『スピリットサークル』は、水上悟志による日本の漫画作品。『ヤングキングアワーズ』(少年画報社)において、2012年7月号から2016年5月号まで連載された。
概要 スピリットサークル, ジャンル ...
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中学2年生の桶屋 風太のクラスに転入生がやってきた。霊が視える風太は、転入生・石神 鉱子にイーストという背後霊が憑いていることに気づく。風太はイーストに話しかけないようにしていたが、その日の放課後、鉱子と別れる際にイーストに話しかけられ、つい返事をしてしまう。風太にイーストが視えていることに気づいた鉱子はそれまでと態度を一変、スピリットサークルで風太を殴りつけ、風太に過去生を見せる。
自身の過去生(いわゆる前世)を視ることができる道具「スピリットサークル」を使い、風太と鉱子はいくつもの過去生を視る。過去生の順序は時代順ではなく、また、視る過去生の順序は風太と鉱子で異なる。以下の過去生の順序は、風太が視た順序である。
- 第二章「フォン」
- 靴屋の息子・フォンには小さい頃から精霊の姿が視えていた。ある日、森で精霊たちと会話している姿を薬草を取りに来た少女・レイに見られてしまう。レイはフォンを悪魔と誤解して倒そうとするが、フォンが父の友人の子であると知り、誤解が解ける。フォンが精霊たちに教えてもらった木の実でレイの母の病気は治り、2人は恋仲になる。それから2年後、レイが8年に一度執り行われる護国の儀式の生贄に選ばれてしまう。
- 第三章「ヴァン」
- 貴族の長男・ヴァンは幼い頃から騎士に憧れ、騎士団に入団、「黒髪の魔女」討伐で初陣を飾る。しかし、魔女が死に際にぶつけた焼き石で頬に火傷を負い、「呪い」をかけられてしまう。この呪いが元で家は弟が継ぐことになり、騎士団も退団、放浪の旅の果てに辿り着いた岬で暮らし始める。そして数年後、父が死に、弟が家を継いだと町の噂で聞いた頃、ヴァンの元に刺客が現れる。
- 第四章「フロウ」
- 港町に海を眺める老人がいた。彼の名はフロウ。町の人からは「スフィンクスさん」と呼ばれていた。フロウは並んで座る少年に、自身の生い立ちを語る。フロウは昔、まだ若かった頃、遠い国へ「スフィンクス」を作りにいった。そこで、土地の所有者のアルボルの娘に出会い・・・
- 第五章「方太朗」
- 江戸時代初頭。研師の梶間 方太朗はよく命を狙われる。それは彼が領主の富蘭家の長男だからである。しかし長男と言っても妾の子だった方太朗は、正妻に子が生まれると家督争いを避けるために母と共に城を追われ、研師の祖父の元で暮らしていた。そんな彼の存在を許せなかったのが正妻の子・火次朗である。彼は方太朗が家督を狙っていると疑っていたのだった。ある日、城に幕府の使者がやってくる。
- 第六章「ラファル」
- 34世紀。亜生者幽眠管理センター、通称「寝台」。そこでは事故や病気などで肉体を失った人間の脳が保管されている。彼らは亜生者と呼ばれ、電気信号で夢を見ながら生きている。ラファルはここで同僚のラピスらと清掃を行っていた。清掃と言っても、ブラシでケースを磨くだけという単調な仕事にトリップして過去生を観てしまう。
- 「寝台」に勤めて3年程経った頃、ラファルとラピスは所長・クラーロから2つの質問をされる。
- 第七章「風子」
- 昭輪91年の夏休み、桶谷風子は友人たちと登山をしていた。目的は霊峰不二の上空にある巨大空中静止体・通称「不二屋根」の調査である。もっとも、真剣に調査する気だったのは風子だけで、友人たちは調査という名目でキャンプを楽しむ気でいた。キャンプ場までの道のりで、風子に合わせてペースを落としていたコースケは崖の上にロボットのようなものがいるのを見つける。直後にロボットは消えてしまうが、2人はロボットのいた場所へ向かう。そこで見たものは、洞窟とその前で火おこしをしている宇宙人の姿であった。
- 風太たちの「現代」のパラレルワールドのような過去生(フルトゥナいわく「(風太の主観順序では)座標の時空値がほぼ一致、可能性値のズレだけ」)。
- 第一章「フルトゥナ」
- 幼いながらも霊学の天才であったフルトゥナであったが、禁じられた研究に意識無く手を出してしまい師であるレイから破門、霊学をやめるように忠告される。すでにレイを超えていたフルトゥナは独立、「禁じられた研究」の成果である人工精霊・ルンと弟子・イーストと共に霊学を続けていた。しかし、レイが病に伏せた事を知りながらも助ける事が出来ず初めての大きな挫折を味わう。そんなある日、イーストが赤ん坊を拾い、フルトゥナは「コーコ」と名付ける。4人での日々に心を癒され、幸せを感じていたフルトゥナだったが、イーストがレイと同じ病に掛った際に「今度こそ何とかして見せる」と作り上げたスピリットサークルでイーストを霊体の状態で固定してしまい、そのために近隣の霊力炉を破壊するテロを起こしてしまう。
- 他者の生死に対してあまりにも頓着の無いフルトゥナにコーコはサークルを奪い取って別行動をする。その後もフルトゥナの行動は変わることは無く、学術都市ひとつを死霊兵に換えて居座り「死霊王」と呼ばれるようになる。10年が過ぎ、成長したコーコに殺されそうになったことで漸くレイの言葉の意味に気づいたフルトゥナだったが、今生ではもう手遅れだと考え、コーコと相討ちとなった。