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スカシユリ

ユリ科の植物種 ウィキペディアから

スカシユリ
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スカシユリ(透百合、Lilium maculatum Thunb.)は、ユリ科ユリ属に属する植物の一種。海岸の砂礫地や崖などに生える多年草。大きさは20cm - 60cmとなる。本種は古より栽培・育種の対象となっており、交配の母種として使われることが多い。

概要 スカシユリ, 分類(APG IV) ...

本種と近縁種をスカシユリ亜属(Lilium pseudolirion Thunb.)として分類することがある。杯状の花を上向きにつけることが特徴。本属には、本種スカシユリの他、近縁種のエゾスカシユリ、ヒメユリを含む。

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特徴

鱗茎は白色で卵型。茎は直立し、高さ20cm - 60cm程度。葉は葉柄のない披針形で互生する。花期は太平洋岸の個体群で7月 - 8月、日本海側の個体群で5月 - 6月。茎の頂に、直径10cm程度の、赤褐色の斑点を持つ橙色の花をつける。花被片の付け根付近がやや細く、隙間が見えることから「透かし」百合の和名がある。近縁種のエゾスカシユリと比較し、花柄やつぼみに綿毛がないこと、全体にやや小型であることで判別される。

分布と分類

日本の中部地方以北の海岸の砂礫地や崖、岩場に生育する。個体群が地理的に隔絶されており、地域型として、太平洋岸に分布する個体群と、日本海岸に分布する個体群に分けられる。太平洋岸の個体群をイワトユリ、日本海岸の個体群をイワユリと呼ぶ場合と、栽培品種をスカシユリ、野生種全般をイワトユリと呼ぶ場合がある。

  • 太平洋岸に分布する個体群
中部地方以北の海岸に生育し、イワトユリと呼ばれることもある。
本個体群から分化した変種として、山地生のミヤマスカシユリがある。
  • 日本海岸に分布する個体群
北陸地方以北の海岸に成育し、イワユリと呼ばれることがある。矮性の個体が多いとされる。
本個体群から分化した変種として、山地生のヤマスカシユリがある。

変種

さらに見る 和名(学名), 分布 ...

保護上の位置づけ

本種およびその変種は、古来より栽培目的、食用目的で採掘され、またシカなどによる食害の影響で個体数が減少を続けている。

  • スカシユリ
千葉県版レッドデータブック - 絶滅危惧II類
新潟県版および秋田県版レッドデータブック - 準絶滅危惧種
  • ミヤマスカシユリ
絶滅危惧IB類 (EN)環境省レッドリスト
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茨城県版および埼玉県版レッドデータブック - 絶滅危惧I類
岩手県版レッドデータブック - 情報不足
  • ヤマスカシユリ
準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト
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Thumb
宮城県、長野県レッドデータブック - 絶滅危惧I類
新潟県、山形県、福島県、岩手県レッドデータブック - 絶滅危惧II類
秋田県版レッドデータブック - 準絶滅危惧種

近縁種

さらに見る 画像, 和名(学名) ...


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万葉集の歌

  • 夏の野の繁みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものぞ 大伴坂上郎女  巻八1500

利用

園芸品種として栽培されるほか、デンプンに富む鱗茎を食用とすることがある。

脚注

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参考文献

関連項目

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外部リンク

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