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スキー指導者(スキーしどうしゃ)とは、スキーヤーのスキー(主にアルペンスキー)の滑走技術や安全等の指導に従事する、主に後述の全日本スキー連盟(SAJ)が公認するSAJ公認スキー指導員・準指導員(エスエイジェイこうにんスキーしどういん・じゅんしどういん)・公益財団法人 日本体育協会(現・日本スポーツ協会)[注釈 1]とSAJによる公認スポーツ指導者制度による認定指導者を指し[注釈 2]、場合により、後述する一部都道府県スキー連盟などのSAJ加盟団体によって制定及び認定された認定スキー指導員(にんていスキーしどういん)や、日本プロスキー教師協会(SIA、正式名称 日本職業スキー教師協会、以下も同様)[注釈 3]に所属するスキー教師も含めた総称である。
ここでは主としてSAJに関連する事項を中心に記す。SIAに関連するものは該当記事を参照。
SAJ公認のスキー学校で教師をするためには、SAJ公認スキー指導員・準指導員の資格を取得していなければならない。ただし、都道府県連盟などによる認定スキー指導員制度がある地区の場合はその限りではない[注釈 4]。
SAJ公認スキー準指導員(以下、準指導員)を取得するには、都道府県連盟主管で、原則年1回[注釈 5][注釈 6]行われるSAJスキー準指導員検定会(以下、準指導員検定会)に合格することが必要である。
準指導員検定会の実施要領は都道府県連盟主管の加盟団体によって別に定められ、会期は原則として3日間としている[注釈 5][注釈 7]。準指導員検定会は「理論」と「実技」に日程を分けて行われる事があり、その場合、先に理論検定を1日行い、後に実技検定を2日間にかけて行って3日間の会期とし、原則、準指導員検定会終了の翌日に全ての合格者発表と閉会式等の日程を取る事が多い。
準指導員はSAJ公認スキーC級検定員検定を受検する事が出来る。準指導員検定会を主管する都道府県連盟にもよるが、準指導員検定会閉会式後に合格者養成講習会が開催され、さらにC級検定員検定会も開催されるケースもある[注釈 8]。
受検資格は、以下の各号に該当しなければならない。
準指導員検定受検者で希望する者は、都道府県連などによる認定スキー指導員制度がある地区の場合において、その地区の認定スキー指導員検定を受検する際に特典を受けられる場合がある。一例として、公益財団法人 北海道スキー連盟(SAH)におけるSAH認定スキー指導員受検者は理論試験を免除される[注釈 8]。
準指導員検定受検者のうち、次のいずれか一つ以上に該当する者は、その資格を証明出来る免許証などをコピーした物を願書に添付して出願する事で、養成講習中の「救急法」の受講が免除される[注釈 8]。
日本プロスキー教師協会(SIA)[注釈 3]のアルペンスキー・ステージⅢとして連続して5年以上常勤した者は、SAJ会員登録後、加盟団体長の推薦による特別推薦書・既得資格のライセンス証の写し・当該年度[注釈 9]の会員登録証明書類を3月末日までにSAJに提出し、教育本部理事会の承認を得て手続きすると準指導員資格が取得出来る[注釈 10]。
準指導員資格を取得して20年を経過し(資格停止中及び喪失中を除く)、当該年度[注釈 9]の1月1日時点で60歳を越えた者は、本人の同意を得た上で加盟団体長の推薦により功労スキー準指導員として顕彰される[注釈 11]。
SAJ公認スキー指導員(以下、指導員)を取得するには、SAJ主催で都道府県連盟協力において行われるSAJスキー指導員検定会(以下、指導員検定会)に合格することが必要である。準指導員検定会と違い、検定会場は全国の原則5会場に限られ、指導員検定会受検者はそのうちの1会場のみを選んで受検する[注釈 12]。
指導員検定会の実施要領はSAJによって別に定められ、毎年オフィシャルブック等によって周知される。なお、指導員検定会の日程は3日間に渡って行われ、天候等の特別な事情を考慮して、予備日が1日設けられる[注釈 13]。なお、詳細日程については現地にて示される[注釈 8]。
指導員はSAJ公認スキーA・B・C級検定員検定を、それぞれの要件に応じて受検する事が出来る。主催がSAJであるため、A級検定員検定会は指導員検定会と同会場、B・C級検定員検定会は別会場の開催となるケースが多い[1]。
受検資格は、以下の各号に該当しなければならない。
なお上記2において、次に該当する場合は準指導員資格が無くても、加盟団体長の推薦により特別推薦書をSAJに提出し、教育本部理事会の承認を得ると、当該年度[注釈 9]の指導員検定会の受検手続きを行って受検が出来る[注釈 14]。
外国の国家検定教師の資格者、または日本プロスキー教師協会(SIA)[注釈 3]のアルペンスキー・ステージⅣとして連続して10年以上常勤した者は、SAJ会員登録後、加盟団体長の推薦による特別推薦書・既得資格のライセンス証の写し・当該年度[注釈 9]の会員登録証明書類を3月末日までにSAJに提出し、教育本部理事会の承認を得て手続きすると指導員資格が取得出来る[注釈 15]。
指導員検定合格者は、別に定める免除措置の規定によって、公益財団法人 日本体育協会(現・日本スポーツ協会)[注釈 1]スポーツ指導者制度によるスキー指導員及びスキー教師の資格取得専門科目免除を受けられる[注釈 16]。
指導員資格を取得して20年を経過し(資格停止中及び喪失中を除く)、当該年度[注釈 9]の1月1日時点で60歳を越えた者は、本人の同意を得た上で加盟団体長の推薦により功労スキー指導員として顕彰される[注釈 11]。
指導員、準指導員、公益財団法人 日本体育協会(現・日本スポーツ協会)[注釈 1]とSAJによるスポーツ指導者制度における認定指導者(以下、指導者)は、次の各号に定める義務を負う。[注釈 17]
上記1.については、指導者が2年続けて研修会未修了となった場合に指導者の資格が停止となる。資格停止中の者は指導活動を行う事が出来ない。なお、資格停止中であっても研修会には参加可能で、研修会を受講すればその修了をもって資格停止が解除となる。これについては、2017年(平成29年)8月22日時点では翌年度[注釈 9]からの解除[注釈 18]だったが、2020年(令和2年)11月6日に現在の方式に改正された[注釈 19]。また、以下の行事は特定行事として研修会と同等の扱いとし、参加した役員・参加者及び受検者は研修を修了したものとみなされる[注釈 20]。
なお、功労スキー指導員及び功労スキー準指導員は規定により研修会の参加義務が免除される[注釈 11]。
次の各号の一つに該当する者は、理事会の決定によって指導者の資格を喪失する。功労スキー指導員及び準指導員も同様である[注釈 21]。
なお、資格喪失者はSAJが定める「過年度登録者に係る資格再認定規程[注釈 23]」に基づいて、次の要件を満たした事を加盟団体が確認し、加盟団体長からの推薦を受ければ資格の再認定を申請することができる。
再認定の申請は必要な資格再認定申請料の納付とともに上記1.期間内の3月末日までに行う。申請後は理事会による審議が行われ、再認定された場合の資格は翌年度[注釈 9]から有効となる。
全日本スキー連盟としての認定指導員制度は既に廃止となっているが、必要に応じて加盟団体が認定するものが存在する。しかし、その資格の認定規定、稼働範囲、資格の継続等については、実際に認定を行っている加盟団体によって異なるため、問い合わせ先は、各都道府県連盟等となっている。
一例として、公益財団法人 北海道スキー連盟(SAH)においてSAH認定スキー指導員の制度があり、その検定会が行われている[2]。検定会は最初からSAH認定スキー指導員となるために受検するほか、準指導員検定と合わせて受検する事もあり、後者の場合は上記の特典が受けられ、他にもSAH認定スキー指導員の有資格者は翌年度[注釈 9]の準指導員検定会の初回受検時に限って受検料の減免がある。なお、SAH認定スキー指導員は北海道内のみ有効な資格となっている。また、その後準指導員資格を取得した場合は自動的にSAH認定スキー指導員の資格喪失となる[3]。
2019年以降の新型コロナウイルス感染症の世界的流行にともなって、政府から2020年2月26日付での「大規模なスポーツや文化イベントなどの中止・延期・規模縮小の要請」を受けた事により、2月27日以降のSAJ主催事業中止が決定し[注釈 24][注釈 25]、その期間に開催予定だった検定会や研修会などの中止が相次いだ事もあり、2021 - 2022年度[注釈 9]のSAJ公認スキー指導員・準指導員、及び加盟団体における認定スキー指導員[注釈 8]の受検や研修会において、次の特別措置などがとられている[注釈 26][注釈 27][注釈 28][4][5]。
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