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ポリュクセネー(古希: Πολυξένη, Polyxenē, ラテン語: Polyxena)は、ギリシア神話に登場する女性である。長母音を省略してポリュクセネとも表記される。
ポリュクセネーはイーリオス(トロイア)の美しい王女で、トロイア王プリアモスと王妃ヘカベーの末娘である[1]。アガメムノーンとクリュタイムネーストラーの娘イーピゲネイアのトロイア版とみなされている。ポリュクセネーはホメーロスの『イーリアス』には登場せず、後世の詩人が『イーリアス』にロマンス要素を追加するために登場させた。
あるとき、彼女の兄弟トローイロスが20歳になればトロイアは敗れないだろうとの神託が下った。トロイア戦争中、ポリュクセネーとトローイロスが泉から水を汲んでこようとしたときに待ち伏せされ、トローイロスはギリシアの戦士アキレウスに殺された。アキレウスはポリュクセネーの物静かな賢明さに惹かれるようになった。
パトロクロスの死から立ち直りきっていなかったアキレウスはポリュクセネーの言葉に慰められ、彼女がアポローンの神殿で礼拝した後に会うようになった。アキレウスはポリュクセネーを信じきって、彼の唯一の弱点がかかとであることを明かした。後に、同じアポローンの神殿でポリュクセネーの兄弟であるパリスとデーイポボスがアキレウスを待ち伏せて、そのかかとに毒矢を撃ちこんだ。これにはアポローンの加護があったとされる。
アキレウスの死後、責任を感じたポリュクセネーがすぐ自殺したとする場合もある。しかしエウリーピデースの悲劇『トロイアの女』と『ヘカベー』では、ポリュクセネーはトロイア戦争終結時に死んだとされている。アキレウスの亡霊がギリシアに戻り、ギリシア軍が本国に戻るのに必要な風を吹かせるには、ポリュクセネーを人身御供にしなければならないと告げた。彼女はアキレウスの墓の前で殺された。ポリュクセネーのキャラクター上、その処女性は重要であり、アキレウスの息子ネオプトレモスに喉を切り裂かれて殺されたとき、彼女は衣類を慎重に配置して自分の肌が完全に隠れるようにしたという[1]。
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