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ブリ属(学名:Seriola)は、スズキ目アジ科の属の一つである。全世界の亜熱帯・温帯海域に分布する回遊性の大型肉食魚類で、食用魚として扱われる。
他のアジ科魚類と同様に、小さい第一背鰭と長い第二背鰭を持ち、肛門と臀鰭の間に2本の遊離棘がある。全身細かい鱗に覆われるが、アジ亜科に顕著な側線上の稜鱗(ゼイゴ、ゼンゴ)は発達しない。多くの種は、稚魚の時代は横縞があり、成長とともに消失する。ブリやカンパチは消失が早い部類だが、バンデッド・ラダーフィッシュは30センチ前後に成長するまで横縞が残る。また、サムソンフィッシュは成熟した成魚でも、釣り上げると薄く横縞が浮き出てくる[1]。成魚は背が緑・紫・青の寒色で、腹側は白色となる。ブリ・カンパチ・ヒラマサなどの成魚は、体の中央に黄色い縦帯が走っており、英名の Amberjack(琥珀のアジ)の由来となっている。学名 Seriola は、属の命名者ジョルジュ・キュヴィエの母国フランスでカンパチを指す Sériole に基づき、語源はラテン語で「土器の壺」を意味する[2]。すべて肉食性で、小型魚・甲殻類・頭足類を摂食する。
寒流のベンゲラ海流流域に住むギニアン・アンバージャックや強い海流の流域から外れたオーストラリア大陸沿岸に住むサムソンフィッシュを除くと、三大洋の熱帯・亜熱帯の海域に広く分布し、黒潮流域に住むブリやメキシコ湾流流域に住むバンデッド・ラダーフィッシュが北に広く分布する。種によって差異はあるが、おおむね水深100m前後の沖合低層を回遊し、産卵期に岸辺へ接近する。そのため、漁場は沖合漁業・沿岸漁業が主で、陸釣り・船釣りの対象魚ともなる。
国際連合食糧農業機関(FAO)の推計によると、2014年に世界で生産(天然物の水揚量と養殖物の生産量の総計)されたブリ類(ブリ属に加えアイブリ等の近縁種を加えたもの)は約33万トンに達する[3]。そのうち26万トンが日本で生産され、1万トンを超える国は中華人民共和国・大韓民国・インドネシアが占める。全世界の養殖生産量は年平均15万トン程度で推移しているが、その80%は日本と大韓民国で生産されるブリ・カンパチ・ヒラマサが占める。その他の地域では、ニュージーランドでヒラマサ、アメリカ合衆国でヒレナガカンパチの養殖が行われている。日本では刺身として生食されることが多いが、世界的には鮮魚・冷凍のほかにも塩漬けや干物に加工する地域もある[4][5]。熱帯水域のサンゴ礁で生育した1m超のカンパチやヒラマサの老魚ではシガテラ毒を蓄積し、中毒症を起こす場合もある。
ブリ属 Seriola Cuvier, 1816 (Amberjack) - 9種:[6]
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