バニラ (ソフトウェア)

コンピュータのハードウェアまたはアルゴリズムなどで、提供された状態のままのもの ウィキペディアから

バニラ英語:Vanilla)とは、コンピュータソフトウェア、まれにコンピュータのハードウェアまたはアルゴリズムなどで、改変・改修・カスタマイズなどが一切行われていない、提供された状態のまま(原型を留めたままの状態)を指す[1]

バニラという表現は、業界でもデ・ファクト・スタンダードとして標準的に企業や個人で広く利用されている。語源は、アイスクリームの標準的な風味であるバニラ味からきている[2]エリック・レイモンドジャーゴンファイルによると、バニラは "default" (デフォルト)よりは "ordinary" (普通の・平凡な)の意に近いとしている[3]

バニラの使用例

  • 最も古い利用例の1つに、IBMメインフレームのテキスト出版システムである "BookMaster" において、出版する書籍を指定する際のデフォルト設定を「バニラ」、好みに沿った出力設定を「モカ」と呼んでいた[4]
  • バニラという表現はまれにハードウェア部品でも使われる。例えば、1990年代のアップグレードされていないAmigaホームコンピュータ)を(プレーンの)バニラと呼んでおり[5]、後に周辺のPC部品にも同様に使われるようになった[6]
  • UNIXに基づくカーネルでの「バニラ・カーネル」とは、第三者による修正・変更のないカーネルを指す。例えば、Linuxカーネルのバニラはしばしば大きく改造され、Linuxディストリビューションごとに「風味」が違うものが存在する[7][8]
  • PCゲームにおけるバニラは、ユーザーによるゲームバランスを改変するMODが適用されていないものを指す。グラフィックMODなどゲームバランスに影響しないMODのみを入れた場合は、MODを適用していてもバニラと同様に扱われることも多い。
  • Charles Winborneは、彼の書籍 "End of Ignorance" において「添付ファイルへのリンクのみの、ただのテキスト・ファイル」を「プレーン・バニラ・ウェブページ」と呼んでいる[9]

関連項目

脚注

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