トップQs
タイムライン
チャット
視点

ノート:JR西日本283系電車

ウィキペディアから

Remove ads

お知らせ

現在、西日本283系の愛称である"Ocean Arrow"の扱いについてノート:超細長双胴船 Ocean Arrowで提案を行っております。--sabulyn 2006年11月24日 (金) 11:37 (UTC)

この名残で現在も車両中央部分で座席の配列が左右入れ替わっている。

より本質的には振り子機構に関連した重心の問題が理由だと思いますが。118.6.229.38 2010年6月19日 (土) 12:49 (UTC)

283系に関する話題の検証

要約
視点

インターネット上や一部の書籍にて、以下のような話題が見られます。

(1)パンタグラフ離線問題
  1. 走行中にパンタグラフの離線が度々発生し、その都度空調が停止するなどの問題が出ている[検A 1][検A 2]
  2. 離線が多いので和歌山-白浜間では本則+20km/hに抑えている[検A 2]
(2)製造の背景
  1. くろしお」「やくも」用の381系を全て置き換える予定だった[検A 1][検A 2][検A 3]
  2. 「やくも」用381系置き換えを前提として耐寒構造になっている[検A 1]
  1. 川島令三「徹底チェックJR特急車両」、中央書院、2000年、p.111-115
  2. 川島令三「特急列車高速化への提言」、中央書院、1998年、p.178-187
  3. 「鉄道のテクノロジー Vol.4 JR高速特急 振子特急&ディーゼル特急」イカロス出版,2009年、p.14

川島令三氏の書籍の信頼性については諸氏もおわかりのことと思います。「鉄道のテクノロジー」も似たようなもので、出典とするには物足りません。そこでJR西日本など当事者によって執筆された、信頼性の高い資料を用いて検証を行ってみました。

(1)パンタグラフ離線問題

実際にパンタグラフの離線が起きているのかの検証は難しいのですが、速度を抑えているという件については検証できましたパンタグラフの集電性能に関する公式発表も得られました(後述)[検B 1]--Tok.k5会話) 2015年4月17日 (金) 06:18 (UTC))。以下は本系列及び幾つかの振子車両との曲線通過速度比較です。各列車ごと、上段は速度、中段は本則との差、下段はカント量105mm時における車両全体に掛かる(振子によって軽減されない)超過遠心力となっています。速度は半径に応じて速くなるものなので比較しにくいと思い、車両全体に掛かっている超過遠心力についても記しました。

さらに見る 曲線半径, 200m ...

本系列の速度は半径300m以上600m未満で383系と同等であり、超過遠心力で比較すると本系列と383系の最大0.114gが最大となっています。(1)-2についても和歌山-白浜間にて速度を抑えているという出典は得られませんでした。仮に速度を本則+20km/hに抑えているとしても、川島氏の言うようにパンタグラフの問題ではなく、地上設備が対応していないためである可能性が非常に高いことも分かりました。というのは1997年に完成した紀勢本線高速化事業での改良工事は、従来は本則での運転であった白浜-新宮間に集中しており、従来から381系で本則+20km/hであった和歌山-白浜間については高速化工事の事実がほとんど確認出来ないためです[検B 4][検B 12]。高速化工事を行っていないのであれば速度が抑えられるのもやむを得ません。
一方、白浜-新宮間では少なくとも本則+25km/h運転を実施しています。本則+30km/hでないのは、白浜-新宮間における線区最高速度が最大でも110km/hであり、本則+25km/hで頭打ちになってしまうからです。
また川島氏は本系列のパンタグラフWPC8形は何も振子対策をしていないかのように書いていますが[検B 13]、実際は対策しているとのことです[検B 14]

1996年10月から2ヶ月かけて実施された速度向上試験での、パンタグラフの集線性能試験結果も得られました。これによると離線率の目安値を5%と設定したものの、試験での最大値が0.06%で問題なかったとのことです。また紀勢線には狭小トンネルが存在し、パンタグラフの性能如何ではトンネル突入時に速度制限をかけることも検討されていましたが、試験で問題なかったので制限はかけていないことも載っています[検B 1]この公式発表の通りであればパンタグラフ離線問題は存在しないことになります。--Tok.k5会話) 2015年4月17日 (金) 06:18 (UTC)
  1. 伊藤克敏「JR西日本紀勢線速度向上試験の概要」『R&M : Rolling stock & machinery』1997年9月号、日本鉄道車両機械技術協会、p.13-14
  2. 「高性能列車」とは気動車または最高速度100km/h未満の車両を除く電車で組成した列車を指す(昭和61年11月改正国鉄「運転取扱基準規程」以降の定義)
  3. JR東日本設備部監修『施設・建設法規類集』,鉄道現業社,2002年,p.695-702
  4. 尾原哲生(JR西日本和歌山支社田辺保線区長)藤田剛(JR西日本和歌山支社工務課)「紀勢線のスピードアップ工事」『新線路』1997年4月号、鉄道現業社、p.10-12
  5. 平野泰孝(JR西日本米子支社工務課)「山陰線速度向上の取り組み」『新線路』2001年9月号、鉄道現業社、p.22-25
  6. 石上寛(JR西日本鳥取鉄道部検米子支社工務課)ほか「山陰線高速化工事その後の状況-鳥取県内高速化工事の完成-」『日本鉄道施設協会誌』2004年1月号、日本鉄道施設協会、p.20-23
  7. 「新車ガイドキハ187系2次車」『鉄道ファン』2003年12月号、交友社、p.80-82
  8. 稲田雅也(JR西日本鉄道本部運輸部都市間輸送運用)「JR西日本 山陰本線(安来~益田間の高速化)」『運転協会誌』2002年11月号、日本鉄道運転協会、p.5-8
  9. 資料によって半径300m未満が異なる(半径300m以上400m未満を本則+20とするものと、半径400m未満を本則+20とするもの)
  10. 板東重樹(JR東海東海事業本部車両部車両課課長)ほか「JR東海在来線車両旅客サービス向上の取り組み」『JREA』2005年4月号,日本鉄道技術協会,p.17 - 21
  11. 中央本線名古屋-塩尻間には半径300m未満の曲線が存在しない可能性有り。なお塩尻-長野間においては本則+15である
  12. 江原学(JR西日本施設部保線技術基準主席)藤田剛(JR西日本和歌山支社工務課)「紀勢線スピードアップへの取組み」『日本鉄道施設協会誌』1998年2月号、日本鉄道施設協会、1998年、p.146-147
  13. 川島令三「特急列車高速化への提言」、中央書院、1998年、p.178-187
  14. 立村政稔(JR西日本鉄道本部車両部)『車両技術』1996年10月号、日本鉄道車輌工業会、p.17-32

(2)製造の背景

各資料から本系列投入前後の各状況をまとめてみました。

さらに見る 時期, 和歌山県の状況 ...

まず事実として、本系列の製造による381系の代替廃車は発生していません。よって1997年の283系少数製造は、単純に「くろしお」系統増発用と考えられます。
WEST-21開発計画も無視できません。各資料からは少なくとも本系列の製造当時、381系置換の本命はWEST-21であったと考えられます。仮に本系列による置換計画があったとしても、それはWEST-21の開発中止が決まった後でしょう。「381系置換を目的として開発した」等という表現は正しくないことになります。その置換計画の時期についても、まず本系列投入当時の381系は、古いものでも車齢20年程度です。プラス5年程度の2000年頃がWEST-21量産車を投入予定としていた時期でしたが[検B 3]、本系列投入直後から381系の非改造編成に対してのリニューアル改造が始まり、結局波動用の24両を除き全てリニューアル改造が完了しています。ある意味リニューアルはWEST-21開発遅延、波動用として残した国鉄色24両はWEST-21試作車投入を見越していたのかもしれませんが、何にせよ、283系投入後すぐに381系を置き換える予定が無かったのは確実でしょう。事実として2011年の287系新造まで381系の置換は行われていません。
また川島氏は耐寒構造であることが出雲区投入を前提としている根拠だとしていますが、そもそもJR西日本の車両で耐寒構造でないものってあるのでしょうか。

  1. 「カーブでも早い新型車両開発」『日本経済新聞』1993年12月20日付朝刊(13版)
  2. JR西日本総合企画本部技術開発推進部「急曲線高速走行車両WEST-21の開発」『JRガゼット』1994年4月号、交通新聞社、p.42-43
  3. 八木英次(JR西日本総合企画本部技術開発推進部副課長)「JR西日本における高速化への取り組み」『JREA』1994年5月号、日本鉄道技術協会、p.26-29
  4. 岡本勲(JR総研車両技術開発事業部部長)「曲線をもっと速く,快適に走るために」『RRR』1996年10月号、JR総研、p.14-17
  5. 熊谷則道(鉄道総研企画室主幹,前技術開発事業本部高速化担当主幹)「高速化プロジェクトの取り組み」『RTRI REPORT』1997年6月号、JR総研、p.3-8
  6. 手塚和彦(JR総研技術開発事業本部、高速化プロジェクト)「NEXT250」『RRR』1998年1月号、JR総研、p.16-21
  7. 「紀勢線高速化構想検討基礎調査」『紀伊線高速化構想検討基礎調査報告書』和歌山県、1994年
  8. 紀伊田原-串本間および白浜-和佐間にて営業速度+5km/hで曲線の速度向上試験を実施。
  9. 江原学(JR西日本施設部保線技術基準主席)藤田剛(JR西日本和歌山支社工務課)「紀勢線スピードアップへの取組み」『日本鉄道施設協会誌』1998年2月号、日本鉄道施設協会、1998年、p.146-147
  10. 尾原哲生(JR西日本和歌山支社田辺保線区長)藤田剛(JR西日本和歌山支社工務課)「紀勢線のスピードアップ工事」『新線路』1997年4月号、鉄道現業社、p.10-12
  11. 岡本勲(JR総研車両構造技術研究部部長)「鉄道車両の性能の向上を目指して (財)鉄道総合技術研究所に於ける取組み」『鉄道ジャーナル』2000年9月号、鉄道ジャーナル社、2000年、p53-58
  12. 手塚和彦(鉄道総研車両構造技術研究部部長)、徳田憲暁(鉄道総研車両構造技術研究部走り装置研究室長)「ハイスピードカービングビークル」『RRR : Railway research review』2005年6月号、鉄道総研、 p.16-21
  13. 2011年3月のダイヤ改正で国鉄色6両廃車、残り国鉄色18両は福知山区で代走用に充当され287系が出揃うと廃車された
度重なる追記で本文が繁雑になっていたこと、他に編集された方もいないことから整理しました--Tok.k5会話) 2015年4月12日 (日) 15:26 (UTC)
Remove ads
Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads