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『ファイナルファンタジーX』および『ファイナルファンタジーX-2』の舞台となる架空の世界 ウィキペディアから
スピラ(Spira)は、スクウェア(現・スクウェア・エニックス)のコンピュータゲーム『ファイナルファンタジーX』および『ファイナルファンタジーX-2』の舞台となる架空の世界。語源は「螺旋」を意味するspiralである。『ファイナルファンタジーX』では『シン』による死と破壊の世界として描かれており、その一連の現象を同作では「死の螺旋」と呼んでいる。
『ファイナルファンタジーX』よりもかなり昔から存在していた世界であるが、現在の名称で呼ばれるようになったのは1000年前の機械戦争の終末からである。
『ファイナルファンタジーX』以前のスピラは、全体的に文明の発達した世界であった。その中でも特に大きな2大都市としてザナルカンドとベベルが挙げられる。
当時最大の都市であったザナルカンドは、その技術力においても最高の水準を誇る都市であった。一方、それに対抗する存在として、高度な機械文明を持つベベルが存在する。この両都市は軍事面において大きな隔たりを持ち、軍事的にも機械を利用していたベベルとは対照的に、ザナルカンドは機械を戦争には用いず召喚術によって外敵を退けていた。資源を軍事方面に活用していたベベルにザナルカンドが勝てるはずもなく、後にナギ平原と呼ばれる地帯での戦闘ではザナルカンド軍の損害は90%であったといわれている。
その後、ベベルはザナルカンドへの直接攻撃を試みるが、ザナルカンドの統治者であった召喚士エボンは、ザナルカンドを永遠のものとするため、生き残っていたザナルカンド市民を総て祈り子に変えてガガゼト山の山中に隠し、彼らの見る夢を基に「夢のザナルカンド」を召喚する。また、重力魔法を用いて幻光虫を寄せ集めた巨大な鎧『シン』を作り出し、自らはその内部で「夢のザナルカンド」を永遠に召喚し続ける存在、エボン=ジュとなる。
『シン』は、無人となったザナルカンドやベベルを皮切りに、他の機械文明をも攻撃する。真相を知らないベベル市民は、ザナルカンド滅亡に怒り狂ったエボンが、ガガゼト山の祈り子達を使って『シン』を召喚したと噂した。
エボンによるザナルカンドの大破壊の前夜、ザナルカンドを離れていた1組の夫婦。夫の名はゼイオン、妻の方はエボンの娘ユウナレスカであった。彼女は、召喚士との間に強い絆を持つ者を祈り子とすることによって『シン』を打ち倒す力とする、後に「究極召喚」と呼ばれる技術を編み出した。ユウナレスカはゼイオンを祈り子としてこれを用い、『シン』を打ち倒したとされている。しかしエボン=ジュはこの時、究極召喚獣となったゼイオンを自分の新しい身体として取り込んだのであって、倒された訳ではなかった。一方、ユウナレスカもゼイオンが『シン』に取り込まれた結果、その衝撃に耐え切れず死亡したが、死人としてスピラにとどまり、この「究極召喚」を後の世に残す役割を担うこととなった。
エボン父娘を祭るエボン教がベベルにて発足し、『シン』の機械文明破壊によって機械放棄の風潮が広がるスピラを精神面で支配するようになる。しかし、機械戦争前後の史実や、「究極召喚」を用いても『シン』が完全に消えることはなく堂々巡りになるだけであるという事実は、スピラの人々の絶望を防ぐためとしてエボン教上層部により秘匿され、これにより世界は「死の螺旋」に囚われることとなった。
『シン』の出現とそれによる破壊の結果、スピラに住む人々の生活は質素な物となった。大都市のほとんどが『シン』に破壊され、集落の規模も小さくなった。ルカやベベルは辛うじて都市と言える規模を保ってはいるが、他はもはや村としか言えないような小さな規模である。
人々は召喚士が「究極召喚」によってもたらす平穏な時期「ナギ節」を大きく切望しており、そのために召喚士を敬いながら質素な生活を送っている。再び『シン』が現れれば人々はまた寺院に祈りを捧げ、召喚士は自らの偉業のために寺院を巡るのである。
召喚士達はスピラの各地にあるエボン寺院を巡り、各寺院にある祈り子と交感することにより新たな召喚魔法を獲得していく。そして最終的にはザナルカンドに至り、ユウナレスカによりその召喚の技術力を認められガードの一人を祈り子として捧げることにより、「究極召喚」を得る。「究極召喚」により『シン』は一旦は倒されるが、それを使用した召喚士自身も死に、しかも『シン』は数年後に再び現れる(『シン』を倒した究極召喚獣が次の『シン』になるため)。こうして「死の螺旋」は永遠に続くことになるが、寺院はその理由を「スピラ世界全体がエボンの教えに従っていないから」だとし、禁忌とされている機械を平然と使うアルベド族にその責任をなすりつけてきた。
しかし、そんな1000年の「死の螺旋」の歴史は、ユウナ達によって終焉を迎える。「究極召喚」を拒み、自ら『シン』の体内に乗り込んで中心にいるエボン=ジュを打ち破ることにより、『シン』は完全に消滅し、人々が待ち望んでいた「永遠のナギ節」が訪れた。
悲劇の時から2年後、スピラは急速な発展をしていた。 しかし、新エボン党と青年同盟との冷戦が起こった。 そして、1000年以上前に開発された兵器ヴェグナガンの秘密を探るため旅に出る。
スピラには熱帯と見られる海沿いの村や水晶のように輝く森など、様々な地域が存在する。
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