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『ネクロスの要塞』(ネクロスのようさい)は、1990年4月20日にアスク講談社より発売されたPCエンジン用のロールプレイングゲーム。
ロッテより食玩シリーズとして発売されていた『ネクロスの要塞』をゲーム化したもの。発売当時主流だったコマンド選択式のオーソドックスなスタイルのRPGとして制作されていたが、戦闘シーンにアニメーションによるスピーディーな演出を用いたシネマティックウォーシーン、地図上を移動して任意のフィールドを選択するツインマップなどが特徴的である。概ねのストーリーは同シリーズ第1弾 - 第4弾の『大魔神ネクラーガ編』がベースとなっており、全7章のオムニバス形式のシナリオで構成されている。パーティーのメンバーは各章ごとに固定されるが、最終章のみマーシナリー以外のメンバーをプレイヤーが任意に選択できる。セーブ方法にはパスワード方式を用いているが、天の声2などの外部記憶ユニットにも対応していた。音楽は当時、テレビ番組『地球大紀行』(1987年)などで新進気鋭だった吉川洋一郎が担当した。
本作はロッテ製品のゲーム化ということもあってか、取り扱い説明書には同社の製品広告が掲載されていた。また、ゲーム中の体力回復アイテムにチョコレートがあるなど、元の商品にあやかった仕様も見受けられる。
キャラクターの詳細についてはネクロスの要塞を参照。ここでは主に本作に於けるゲーム内での設定の説明に留める。
本作において最大の特徴とも言えるのが、戦闘シーンにおける多彩かつスピーディーなアニメーション演出である。本作の発売時に放映されたTVCMでは「シネマティックウォーシーン」と称して売りにされていた。
当時の家庭用ゲーム機におけるRPGの戦闘シーンで主流だった演出は、ドラゴンクエストシリーズなどに代表される、敵モンスターの1枚絵とプレイヤーとの対面形式が一般的だった。これに対し本作における戦闘シーンでは、各使用キャラ及びボスキャラからザコキャラに至るまで、発売当時としては他に類を見ない程の膨大な数のカットインが用意されており、これらを連続で繰り出すことで戦闘シーンをアニメーションの様に演出していた。これにより、スピーディーな展開と相まって、本作の戦闘シーンは当時他のゲームには見られなかった爽快感が生まれていた。また、これらの演出は当時発売のゲーム誌などでも評価、絶賛された[3]。
なお、本作の戦闘シーンには、現在では問題があるとされる背景色を激しく点滅させるフラッシュによる演出(アニメ技法の「パカパカ」)も多用されている。
ゲーム誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは合計30点(満40点)でシルバー殿堂入りを獲得[4]、『月刊PCエンジン』では65・70・70・80・65の平均70点、『マル勝PCエンジン』では7・6・7・6の合計26点、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、22.93点(30点満点)となっている[1]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で96位(485本中、1993年時点)となっている[1]。 同雑誌1993年10月号特別付録の「PCエンジンオールカタログ'93」では、「各シナリオごとに使うキャラが変わる、異色RPG。それぞれが個性的かつ強力な得意技を持っている」と紹介されている[1]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 4.01 | 3.63 | 3.61 | 3.98 | 3.61 | 4.08 | 22.93 |
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