スブロサ SUBROSA
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『スブロサ SUBROSA』(スブロサ)は、日本のロックバンド、BUCK-TICKの24枚目のオリジナルアルバム。2024年11月20日にLingua Sounda/ビクターエンタテインメントより発売。
『スブロサ SUBROSA』 | |||||
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BUCK-TICK の スタジオ・アルバム | |||||
リリース | |||||
録音 |
ビクタースタジオ Studio Sound DALI プライムサウンドスタジオフォーム | ||||
ジャンル | ロック | ||||
時間 | |||||
レーベル |
Lingua Sounda ビクターエンタテインメント | ||||
チャート最高順位 | |||||
BUCK-TICK アルバム 年表 | |||||
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『スブロサ SUBROSA』収録のシングル | |||||
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BUCK-TICK オリジナル・アルバム 年表 | |||||
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概要
前年10月19日の櫻井敦司急逝後、今井寿、星野英彦、樋口豊、ヤガミトールの4人体制による第二期BUCK-TICKとして初のオリジナルアルバム[注 1]。本作より今井および星野がメインボーカルを執る。先行シングル『雷神 風神 - レゾナンス』を含む全17曲を収録。
アルバムタイトルは「sub rosa(秘密裏に、内密に)」という意味の副詞であり、ラテン語で「薔薇の下で」という意味の言い回しが元となっている。古代より「秘密」を象徴する薔薇を天井に描いたり、吊るすことで、その下で交わされた会話の内容に他言無用を求めた習慣に由来する[7]。同年12月29日に日本武道館で開催された『ナイショの薔薇の下』というライブタイトルもこれが元となっている。後述の通り、今井によれば以前からこの言葉は何かで使いたかったという草案があり、前作『異空 -IZORA-』の時点で本作収録曲である『スブロサ SUBROSA』のデモも存在していた。
今井は本作について「(櫻井が他界したことで)何をやったとしても、今までとは絶対に違うものになる、とは思ってた。無理に以前に近づけようなんて考えなかったし、あえて全然違うものにしようとも思わなかった」と述べている。また今井、星野ともに、本作が(櫻井の不在、ファンへの思いという)具体的なテーマにならざるを得なかった点について、意識せずとも自然とそうなったと応えており、同時に新たなバンドのファーストアルバムという心境である旨をインタビューにて語っている[7]。
17曲という収録数となった点について今井は「増やしたかった。4人のBUCK-TICKの曲を。単純にそれだけ」「今後のために選択肢を増やしておきたかった」ということを理由を挙げた。当初今井は2枚組でのリリースを志望していた。最終的に断念したものの、今井はそれを了承した上で「曲数は変えないから」と自身の案を押し通している[7]。
メンバーのインタビューを収録した完全生産限定盤A (SHM-CD+Blu-ray) と完全生産限定盤B (SHM-CD+DVD)、通常盤 (SHM-CD) 、完全生産限定カセットテープ (2本組)という形態にて同時発売された。2025年1月29日には完全生産限定アナログ盤 (3枚組)が発売予定である。いずれもアルバム本編の収録曲に差異は無い。
ブックレットのスペシャルサンクスには櫻井の名が記載されている。
録音、制作
ビクタースタジオ、Studio Sound DALI、プライムサウンドスタジオフォームの3箇所にてレコーディングされた。
ツアー
本作を受けたコンサートはファンクラブ限定ライブハウスツアー『FISH TANKer's ONLY 2024』として2024年12月6日より全国4都市4公演、および同年12月29日に『ナイショの薔薇の下』と銘打ち、日本武道館にて開催された。
また2025年4月12日よりライブハウスツアー『BUCK-TICK TOUR 2025 スブロサ SUBUROSA』を10都市12公演、また追加公演としてホールツアーを6月7日より3都市10公演の開催を予定している。
記録
オリコン週間アルバムランキング(2024年12月16日付)では、初週で20,646枚を売り上げ、6位を獲得した[8]。
収録内容
SHM-CD
一覧
全編曲: BUCK-TICK。 | ||||
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
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1. | 「百万那由多ノ塵SCUM」 | 今井寿 | 今井寿 | |
2. | 「スブロサ SUBROSA」 | 今井寿 | 今井寿 | |
3. | 「夢遊猫 SLEEP WALK」 | 今井寿 | 今井寿 | |
4. | 「From Now On」 | 星野英彦 | 星野英彦 | |
5. | 「Rezisto」 | 今井寿 | 今井寿 | |
6. | 「神経質な階段」 | 今井寿 | ||
7. | 「雷神 風神 - レゾナンス #rising」 | 今井寿 | 今井寿 | |
8. | 「冥王星で死ね」 | 今井寿 | 今井寿 | |
9. | 「遊星通信」 | 今井寿 | 今井寿 | |
10. | 「paradeno mori」 | 星野英彦 | 星野英彦 | |
11. | 「ストレリチア」 | 今井寿 | ||
12. | 「絶望という名の君へ」 | 今井寿 | 星野英彦 | |
13. | 「TIKI TIKI BOOM」 | 今井寿 | 今井寿 | |
14. | 「プシュケー - PSYCHE -」 | 今井寿 | 星野英彦 | |
15. | 「ガブリエルのラッパ」 | 今井寿 | 今井寿 | |
16. | 「海月」 | 今井寿 | ||
17. | 「黄昏のハウリング」 | 今井寿 | 今井寿 | |
合計時間: |
カセットテープ
- SIDE A
-
- 百万那由多ノ塵SCUM
- スブロサ SUBROSA
- 夢遊猫 SLEEP WALK
- From Now On
- SIDE B
-
- Rezisto
- 神経質な階段
- 雷神 風神 - レゾナンス #rising
- 冥王星で死ね
- SIDE C
-
- 遊星通信
- paradeno mori
- ストレリチア
- 絶望という名の君へ
- TIKI TIKI BOOM
- SIDE D
-
- プシュケー - PSYCHE -
- ガブリエルのラッパ
- 海月
- 黄昏のハウリング
楽曲解説
- 百万那由多ノ塵SCUM
- スブロサ SUBROSA
- ギターを一切使用していない。「ここにこういうギターが、というものを入れてしまうといつもの感じになってしまうので足していない」と今井は述べている。マニピュレーターとして参加した横山和俊は、星野からこれ以上音を足さないのかと訊かれたという。ライブ時に星野は演奏する際の役割がないため、視覚面を意識してメタルパーカッションを加えた。今井の楽曲に星野が音を足したのはバンド史上でも新しい試みである[9]。
- 前述の通り、楽曲の原形は前作であり櫻井敦司の遺作でもある『異空 -IZORA-』制作時には存在していたが、曲数の関係で同作には収録されなかった。歌詞は当時と半分ほどは同じまま、アレンジを大幅に変えて本作のタイトルチューンとして収録された。当初は本作の物よりややバンドサウンド寄りの楽曲だった。今井は「櫻井さんは"『スブロサ SUBROSA』もやりたかったんだけどね"って言ってたよ。でも今の方がカッコ良いと思う」と語っている[7]。
- ラップ調の楽曲であるが韻を考慮しておらず、「ラップと言うとラップをやっている方々に申し訳がない」と今井は述べている[10]。
- 夢遊猫 SLEEP WALK
- From Now On
- 全編英語詞。BUCK-TICK史上、星野英彦が単独でメインボーカルを務めた初の楽曲である[注 4]。同時に、星野が単独で作詞を手掛けたのは5thアルバム『悪の華』以来、共同作詞を含めても13thアルバム『Mona Lisa OVERDRIVE』以来となる。星野は「自分たちの思いとみんなの思い」を書いたと語っている[10]。
- インストの部分とボーカル部分の比率が半々で、同じベースリフが続く。こういった楽曲はリフを貼り付けてレコーディングするケースも多いが、BUCK-TICKのレコーディングでは1曲丸々弾く。これはレコーディングディレクターの田中淳一による意向で、音が息をしている感じが良いとされている[11]。
- 今井のギターはスタビライザーを使用している。星野はレコーディング時に「ちょっとノイジーで今井の自由にして」と依頼した。今井によると、エフェクトを多数かけたら音が地味になってしまい、最初のギターの方がいいとなりエフェクトを外した音が収録された。派手なギターにしようとエフェクトをかけたらかえって音が細くなった例だが、星野は「そういうのは意外とあるあるです」と語っている[10]。
- Rezisto
- 神経質な階段
- インストゥルメンタル曲。元々今井はアンビエント・ミュージックを愛聴しており、以前からやってみたいと考えていた。ベースのみ生演奏で、他パートはすべて打ち込みである。「こういうのがライブでどういう役割になるのか実験的に入れた」と述べている[10]。
- 雷神 風神 - レゾナンス #rising
- 冥王星で死ね
- 遊星通信
- 歌詞について、秘密めいた詞だと指摘された上で今井は「気が付いたらそういう歌詞を書いていて、言われてから気が付いた」と述べている[10]。
- paradeno mori
- 当初星野は作詞する意志はなかったものの、仮歌を入れている際に突如一行目の歌詞が浮かび、さらに二行目のフレーズで『独壇場Beauty』のオマージュが浮かんだという。そこから過去のバンド曲の歌詞を見返し『人魚 -mermaid-』を始め、面白そうなフレーズをあれこれ入れ込んだと述べている。ライブを想定し、客席と盛り上がれるようにという思いや、櫻井と櫻井を愛したファンに向けて書かれた。「今頃、太陽に行ったり月に行ったり、いろんなところを旅してんだろうなあ…って想定しながら書いていったら、こういう歌詞になりましたね」と語っている。歌詞と同時に、楽曲名も『memento mori』のオマージュである[7]。
- また星野は、今回しかできない感じだからやっておきたかったというのがあるとも述べている[10]。
- ストレリチア
- 絶望という名の君へ
- 作詞を手掛けた今井によると「櫻井のことでもなければ誰のことでもなく、漠然と大きく人間のことをそのまんま書いた」という。作曲者の星野からは「グッとくるやつにして」と依頼されたが、今井は振り返るよりも強い感じの方がいいと考え、作詞した。「それを希望と呼ぶ」というフレーズは、当初「希望」の部分を「未来」にしていたが、わかりやすく「希望」に変更した。この箇所は言葉の乗った感じも含め、今井は最後まで悩んだという[7]。
- 星野はこの楽曲を作り、今井に作詞を依頼した上でアメリカへと旅立っていた。今井曰く「ずっとスタジオに籠って書いていた」とのことだが、星野は「その話は多少盛られている」と返している[10]。
- 星野の楽曲に今井が歌詞を書き、それを星野が唄うことはバンド史上初だが、星野は歌いやすい歌詞だと述べている[10]。
- TIKI TIKI BOOM
- 樋口豊によると、今井のラップに合わせ、ベースもラップのようにリズムを刻んで収録された。ルールや決め事がなく、ノリが良ければいいということで、本作では一番難しかった楽曲だと述べている[9]。
- プシュケー - PSYCHE -
- ガブリエルのラッパ
- 海月
- 黄昏のハウリング
参加ミュージシャン
BUCK-TICK
- 今井寿 - ボーカル、バッキングボーカル、ギター、シンセサイザー、プログラミング、ノイズ
- 星野英彦 - ボーカル、バッキングボーカル、ギター、シンセサイザー、プログラミング
- 樋口豊 - ベース
- ヤガミトール - ドラム
参加ミュージシャン
- 横山和俊 - マニピュレート(Track:1,2,3,5,6,7,8,9,11,13,16,17)
- CUBE JUICE - マニピュレート(Track:4,10,12,14)
- YOW-ROW - マニピュレート、シンセサイザー(Track:15)
スタッフ
- BUCK-TICK - プロデューサー
- 田中淳一 - 共同プロデューサー、ディレクター
- 比留間整 - レコーディング・エンジニア、ミックス・エンジニア
- HAKII YUTA - アシスタントエンジニア
- SUZUKI REITO - アシスタントエンジニア
- OGIWARA MAI - アシスタントエンジニア
- SHIBA TAISEI - アシスタントエンジニア
- 浅見繁男 - ドラムテック、チューニング
- MINEMORI KAZUTAKA - ギター&ベーステック
- MATT COLTON - マスタリング
- ラベルスタッフ
- ENDO DAISUKE
- HATAYAMA TOYONOBU - メディアプロモーション
- UEMURA SHOTA - セールスプロモーション
- UESHIMA SATOMI - ラベルデスク
- SORITA YUICHI - ラベルプロデューサー
- ONO AKIRA - エグゼクティブプロデューサー
- UEDA KATSUNORI - スーパーバイザー
- マネジメントスタッフ
- ABE RURIKO - オフィシャルファンクラブ マネジメント
- KANEKO MAYUMI - マネジメントデスク
- HARAGUCHI MASARU - ジェネラルプロデューサー
- CHIBA TAKAHIRO - スーパーバイザー
- カバースタッフ
- 秋田和徳 - アートディレクション&デザイン
- KOMATSU YOSUKE - フォトグラファー
- 谷崎隆幸 - ヘア&メイクアップ
- YAMAJI CHIHIRO - ヘア&メイクアップ
- TAKAHASHI TSUYOSHI - コスチュームデザイナー&スタイリスト
- NUMAZAKI KARIN - スタイリストアシスタント
- AKITA YUKO - Pose Assistant
- TOMIOKA KATSUFUMI - アートワークコーディネーター
- OHKUBO KAYOKO - アートワークコーディネーター
出典
外部リンク
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