高剛性化・14%軽量化を果たしたシャシ、「SKYACTIV-CHASSIS」[13]が用いられる。
低燃費技術としては、アイドリングストップ機構の「i-stop」に加えて、アクセルオフ時の減速エネルギーをオルタネーターを利用して回生して電気二重層キャパシターに蓄え、アイドリングストップ時も含めて電装に使用する減速エネルギー回生機構「i-ELOOP」が装備された。
ワゴンはセダンに比べてホイールベースが80mm、全長が60mm短いため、ワゴンのリアオーバーハングはセダンに比べて長く[注釈 3]、そのため走行安定性の確保が難しくなるため、後輪上部の構造を強固に作り、サスペンションを安定志向のセッティングとすることによって機敏性よりも後輪の接地性を優先させている[15]。
2015年1月の大幅改良では、新構造のショックアブソーバーが採用され、NVH性能は荒れた路面走行時で約10%、高速走行時で約25%低減されている。また、2.2Lディーゼルエンジン搭載車に4WDモデルが新たに設定される[16]。
マツダのデザインテーマ「魂動(こどう)―Soul of Motion」を取り入れており、「魂動」を最初に体現したコンセプトカー「靭」[17]のデザインテーマを中級セダンに焼き直したコンセプトカー「雄」を量産化したものである[1]。そのデザインは高く評価されており、2013ワールドカーデザインオブザイヤーのベスト3に選ばれた[18]ほか、CAR STYLING誌の2012-2013 日本カーデザイン大賞[19]、レッド・ドット・デザイン賞[20]も受賞している。
Aピラーの付け根は先代GH系に対して100mm後退されており、よりロングノーズとしている。ホイールには17インチと19インチが採用されるが、19インチホイールはデザイナーからの要求により設定された。
セダンとワゴンはフロントドアより前方は共通で、それ以後のデザインが異なっている。セダンでは居住性が重視され、ワゴンでは荷室の広さが重視されるため、セダンはホイールベースを長く取り、一方でワゴンはホイールベースを短くしてタイヤおよびサスペンションの張り出しを前に寄せている[15]。
水平基調のインパネデザインをとっており、2012年販売型モデルの内装レイアウトやシートはCX-5とほとんど同一である[15]。2015年1月の大幅改良では内装デザインを一新しており、BM/BY系マツダ・3/アクセラより採用されているHMIのコンセプトである「Heads-Up Cockpit」を採用したダッシュボードとしている[21][16]。
2015年1月の大幅改良ではエクステリアデザインにも変更が施されており、フロントグリルやバンパーの形状が変更されるなど、フロントフェイスが変更されたほか、テールランプのデザインも変更されている。
ワゴンモデルは欧州をメインターゲット市場としており[1]、需要のある欧州および日本・豪州仕様には設定されるが、北米・ロシアおよび中華圏仕様車には設定されていない。
日本仕様車は、セダン、ワゴンともにディーゼル車には「XD」および「XD L Package」の2グレードが用意され、ガソリン車には2Lエンジン搭載の「20S」と2.5Lエンジン搭載の「25S L Package」が用意される。「L Package」は前席パワーシートや19インチホイールなどが装備される上位グレードである。トランスミッションはディーゼル車については「XD」「XD L Package」とも6ATと6MTから選択できるが、ガソリン車は全て6AT車のみとなる。
2015年1月の大幅改良では、「XD」系のグレードに4WDモデルが新設定されるほか、「20S」および「XD」には、防眩ハイビーム機構付きのアダプティブLEDヘッドライト(ALH)のほか、後方や側方からの接近車両を警告するブラインド・スポット・モニタリング(BSM)およびレーンキープ・アシスト・システム(LAS)を標準装備した新グレード「PROACTIVE」が設定される。
北米仕様車には2.5Lガソリンエンジンのセダンモデルのみが設定され、下から「スポーツ」、「ツーリング」、「グランドツーリング」の3グレードが用意される。「グランドツーリング」はATのみの設定だが、それ以外のグレードではATとMTが選択できる。「ツーリング」には19インチホイール、運転席パワーシート、合成皮革シートなどが追加装備され、「グランドツーリング」にはさらにカーナビゲーションシステム、Boseサラウンドサウンドシステム、本革シート、助手席パワーシート、キーレスエントリー、LEDデイライト、ムーンルーフ、雨滴感知式ワイパーなどが装備される。
欧州向けは、グレード構成は仕向国により異なるが、セダンとワゴンの両方が設定される。日本仕様車や北米仕様車とは異なり、「i-ELOOP」は全車には標準装備されず、一部グレードにのみの装備となる。また、2.5Lエンジンモデルも設定されておらず、2Lガソリンエンジンと2.2Lディーゼルエンジンの2種類が用意され、全車にマニュアル車が設定されて、ディーゼル車にのみAT車が設定される。
豪州仕様もセダン、ワゴンともに設定されるが、2.5Lガソリンエンジンとディーゼル車の2種類がラインアップされ、AT車のみが用意される。なお、豪州仕様は車名こそ「マツダ6」であるが、最上級仕様車には「ATENZA(アテンザ)」のグレード名が冠せられる[22]。
ロシア仕様車はセダン・ガソリン車のみのラインアップで、AT車、MT車ともに用意されるが、2.5L車はATのみとなる。
中国市場においては、2.0LのAT車のセダンのみの1グレードの販売となり、先代モデルが併売される関係で車名が国際標準名の「マツダ6」ではなく「マツダ6アテンザ」(2015年販売型は「マツダアテンザ」に改名)となる。これに対し、香港市場ではセダンAT車のガソリン2.5Lとディーゼルに各1グレードずつの計2種類、台湾市場ではセダンAT車のガソリン2.0Lに2グレード(尊貴型と頂級型)とディーゼルに1グレード(旗艦型)の計3種類が用意される。
香港仕様は、中国仕様同様にセダンのみの設定となるが、エンジンは日本仕様と同じく2.0L&2.5Lガソリン、そして2.2Lディーゼルの3種が用意される。また、香港仕様専用設定として、2.2Lディーゼルには「MAZDA SPEED」の名が冠せられたグレードが存在する。
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