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アメリカのカードゲーム ウィキペディアから
ドミニオン (Dominion) は、アメリカのボードゲーム(カードゲーム)。作者はドナルド・X・ヴァッカリーノ。2008年秋にアメリカのリオグランデゲームズ社より発売され、日本では2009年にホビージャパンが完全日本語版を発売している[1][2]。
各プレイヤーは小国の領主として自分の領土を拡張していき、最終的に最も多くの領地(得点)を手にしたプレイヤーの勝利である。プレイ人数は2~4人(拡張セットによって6人まで)[2]。
プレイヤーの領地がデッキという形で表現され、プレイヤーは場に準備された山札から任意のカードを購入しデッキを構築していく事で領地を拡張する。このカードの購入とデッキの構築プロセスそのものが、ゲームプレイの主軸に据えられている点が、本作最大の特徴となっている。
多彩な効果を持つ王国カード(初版の基本セット25種類・拡張セットを含めると260種類以上)の組み合わせによって、トレーディングカードゲームのような戦略の多様性を持ちつつも、1回のゲームで使用する王国カードを10種類と限定している。これによって、過度の複雑性を排除しながら、プレイの度に大きく展開の異なる新鮮なゲームプレイを実現している。
プレイにあたって使用されるのは、あくまでセット内に収録されているカードのみであるため、一般的なトレーディングカードゲームにみられる、強さを求めるとより多くの金銭負担を強いられるという欠点が排除されている。また、拡張セットを購入する事によって、プレイの幅を広げる事が出来る。
現在では、全世界で19の言語で30万部以上を売り上げるなど商業的成功を収めている。2009年のドイツ年間ゲーム大賞、ドイツゲーム大賞、アラカルト・カードゲーム賞においてグランプリを受賞し、史上初となるドイツゲーム3冠を達成した[3][4]。また、本作の成功によって無数のフォロワーが生まれ、デッキ構築のギミックを取り入れたボードゲームが次々と登場するようになった。
日本では、2009年4月にホビージャパンより40周年記念商品として日本語版の基本セットが発売された。その後も、英語版の発売よりしばらくして、日本語版の発売がなされている。
準備として、場に
の山を置く。
王国カードとは、基本カード(銅貨、屋敷、属州、呪い、ポーション、植民地など)以外のカードほぼすべてのことをいう。この10種類の王国カードの選び方によって、多様なゲーム展開を見せることになる。
基本カードの山の枚数はプレイ人数によって異なる。また、拡張セットを混ぜるときは、基本カードとしてポーション、白金貨、植民地などを追加で置くことがある。
各プレイヤーは銅貨を7枚、屋敷を3枚受け取り、山札として使用する。この10枚からなる山札から、全員が5枚の手札を引いてゲームを開始する。
ドミニオンでは、銅貨7枚を元手に任意のカードを購入・獲得することで、デッキを構築していくことになる。購入・獲得したカードは捨て札に置かれ、すぐに利用することはできない。ターンの終了時、使ったカードや余った手札はすべて捨て場に捨てて、新たに山札から5枚引いて手札とする。山札がなくなると、捨て札をすべて切り混ぜて新たな山札とする。このような流れにより得たカードは山札に取り込まれ、各自の思惑によって獲得された構成でデッキが構築されてゆく。
各プレイヤーの手番で行えることは以下の3つで、ABCによって表すことができる。各手順を終了したら、他のプレイヤーに手番を渡す。ABCのそれぞれは独立したフェイズであり、購入フェイズの後にアクションフェイズに戻るようなことはできない。
最終的には、場の属州のカードの山か、その他のカードの山の3つが無くなった時点でゲームを終了する。このとき各プレイヤーのデッキに含まれる勝利点の合計を計算し、最も勝利点の高いプレイヤーの勝利となる。拡張セットの植民地も属州と同様に無くなった時点でゲームを終了する。
基本セットにおいては、カードはアクションカード・財宝カード・勝利点カード・呪いカードの4種類がある。
アクションカードは使用することで、様々な効果を発揮するカードである。その多彩な効果により、ゲームプレイに貢献する。
財宝カードは場にあるカードを購入するのに必要な、お金を生み出すカードである。最初に銅貨7枚がプレイヤーに与えられ、そこから様々なカードを購入することで、デッキを構築していく。
勝利点カードは領土を示し、最終的な勝敗を決める勝利点を持つカードである。ゲーム終了時に、勝利点の合計が最も多いプレイヤーが勝者となる。ほとんどの勝利点カードには何の効果もなく、ゲーム中は役に立たない。
呪いカードはマイナスの勝利点を持つカードである。何の効果もなく、他プレイヤーに獲得させることは攻撃になる。
「アクション - アタック」のように、「アタック(相手を攻撃する)」「リアクション(特定の状況に反応する)」「持続(数ターンにわたり効果を及ぼす)」といった要素を持つカードが存在する。同様に「財宝 - 勝利点」のようなカードも存在する。
拡張セットに含まれるカードには、購入フェイズでは獲得できず特定の条件を満たした場合のみ獲得できるカード、基本カードの代わりとして所持するカード、10種類の王国カードとは別に場に配置されゲームに影響を与えるカードなどもある。これらのカードは、次項では「その他のカード」として記す。
()内はカードのコストを表す。
基本セット及び拡張セットのカード内容を調整しリメイクした第二版が順次発売されている。
2011年10月22日、ドイツのエッセン国際ゲーム祭「シュピール」内にて第1回ドミニオン世界選手権が開催され、日本代表が優勝した[6]。世界選手権においては、2017年開催の第7回までで、日本代表選手が4回の優勝を果たしている。
ホビージャパンから、『ドミニオン』のゲームシステムに、他作品の世界観やキャラクターを盛り込んだ製品が発売されていた。これらの作品に用いられるカードは、効果は本家『ドミニオン』と同じで名称を変えたものだが、セットごとのカードの組み合わせ方は独自のものとなっていた。
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