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ブラジルの肉料理 ウィキペディアから
シュハスコ[1]、シュラスコ(churrasco ポルトガル語: [ʃuˈʁasku], スペイン語: [tʃuˈrasko])は、牛や羊などの畜肉を鉄製の串に刺し通し、岩塩を振って炭火でじっくりと焼くブラジルの肉料理である[2][3]。周辺国のアルゼンチンなどにも同様の料理があり[3]、スペイン語圏であるそれらの国々ではチュラスコないしはアサード(スペイン語: asado)と呼ばれる。
これを提供するレストランをシュハスカリアないしはシュラスカリア (churrascaria) と呼ぶ[2]。各種畜肉の様々な部位を串刺しにし、シュハスケイロ、ギャルソン、ガウーショ(牧童の格好をしている場合)などと呼ばれる男性ウェイターが程よく焼けた頃合いの具材を串ごと客席に運び、目の前で食べたい量を切り分けるという供し方が特徴[3]。その際にトマト、玉ねぎ、胡瓜などのみじん切りが入ったヴィネグレットソースも出されるので、切り分けた肉に好みの量をかけて食べる[2]。ウェイターが持ってくる串は肉類だけでなく、エビ、パイナップル、焼きバナナなどを刺したものもある。パイナップルは酵素が肉類の消化に良いとされており、理にかなっていると言える。
シュハスカリアの多くは、いわゆる食べ放題のホジージオ (rodízio) 方式で提供する[4]。そうした店にはサラダバーなどが併設されており[4]、テーブルにはバナナ、ファリーニャ(キャッサバ粉のフライ)、米飯、パンのほかに「食べ残し用の皿」も置かれる。加えてウェイターが様々な部位の肉をひっきりなしに持ってくるため、大食漢でもない限りは自分の腹具合と相談しながら食べることになるが、ベン・パッサード(bem passado, 英語で言うウェルダン)やマウ・パッサード(mal passado, 英語で言うレア)などの焼き加減や脂身の多い・少ないなど、肉の好みは人によって違うため、客が自らの希望を伝えればウェイターはその通りにしてくれる。自分が望む種類・肉質の肉が来ない場合には、延々と待たずに遠慮なくウェイターに言えばよい。
必要以上の肉が回ってきたときにはその都度断ればいいのだが、そうした手間を省くために表裏を緑と赤に彩色した金属片や木片、またはカードを置いているシュハスカリアもある。緑色の側を上にすると「肉を持ってきてほしい」というウェイターに対する意思表示(サイン)になり、逆に赤色の側を上にすると「要らない」という意思表示になる[4]。ただし日本のシュハスカリアでは、赤のサインを上にした場合にはサービス提供の全てを断り、食事は完全に終了したものと見なされる。
ブラジルのシュハスカリアでは基本的に時間制限がなく、昼に来て夕方に帰る客なども多い。また、ブラジルの店では牛肉の提供が充実しており、非常に贅沢である。日本のように「もったいない」という考えはなく、食べ損ねて冷たくなった肉もウェイターが皿ごと取り替えてくれる。
なお、シュハスコとはもともとバーベキューを意味する言葉であり、ブラジルの一般家庭で行うときにも同様に呼ばれる。
中華人民共和国の大都市にも、21世紀になって巴西烤肉(ブラジル焼き肉、バーシー・カオロウ)の名でシュハスコを売り物にしたレストランが多く開業している。串に刺す素材は、牛肉などのほかにソーセージなどにも広がり、併せて中華料理のバイキングを出すなどのローカル化も見られる。
日本にも、1990年代に多くのシュハスコを売り物にしたブラジル料理、肉料理のレストランがオープンした。神奈川県川崎市、静岡県浜松市、愛知県豊田市などの日系ブラジル人が多い地域には、ブラジル出身者によるシュハスカリアがある。
食材の種類 | ポルトガル語表記 | |
---|---|---|
牛肉 | コブ肉 | クッピン (cupim) |
リブ・あばら骨周辺 | コステーラ、クッシュテーラ (costela) | |
ランプ肉 | アゥカットラ (alcatra) | |
イチボ | ピッカーニャ(picanha) | |
ガーリックステーキ | ピッカーニャ・ヌ・アーリュ (picanha no alho) | |
豚肉 | ロイン | ロンボ、ロンブ (lombo) |
リブ | コステーラ、クッシュテーラ (costela) | |
ソーセージ | リングィッサ (linguiça) | |
鶏肉 | 手羽元 | フランゴ、フラング (frango) |
ハツ(心臓) | コラサン (coração) | |
エビ | カマラン (camarão) | |
パイナップル | アバカシ (abacaxi) |
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