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スペースX Crew-2はクルードラゴン宇宙機の2回目の実運用飛行であり、商業乗員輸送計画の3回目の全体的な有人軌道飛行である。このミッションは2021年4月23日の09:49:02 UTCに打ち上げられ、4月24日09:08 UTCに国際宇宙ステーションにドッキングした[1]。
ISSへ接近するエンデバー | |
名称 | USCV-2 (2012–2019) |
---|---|
任務種別 | ISS乗員輸送 |
運用者 | スペースX |
COSPAR ID | 2021-030A |
SATCAT № | 48209 |
任務期間 | 3年 and 7ヶ月 |
特性 | |
宇宙機 | クルードラゴン「エンデバー」 |
製造者 | スペースX |
打ち上げ時重量 | 12,519 kg |
着陸時重量 | 9,616 kg |
乗員 | |
乗員 |
|
長期滞在 | 第65次/第66次 |
任務開始 | |
打ち上げ日 | 2021年4月23日09:49:02 UTC[1] |
ロケット | ファルコン9ブロック5(B1061.2) |
打上げ場所 | ケネディ宇宙センター、LC-39A |
打ち上げ請負者 | スペースX |
任務終了 | |
回収担当 | GOナヴィゲーター |
着陸日 | 2021年11月9日03:33 UTC |
着陸地点 | メキシコ湾 |
軌道特性 | |
参照座標 | 地球周回軌道 |
体制 | 低軌道 |
傾斜角 | 51.66° |
国際宇宙ステーションのドッキング(捕捉) | |
ドッキング | ハーモニー前方側 |
ドッキング(捕捉)日 | 2021年4月24日09:08 UTC |
分離日 | 2021年7月21日10:45 UTC |
ドッキング時間 | 88日 |
国際宇宙ステーション(再配置)[2][注釈 1]のドッキング(捕捉) | |
ドッキング | ハーモニー天頂側 |
ドッキング(捕捉)日 | 2021年7月21日11:36 UTC |
分離日 | 2021年11月8日19:05 UTC[4] |
ドッキング時間 | 110日 |
スペースX Crew-2ミッションパッチ[5] 左からマッカーサー、ペスケ、星出、キンブロー |
COSPAR ID | 2021-030A |
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スペースX Crew-2はCrew Dragon Demo-2と同じカプセル(クルードラゴン・エンデバー)を使用し、スペースX Crew-1と同じファルコン9ブースター(B1061.1)を使用して打ち上げられた。
2020年7月28日、JAXA、ESAおよびNASAは、このミッションで搭乗する宇宙飛行士の割り当てを承認した[6][7]。
ドイツ人宇宙飛行士マティアス・マウラーがペスケのバックアップであり、日本人宇宙飛行士古川聡が星出のバックアップとして訓練を受けた[7][8]。
商業乗員輸送計画の2回目のスペースXの実運用ミッションは2021年4月23日に打ち上げられた[9][10]。クルードラゴン「エンデバー」(C206)はハーモニーモジュールの前方側ポートの国際ドッキングアダプタ(IDA)にドッキングしたこのミッションは、宇宙飛行士が使用済みのブースターロケットに搭乗した最初のミッションである[11][12]。
メーガン・マッカーサーの初めてのISSへの訪問だったとは言え、全てのクルーはベテラン宇宙飛行士である(マッカーサーの最初の宇宙飛行はハッブル宇宙望遠鏡へのミッション、STS-125だった)。他の3人の乗組員とともに、メーガン・マッカーサーはこのミッションで夫のボブ・ベンケンがDemo-2ミッションで使用したのと同じスペースXクルードラゴン「エンデバー」の座席を使用している[13]。星出彰彦はISS滞在中は2人目のISSコマンダーを努めることになる[6]。これはトマ・ペスケが国際宇宙ステーションに向かう2回目のミッションであり、星や星座にちなんで宇宙ミッションに名前を付けると言うフランスの伝統に従って、地球に最も近い恒星系であるケンタウルス座アルファ星にちなんでアルファと呼ばれることになる[7]。
スターライナーの打ち上げ準備のために、ISSのハーモニー前方側ポートにドッキングしていたクルードラゴン・エンデバーは2021年7月21日10:45 UTCにドッキングを解除し、11:36 UTCにハーモニーの天頂側ポートに再ドッキングした[注釈 1]。
9月16日から18日(UTC)にかけて、CRS-23(C208)およびインスピレーション4(レジリエンス)とともに、3機のドラゴン宇宙機が同じ期間に宇宙空間に滞在した。
ミッション経過時間 | 時刻 | 日付 (UTC) |
イベント[14] | |
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EDT | UTC | |||
−6:40:00 | 11:09:00 PM | 03:09:00 | 2021年 4月23日 |
クルー起床 |
−05:30:00 | 0:19:02 AM | 04:19:02 | CE 打ち上げ準備状況ブリーフィング | |
−05:00:00 | 0:49:02 AM | 04:49:02 | 打ち上げ担当が席に | |
−04:59:59 | 0:49:03 AM | 04:49:03 | 打ち上げに向けてドラゴンのIMUを調整および設定 | |
−04:30:00 | 1:19:02 AM | 04:19:02 | ドラゴンの推進剤に加圧 | |
−04:20:00 | 1:29:02 AM | 04:29:02 | クルーへの天候ブリーフィング | |
−04:10:00 | 1:39:02 AM | 05:39:02 | クルー引き継ぎ | |
−04:00:00 | 1:49:02 AM | 05:49:02 | スーツの着用と点検 | |
−03:20:00 | 2:29:02 AM | 05:29:02 | クルーがニール・アームストロング・オペレーション・アンド・チェックアウト・ビルディングから歩み出る | |
−03:15:00 | 2:34:02 AM | 05:34:02 | クルーが"RECYCLE"ライセンスプレートをつけたテスラ・モデルXで発射施設39A(LC-39)へ移動 | |
−02:55:00 | 2:54:02 AM | 06:54:02 | クルーが発射台に到着 | |
−02:35:00 | 3:14:02 AM | 07:14:02 | クルー乗り込み | |
−02:20:00 | 3:29:02 AM | 07:29:02 | 通信チェック | |
−02:15:00 | 3:34:02 AM | 07:34:02 | シートの回転準備を確認 | |
−02:14:00 | 3:35:02 AM | 07:35:02 | 宇宙服密閉確認 | |
−01:55:00 | 3:54:02 AM | 07:54:02 | ハッチ閉鎖 | |
−01:10:00 | 4:39:02 AM | 08:39:02 | ドラゴンにISSの状態をアップロード | |
−00:45:00 | 5:04:02 AM | 09:04:02 | スペースX打ち上げディレクターが推進剤注入を確認 | |
−00:42:00 | 5:07:02 AM | 09:07:02 | クルー搭乗アーム取り外し | |
−00:38:00 | 5:11:02 AM | 09:11:02 | ドラゴンの打ち上げ脱出システムを作動可能に | |
−00:35:00 | 5:14:02 AM | 09:14:02 | RP-1(ロケット用ケロシン)注入開始;第1段LOX(液体酸素)注入開始 | |
−00:16:00 | 5:33:02 AM | 09:33:02 | 第2段LOX注入開始 | |
−00:07:00 | 5:42:02 AM | 09:42:02 | 打ち上げに先立ってファルコン9がエンジン冷却開始 | |
−00:05:00 | 5:44:02 AM | 09:44:02 | ドラゴンが内部電源に移行 | |
−00:01:00 | 5:48:02 AM | 09:48:02 | フライトコンピューターに最終の打ち上げ前チェックを指示;推進剤タンクを飛行用圧力人加圧開始 | |
−00:00:45 | 5:48:17 AM | 09:48:17 | スペースX打ち上げディレクターが打ち上げ進行を確認 | |
−00:00:03 | 5:48:59 AM | 09:48:59 | エンジンコントロール担当がエンジン点火シーケンスの開始を指示 | |
00:00:00 | 5:49:02 AM | 09:49:02 | 離昇 | |
+00:01:02 | 5:50:04 AM | 09:50:04 | Max Q(ロケットの機械的ストレスが最大になる瞬間) | |
+00:02:36 | 5:51:38 AM | 09:51:38 | 第1段メインエンジン停止(MECO) | |
+00:02:39 | 5:51:41 AM | 09:51:41 | 第1段と第2段分離 | |
+00:02:47 | 5:51:49 AM | 09:51:49 | 第2段エンジン燃焼開始 | |
+00:07:27 | 5:56:29 AM | 09:56:29 | 第1段突入噴射 | |
+00:08:47 | 5:57:49 AM | 09:57:49 | 第2段エンジン停止(SECO-1) | |
+00:09:03 | 5:58:05 AM | 09:58:05 | 第1段着陸噴射 | |
+00:09:30 | 5:58:32 AM | 09:58:32 | 第1段着陸 | |
+00:11:58 | 6:01:00 AM | 10:01:00 | クルードラゴンが第2段から分離 | |
+00:13:02 | 6:02:04 AM | 10:02:04 | ドラゴンのノーズコーン展開シーケンス開始 | |
+1/ | 3:31 AM | 07:31 | 2021年 4月24日 |
ドラゴンがISSへの最終アプローチフェイズを開始[15] |
+1/03:33 | 05:08 AM | 09:08 | ISSへ軟捕捉[16] | |
+1/03:33 | 05:20 AM | 09:20 | ドラゴンがISSにドッキング[17] | |
+1/05:34 | 7:15 AM | 11:15 | ハッチ開放[18] |
NASAはジェミニ計画当時に宇宙飛行士に向けて音楽をかけると言う伝統を開始し、アポロ15号で初めて飛行中のクルーの目覚ましに音楽を使い始めた。それぞれの楽曲は、しばし宇宙飛行士の家族によって念入りに選ばれ、クルーのそれぞれにとって特別な意味のあるものであったり、日々の活動に適切なものだったりしている[19]。
天候の影響と、Crew-3乗組員1名の軽微な健康問題によるCrew-3の打ち上げ遅延の結果、NASAはCrew-3打ち上げの前にCrew-2の乗員の帰還を検討したが、これは宇宙ステーション乗組員の初めてのクルードラゴンでの間接的な引き継ぎとなる[21]。その後、NASAはCrew-2の宇宙飛行士を、Crew-3の打ち上げ前にISSから帰還させることを決定した。クルードラゴンは2021年11月8日19:05 UTCにステーションとのドッキングを解除し、当初予定の大西洋ではなく、メキシコ湾に11月9日03:33 UTCに着水した[22]。
なお、イプシロンロケット5号機は日本時間2021年11月9日9時51分に打ち上げを予定していたが、Crew-2の帰還に影響がないよう4分後の9時55分に変更された後、打ち上げられた。[23]
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