プラット・アンド・ホイットニー・カナダ PW100は、プラット・アンド・ホイットニー社のカナダを拠点とする子会社であるプラット・アンド・ホイットニー・カナダが製造している、2,000-5,000馬力(1,500-3,700kW)クラスのターボプロップエンジンファミリーである。
PW100は、比較的珍しい3シャフトの基本構成を使用している。この基本構成を使用しているほかのエンジンとしては、ロールス・ロイス ジェムとユーロプロップ・インターナショナル TP400-D6がある。PW100では、1段の低圧タービンで駆動される遠心式の低圧圧縮機(3ステージ低圧圧縮機を使用するPW150を除く)が、1段の高圧タービンで駆動される遠心式の高圧圧縮機を過給する。出力は、2段のフリー(パワー)タービンに接続された第3のシャフトを経由して、オフセットされた減速ギアボックスに伝えられる。
このエンジンは、1984年から使用開始された。80年代-90年代にかけて毎年のように小規模な改良が施されている。外形寸法はほぼ同じで、互いに互換性を持つ形式が多い。
- PW115
- 現在は使用されていない[1]。エンブラエル EMB 120に使用されていた。
- PW118
- 1986年に認証取得。最大連続定格1,892 shp (1,411 kW)、PW118Aへ換装可能[1]。
- PW118A
- 1987年に認証取得。最大連続定格1,893 shp (1,412 kW)、PW118Bへ換装可能[1]。
- PW118B
- 1996年に認証取得。最大連続定格1,892 shp (1,411 kW)[1]
- PW119
- 現在は使用されていない[1]。
- PW119A
- 1992年に認証取得。最大連続定格1,948 shp (1,453 kW)、PW119Bへ換装可能[1]。
- PW119B
- 1993年に認証取得。最大連続定格1,941 shp (1,447 kW)、PW119Cへ換装可能[1]。
- PW119C
- 1995年に認証取得。最大連続定格1,941 shp (1,447 kW)、PW119Bへ換装可能[1]。
- PW120
- 1983年に認証取得。最大連続定格1,787 shp (1,333 kW)、PW121へ換装可能[1]。
- PW120A
- 1984年に認証取得。最大連続定格1,892 shp (1,411 kW)、PW121へ換装可能[1]。
- PW121
- 1987年に認証取得。最大連続定格2,044 shp (1,524 kW)、PW120へ換装可能[1]。
- PW121A
- 1995年に認証取得。最大連続定格1,992 shp (1,485 kW)[1]。
- PW123
- 1987年に認証取得。最大連続定格2,261 shp (1,686 kW)、PW123B, C, DまたはEへ換装可能[1]。
- PW123AF
- 1989年に認証取得。最大連続定格2,261 shp (1,686 kW)、PW123へ換装可能[1]。
- PW123B
- 1991年に認証取得。最大連続定格2,262 shp (1,687 kW)、PW123へ換装可能[1]。
- PW123C
- 1994年に認証取得。最大連続定格2,054 shp (1,532 kW)、PW123またはDへ換装可能[1]。
- PW123D
- 1994年に認証取得。最大連続定格2,054 shp (1,532 kW)、 PW123またはCへ換装可能[1]。
- PW123E
- 1995年に認証取得。最大連続定格2,261 shp (1,686 kW)、PW123へ換装可能[1]。
- PW124
- 現在は使用されていない[1]。
- PW124A
- 現在は使用されていない[1]。
- PW124B
- 1988年に認証取得。最大連続定格2,522 shp (1,881 kW)、PW123またはPW127へ換装可能[1]。
- PW125
- 現在は使用されていない[1]。
- PW125A
- 現在は使用されていない[1]。
- PW125B
- 1987年に認証取得。最大連続定格2,261 shp (1,686 kW)[1]。
- PW126
- 1987年に認証取得。最大連続定格2,323 shp (1,732 kW)、PW123またはPW126Aへ換装可能[1]。
- PW126A
- 1989年に認証取得。最大連続定格2,493 shp (1,859 kW)、PW123またはPW127Dへ換装可能[1]。
- PW127
- 1992年に認証取得。最大連続定格2,619 shp (1,953 kW)、PW127C,EまたはFへ換装可能[1]。
- PW127A
- 1992年に認証取得。最大連続定格2,620 shp (1,950 kW)、PW127Bへ換装可能[1]。
- PW127B
- 1992年に認証取得。最大連続定格2,619 shp (1,953 kW)[1]。
- PW127C
- 1992年に認証取得。最大連続定格2,880 shp (2,150 kW)[1]。
- PW127D
- 1993年に認証取得。最大連続定格2,880 shp (2,150 kW)、PW127Bへ換装可能[1]。
- PW127E
- 1994年に認証取得。最大連続定格2,516 shp (1,876 kW)、PW127Mへ換装可能[1]。
- PW127F
- 1996年に認証取得。最大連続定格2,619 shp (1,953 kW)、PW127Mへ換装可能[1]。
- PW127G
- 1997年に認証取得。最大連続定格3,058 shp (2,280 kW)[1]。
- PW127H
- 1998年に認証取得。最大連続定格2,880 shp (2,150 kW)[1]。
- PW127J
- 1999年に認証取得。最大連続定格2,880 shp (2,150 kW)[1]。
- PW127M
- 2007年に認証取得。最大連続定格2,619 shp (1,953 kW)[1]。
- PW150A
- 1998年6月24日に認証取得。最大連続定格5,071 shp (3,781 kW)、7,000 shp (5,220 kW)まで向上可能。遠心NLユニット[要説明]に代わり3段軸流圧縮機を装備する。ボンバルディア Q400に搭載。
- ST18M
- PW100の海上運用型。
- ST40M
- PW150Aの海上運用型。
注: 軸出力はいずれもタービン排気による推力相当分を加算した総計等価(軸)馬力 (equivalent shaft horse power; eshp) である。
一般的特性
- 形式: ターボプロップ
- 全長: 2,134mm
- 直径: 838mm
- 乾燥重量: 単体で929ポンド、補機類と潤滑油を含めると1,064ポンド[2]
構成要素
- 圧縮機: 低圧と高圧の独立した遠心式圧縮機[2]
- 燃焼器: アニュラー反転流式燃焼器[2]
- タービン: 2段式(高圧・低圧)の軸流式フリータービン[2]
- 使用燃料: JET A
- 潤滑システム: 内蔵[2]
性能
- 出力: pw120 離陸時 1,800shp Rto 2,000shp pw121 離陸時 1,900shp Rto 2,100shp pw124 離陸時 2,160shp Rto 2,400shp pw127 離陸時 2,475shp Rto 2,750shp(Rto=離陸時予備出力)(shp=軸馬力)[2]
- タービン入口温度: 離陸時予備出力 最大816度 始動時 最大950度 5秒間[2]
- 出力重量比:
さらに見る エンジン, 軸出力(kW) ...
エンジン |
軸出力(kW) |
連続出力(kW) |
乾燥重量(kg) |
圧縮比 |
直径(mm) |
全長(mm) |
PW121 |
1,603 |
|
425 |
|
838 |
2,134 |
PW123 |
1,775 |
|
450 |
|
838 |
2,134 |
PW127E |
1,790 |
|
481 |
|
838 |
2,134 |
PW127F |
2,051 |
|
450 |
|
838 |
2,134 |
PW127H/J/M |
2,051 |
|
481 |
|
838 |
2,134 |
PW150A |
3,781 |
|
716.9 |
|
1,105 |
2,423 |
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ATR 42 72 Aircraft Maintenance Training Manual,chapter 71