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フタリシズカ (二人静、学名: Chloranthus serratus) は、センリョウ科チャラン属に属する多年草の1種である。茎の上部に鋸歯をもつ2–3対の葉が対生し、1–5本 (ふつう2本) の花序をつける (図1)。花は花被を欠き、雌しべは白色の雄しべで包まれている。日本を含む東アジアに分布する。有毒であるが、中国では薬用ともされる[4][10]。
フタリシズカ | ||||||||||||||||||
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1. フタリシズカ (神奈川県丹沢山地、2007年5月) | ||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Chloranthus serratus (Thunb.) Roem. & Schult. (1818)[1][2] | ||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
フタリシズカ (二人静)[5]、キツネグサ (狐草)[6]、サオトメバナ (早乙女花)[7]、ツギネグサ[8]、をにのまゆはき[4]、及己[9][注 2] |
横に這う短い地下茎 (直径約3ミリメートル (mm)) から直立茎が単生または数本叢生する多年草であり、高さ30–60センチメートル (cm)、茎は緑色で無毛[3][4][5]。葉は対生し、下部の3–4対は小型で三角形の鱗片葉であるが、上部の2–3対は大型の普通葉であり、節間は近接して 0.5–2 cm[3][4][5] (下図2)。普通葉の葉柄は長さ 0.5–1.5 cm、葉身は楕円形〜卵状楕円形、5–17 × 2-8 cm、表裏とも無毛で光沢はなく紙質、先端は尖り、基部は鋭形またはやや鈍形、葉縁には鋭い鋸歯がある[3][4][5] (下図2)。葉脈は羽状、側脈は6–8対[4]。
ふつうの花 (開放花) の花期は4–6月、穂状花序がふつう頂生、ときに腋生する[3][5]。花序は長さ 2–6 cm、ふつう1–2回分枝する (その名のようにふつう2本であるが、ときに1本や3–5本)[3][4][5] (上図2)。特に花序が多数に分岐するものは、品種エダウチフタリシズカ (Chloranthus serratus f. prosperus Honda) とされることがある[4]。花は両性花、先が尖った長さ 0.5–1 mm の三角状広卵形の苞に腋生し、花被を欠く[3][4]。雌しべの子房の背側 (背軸側) に雄しべがついている。雄しべは白色、3個が合着し (1個の雄しべが3裂したともされる[14])、長さ 2–4 mm、半球状長楕円形で雌しべ上部を包んでおり (図3)、葯は黄色であり、中央裂片内側に2個の葯、左右の裂片にそれぞれ1個の葯がある[3][4][5]。雌しべの子房は卵形、長さ約 1 mm、柱頭は短い[3][4]。夏に、茎の下部の鱗片葉の葉腋から、数個の閉鎖花をつけた細い花序を伸ばすことがある[3]。果期は6–8月、果実は淡緑色、球形から倒広卵形、長さ 2.5–3 mm[3][4][5]。染色体数は 2n = 28, 30[10]。
花は蜜腺を欠き、アザミウマ類、ハナアブ類、甲虫類が花粉を採餌するために訪花することが報告されている[4]。また自家和合性であることも報告されている[4]。
南千島、北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島南部、中国中南部に分布している[1][3]。低山、丘陵地の林床に生育する[4]。
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