『ニーア リィンカーネーション』(NieR Re[in]carnation)は、開発:アプリボット、運営:スクウェア・エニックスによるスマートフォン用ゲームアプリである。2021年2月18日に日本版のサービスが開始された。基本プレイは無料(アイテム課金制)。
ストーリー完結に伴い、2024年4月30日をもってサービス終了[1]。
本作は『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』『ニーア オートマタ』の世界が舞台となっている。これらの作品はゲーム『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズのスピンオフにあたる。
舞台は「檻(ケージ)」と呼ばれる世界。プレイヤーは「ママ」と名乗る幽霊のような生物と共に檻の内の様々な場所を移動し、「カカシ」と呼ばれている像の中に入って「武器の記憶」を取り戻しながら、絵本のようなストーリーを進んでいく[2][3]。
ゲームプレイは3つのタイプに分かれている。その中の1つ目は主人公が仲間とともに「檻」の様々なエリアを探索するものである。その探索の中で、プレイヤーは開放された記憶の中で敵と戦うための武器を得たり、「黒いカカシ」と呼ばれる存在と出会って自身をアップグレードさせたりする[3]。この開放された記憶は「ウェポンストーリー」と呼ばれ、プレイヤーは横スクロールの画面で、武器にまつわる人々の記憶を体験し、黒いカラスのような存在によって歪められた記憶の誤りを正すために戦闘に参加することとなる[3]。
バトルは記憶の中で3人のキャラクターを操作しながら敵を倒すもので、チャージが溜まった状態で画面上のアイコンをタップすると、必殺技が発動するようになる。バトルはオートバトルモードを使って行うことも、手動で行うこともできる[3][4]。ストーリーに登場するキャラクターは最初から登場しているものの、その他のキャラクターや武器などはガチャで入手することができる。ストーリー上のクエストをクリアすると、オプションでバトルの難易度が上昇する[3]。
- 少女と怪物の物語
- 謎の巨塔『檻(ケージ)』で、黒い服を着た少女は目を覚ます。少女は声や記憶を失っており、「ママ」のサポートを受けながら『檻』を巡り『黒いカカシ』の中に込められた武器の物語を修復し、失ったものを取り戻す旅をすることとなる。時折、少女の前に現れる『黒き怪物』。その存在を追いながら、失ったものの最後のひとつ『言葉』を得ると、全ての記憶を取り戻す。
- かつて夢を喰う『黒き怪物』を「カイブツさん」と親しげに呼び、度々檻を訪れていた少女がいた。その少女は黒い服を着た少女と瓜二つの姿で白い服を着ており、怖い夢を見るのだと言う。人間の夢を食べ人間になるという本能を持っていた黒き怪物は少女の夢を喰らい続けた結果、遂には人間になる事ができた。しかし、それと同時に彼女の身体を奪う事になってしまう。黒き怪物はその結末が許せずにいた。言葉を取り戻し、全てを思い出した黒い服の少女、かつての黒き怪物レヴァニアは「あの子を人間に戻すんだ!」と叫び、白い服の少女・フィオを救うべく過去の記憶を辿っていく。
- 太陽と月の物語
- 共に都心の高校に通う高校生であり、両親の離婚を機に別離した姉弟である暮染佑月・明城陽那が『檻』にやってくる。2人はそれぞれ「黒いママ」・「パパ」の先導のもと、佑月は病に倒れた母親を治すため、陽那は精神を病んだ父親と再び笑顔で暮らすため、『檻』に浮かぶ壊れた月・太陽を治す旅に出る。
- ヒトと世界の物語
- 『檻』のある空間に、武器の記憶に登場した者たちが召喚される。ママは彼らに、『檻』が敵の攻撃によって危機にさらされていることを伝え、『檻』を守って欲しいと頼む。バグの発生したような見た目となった『檻』を進み、戦いを繰り返していく中、『檻』の正体がママにより明かされる。
- 現代から近い未来、人類は全身が塩の結晶と化す奇病「白塩化症候群」やそれによって生まれた怪物「レギオン」などにより、滅亡の危機にさらされていた。しかし、人間の魂と体を分離して保存する「ゲシュタルト計画」などの対策も実らず、ついに人類は滅亡する。その滅亡した人類の遺伝子情報や歴史を記録した、月面のサーバー。それが『檻』の正体だった。
- 月面サーバーを保守するアンドロイド、10Hの犠牲もありママたちは地球に辿り着くが、地球は『檻』のような見た目になっていた。地球に人類が遺した量子サーバーの管理者『彼女』により地球は大きく姿を変え、『檻』も破壊されようとしていたのだ。『彼女』の策略を止め、地球と『檻』を元の姿に戻すべく、フィオとレヴァニアを始めとする『檻』の面々は『彼女』に立ち向かう。
主題歌
- 「Inori - 祈り」
- 歌:KOCHO、作曲:岡部啓一(MONACA)、瀬尾祥太郎(MONACA)[6]
注釈
声優は同一だが、運送屋と運送屋代理はそれぞれ別の個体。
2024年3月6日に放送された「ニーア リィンカーネーション公式生放送 #17 〜ストーリー完結スペシャル〜」及びF66xのエピソードのボイスによると読み方は「ぜろろくさんわい」、正式名称は「063y-RV12.08」。公式ツイッターによると「0(ゼロ)63y」と「O(オー)63y」のどちらの表記も存在しており、公式ツイッターでは「おむさん」という愛称も提案されている[5]。
2024年3月6日に放送された「ニーア リィンカーネーション公式生放送 #17 〜ストーリー完結スペシャル〜」によると読み方は「えふろくろくえっくす」、正式名称は「F66x-RV12.02」。
少女と怪物の物語に登場する「ママ」とは別の個体であり、見た目が黒く、性格も異なる。また、前掛けのポケットには「赤さん」が入っている。
ヒトと世界の物語からの登場だが、同声優の「ママ」と同じ個体である。