フライング (ビートルズの曲)
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「フライング」(Flying)は、ビートルズの楽曲である。1967年に放送されたテレビ映画『マジカル・ミステリー・ツアー』の挿入歌で、同名のEP盤とキャピトル編集盤にも収録された。ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター(本名でクレジット)の4人のメンバー全員が共同でクレジットされた数少ない楽曲の1つ。テレビ映画では、不思議な別世界に旅立っていくシーンで使用された。
「フライング」 | ||||||||||
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ビートルズの楽曲 | ||||||||||
収録アルバム | 『マジカル・ミステリー・ツアー』 | |||||||||
英語名 | Flying | |||||||||
リリース | ||||||||||
録音 |
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ジャンル | ||||||||||
時間 | 2分17秒 | |||||||||
レーベル | ||||||||||
作曲者 | ||||||||||
プロデュース | ジョージ・マーティン | |||||||||
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背景・曲の構成
1965年にビートルズは、バンド初のインストゥルメンタル「12・バー・オリジナル」を作曲。同作は4人の名前がクレジットされた初の公式発表曲となった[1]。「フライング」は、「12・バー・オリジナル」と同様に12小節のブルース形式で書かれた楽曲である。
本作について、マッカートニーは「映画にインストゥルメンタルの曲が必要になって作った。ある晩にスタジオに集まって、みんなに「ちょっとしたテーマとバッキング・パターンは要るけど、基本はすごくシンプルな12小節のブルースを作ろう」という話をした。だから簡単な旋律を書いたんだ。これがないと本当にただの12小節のブルースのバッキングにしかならないからね」と語っている[2]。
曲はギターのフレーズから始まり、メロトロンとオルガンが加わった後、メンバー4人による12小節のスキャットが3回繰り返される[3]。その後、テープ・ループの音で締めくくられる[4]。
レコーディング
「フライング」のレコーディングは、1967年9月8日にEMIレコーディング・スタジオで開始され、9月28日にオーバー・ダビングが施された[4]。制作当初のタイトルは、映画のサイケデリックな幕間の役割に由来する「Aerial Tour Instrumental」[4]。9月8日にレノンがオルガン、マッカートニーがベース、ジョージ・ハリスンがトレモロをかけたギター、リンゴ・スターがドラムという編成で、1分33秒の即興演奏を6テイク録音[5]。残ったトラックに3種類のオルガンのパートをオーバー・ダビングし、ピンポン録音を行なって2つのトラックにまとめた[5]。その後、レノンはフルートにセッティングしたメロトロンの音、電子音、オルガンのメロディー、チャイムを録音したテープ・ループを作成[4]。
元々の演奏時間は10分ほどあったが、EPおよびLPには2分弱に短く編集されて収録された[6]。
評価
『ニューヨーク・タイムズ』紙のリチャード・ゴールドスタインは、本作について「楽器の間奏曲としての『フライング』は、アルバムに収録された他の楽曲よりも控えめであるというだけで、興味を起こさせる」と評している[7]。ロバート・クリストガウは、「ポール・モーリアのほんの上を行く曲で、悪くはないが、私が愛するボーイズではない」と評している[8]。レックス・リードは、『ステレオ・レビュー』誌に掲載されたアルバムのレビューの中で「古いマリア・モンテスの映画のサウンドトラックのように聴こえた」と評している[9]。
クレジット
※出典[4](特記を除く)
- ジョン・レノン - ボーカル、メロトロン(マークII)、ハモンドオルガン、テープ・ループ
- ポール・マッカートニー - ボーカル、ベース(リッケンバッカー・4001S)、エレクトリック・ギター[10]
- ジョージ・ハリスン - ボーカル、アコースティック・ギター(ギブソン・J-160E)、エレクトリック・ギター[10]
- リンゴ・スター - ボーカル、ドラム(ラディック・オイスター・ブラック・パール)、マラカス
カバー・バージョン
- 四人囃子 - 1976年に発売されたアルバム『ゴールデン・ピクニックス』に収録。
- レジデンツ - 1976年に発売されたシングル盤『The Beatles Play The Residents And The Residents Play The Beatles』のB面に収録[11]。
- ショッカビリー - 1984年に発売されたアルバム『Vietnam』に収録[12]。
- クアドラフォニクス - 1990年に発売されたアルバム『Blood and Snow』に収録[13]。
- マーク・ウッド - 2001年に発売されたアルバム『These Are a Few of My Favorite Things』に収録[14]。
- フランク・オーシャン - Seigfried サンプリングでの使用。
脚注
参考文献
外部リンク
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