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10月の誕生石 ウィキペディアから
トルマリン (tourmaline) は、ケイ酸塩鉱物のグループ名。結晶を熱すると電気を帯びるため、電気石(でんきせき)[1]と呼ばれている。
固溶体を作ることが多く、ケイ酸塩鉱物の中でも最も複雑な組成を持つ鉱物の一つであり、国際鉱物学連合により2021年に最新の定義が与えられた。
2023年現在39種が承認されている[3](他に未承認種も存在する)。
ブラジル、アフリカ各地(モザンビーク、ナイジェリアなど)、スリランカ(主に苦土電気石)、アメリカ合衆国などで産出される。
三方晶系に属し、モース硬度は 7 - 7.5。弱い圧電体の一つで、圧電効果と焦電効果をもっている。また、吸収型偏光子としての性質も持つ。
世界的に見ると多産な鉱物であるが、稀にある含銅リシア電気石に関しては、宝石としてのいわゆる「パライバ・トルマリン」として希産宝石として珍重される。パライバトルマリンは、ブラジル産とアフリカ産があり、ブラジル産は色の濃いものが多く、アフリカ産は色の薄いものが多い。
無色、紫色、青色、緑色、黄色、褐色、赤色、ピンク、黒色など多彩な色合いがあり、別々の石と考えられたため、色により名前が付けられている。
ただし、こういった呼び名はまぎらわしいので、GIA(米国宝石学会)は推奨していない。基本的にはイエロートルマリン、というふうにトルマリンの前に色をつけて呼ぶほうが無難である。たとえば、ルベライトにしても、赤からピンクオレンジまで色の範囲は幅広く、混乱を招くことがある。インディコライトは上に青色とあるが、実際には藍色に近い濃いブルーのものを称する。さらにグリーンでもクロムがはいったクロムトルマリンはプレミアがつく。
また、特殊効果として、キャッツアイトルマリンが有名である。品質は様々で、キャッツアイが出るからといって価格にプレミアはつかない。そして数は少ないが、緑から赤もしくはピンクにかわるアレキタイプトルマリンもあるが、これも緑色の部分がきわめて黒に近く、また変色効果も鮮やかなものは少なく、高品質のものはなかなかない。
トルマリンの語源はセイロン島の現地語であるシンハラ語の「トルマリ」(turmali) からきている。これは、もともとイエロー・ジルコンの呼び名で、ジルコンとトルマリンが混合した石を呼ぶのにも使われていたが、それが誤ってトルマリンのみに用いられるようになったと言われている。
1990年代後半から2000年代前半にトルマリンを使った製品がいくらか注目され研究も行われた。トルマリンを織り込んだ布とそうでない布を比較して、遠赤外線効果と副交感神経の優位によるリラックス効果が認められるとされた[10]。トルマリンを蚕の餌にすることで、トルマリンが入り込んだシルクができる[11]。トルマリンのネックレスと織り込んだシーツでは、通常の寝具と比較して副交感神経の優位が確認されるとされた[12]。トルマリンとゼオライトを混合したネックレスやシーツの発する赤外線は、高密度なほど多く発生するとされ、また使用によりタール状の塊ができ減少していくとされる[13]。
コーヒーの味を保つ指標となる酸味を特徴とするクロロゲン酸の増加をトルマリンの粉末が防止し、コーヒーを長時間美味しく保存できるとされた[14]。
工学者の安井至によれば、トルマリンは過熱や応力により電圧を発生するが、常に歪みを与えるようなことをしなければ静止状態や、粉末化したトルマリンで発生し続けることはなく、むしろ放射能が発生するだろうから、電力が発生する(マイナスイオン)とした商品はインチキだと2003年に主張している[15]。一方でトルマリンを粉末化し合成樹脂で常時圧力がかかるよう固めた繊維が製品化されており、半永久的にマイナスイオンを放出するとされるが、血液検査での血液の特徴に影響は認められなかった[16]。
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