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フェルミ推定(フェルミすいてい、英: Fermi estimate)とは、実際に調査することが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することである。例えば「東京都内にあるマンホールの総数はいくらか?」「地球上に蟻は何匹いるか?」など、一見見当もつかないような量に関して推定すること、またはこの種の問題を指す。
別称でフェルミの問題(フェルミのもんだい、英: Fermi problem/question/quiz)、オーダーエスティメーションや封筒裏の計算[1]ともいわれる。
名前の由来は物理学者でノーベル物理学賞を受賞したエンリコ・フェルミに由来する[2]。フェルミはこの種の概算を得意としていた。
フェルミ推定はコンサルティング会社や外資系企業などの面接試験で用いられることがあるほか、欧米では学校教育で科学的な思考力を養成するために用いられることもある[3]。
フェルミ推定という語句が日本に入ってきたのは、『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス』[4]が最初だろうと細谷功は述べている[5]。ただしこのような考え方自体は、理工系学部では講義などで教えられていたり、ビジネスシーンではきわめて当たり前のように用いられていた。
フェルミ推定で特に知られているものは、「アメリカのシカゴには何人(なんにん)のピアノの調律師がいるか?」を推定するものである。これはフェルミ自身がシカゴ大学の学生に対して出題したとされている[6]。
この問題に対して、例えば次のように概算できる。
まず以下のデータを仮定する。
そして、これらの仮定を元に次のように推論する。
フェルミ推定では、前提や推論の方法の違いによって結論にかなりの誤差を生じることもある。フェルミ推定を模倣したケーススタディと呼ばれるテストが、80年代90年代のアメリカ企業の採用活動でよく行われていた。
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