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シトロエンの貨物自動車 ウィキペディアから
タイプH(仏: Type H、ティープ アッシュ)は、フランスの自動車メーカー、シトロエンによって1948年から1981年まで生産・販売されていた貨物自動車である。日本にはH、Hトラックという名称で最大200台ほど輸入された。
シトロエン・タイプH 日: H型 | |
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最終型 標準ホイールベース (フロント) | |
最終型 標準ホイールベース (リヤ) | |
最終型 内装(座席は換装されている) | |
概要 | |
製造国 |
フランス ベルギー |
販売期間 | 1947年 - 1981年 |
ボディ | |
乗車定員 | 2名 |
ボディタイプ |
2ドア トラック 4ドア ウォークスルーバン |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 前輪駆動 (FF) |
パワートレイン | |
エンジン |
ガソリン → 1.6L 直列4気筒OHV (1963年 - 1981年) 1.9L 直列4気筒OHV (1948年 - 1981年) ディーゼル 1.6L 直列4気筒OHV (1961年- 1964年) → 1.8L 直列4気筒OHV (1964年 - 1968年) 1.9L 直列4気筒OHV (1968年 - 1981年) |
最高出力 |
ガソリン 1.6 L : 45 ps / 4,200 rpm 1.9 L : 58 ps / 4,500 rpm ディーゼル 1.6 L : 42 ps / 3,600 rpm 1.8 L : 50 ps / 4,000 rpm 1.9 L : 57 ps / 4,000 rpm |
変速機 | 3速 MT |
前 |
フロント:ダブルウィッシュボーン式 リヤ:トレーリングアーム式 |
後 |
フロント:ダブルウィッシュボーン式 リヤ:トレーリングアーム式 |
車両寸法 | |
ホイールベース |
右:2,536 mm 左:2,500 mm |
全長 | 4,260 mm |
全幅 | 1,990 mm |
全高 | H,HY 2,300 mm HZ 2,285 mm |
車両重量 | H:1,500 kg :HZ1450 kg |
最大積載量 |
H : 1,200 kg HZ : 850 kg → 1,000 kg HY : 1,500 kg → 1,600 kg H1200 : 1,200 kg H1600 : 1,600 kg HX : 3,100 kg HW : 3,200 kg |
その他 | |
総生産台数 | 473,289 台 |
系譜 | |
先代 | シトロエン・TUB/TUC |
駆動方式は当時の商用車としては画期的な前輪駆動方式で、それをさらに生かすプラットフォーム型のシャーシとトレーリングアーム式サスペンション(リア)との組み合わせを持つ。荷室の床は低く平らで天井も高く、荷室は広大である。また特徴的な波板プレスの外板は、軽量化と生産設備および工程の簡略化、車体強度の両立に一役かっている。
生産期間が長かったこともあり、1990年代まではフランス国内のいたる所で見かけた車である。フランスのほか、ベルギーの工場でも生産された。総生産数は47万3289台。
エンジン、トランスミッション等の多くの部品を同時期の乗用車、シトロエン・トラクシオン・アバン、DSなどと共用しているが、その位置関係は両車と180度異なり、車室前方中央部にはエンジンカバーが張り出している。トランスミッション直上のフレームに取り付けられたシフトレバーは、運転席の真横にほぼ直立した状態で配置されており、1967年中頃を境にシフトパターンが左側1速と後退から、2速と3速へ変更されている。ヘッドライト、ウインカーレバーおよびレンズユニット、コンビネーションスイッチを2CV、速度計をトラクシオンアバンと2CV、前開きドアアウターノブをトラクシオンアバン、後ろ開きドアインナーノブや各種電装系スイッチをDSなどと共用する等、シトロエンらしい合理性も見られる。
架装性が良いことから、有蓋および無蓋の貨物車をはじめ救急車、マイクロバス、キャンピングカー、移動販売車、現金輸送車、車両積載車、家畜運搬車、クレーン車等、様々なバリエーションが生まれ、フランスをはじめ各国で活躍した。救急車や車両積載車の中にはリアのみハイドロニューマチック・サスペンションとしたものがあるが、サスペンションシリンダー内の油圧を制御するハイトコントロールバルブはセルフレベリングのみに機能し、他のハイドロニューマチックサスペンション車両のように運転席から任意に車高を調整することは出来ない。1968年以後、仕向け地によってフロントドアヒンジが前側に変更されており、その場合はステップ形状の前側を厚くし傾斜させ乗降性に配慮している。最終モデルでも後ろヒンジ(スーサイドドア)のほうが多かった。イギリスのスラウ工場で極少数の右ハンドル仕様が試作されている。
日本には2回にわたって正規輸入されたと記録されているが、最大でも200台しか販売されていない計算である。
2回目販売時の呼称が ”Hトラック”であったために、日本では”Hトラック”とも呼ばれている。日本には標準ボディの有蓋車仕様(Fourgon:仏)のみが輸入された為に”Hバン”とも呼ばれているが、本国では無蓋車仕様(plateau cabine:仏)も数多く販売されていたので、この車両の総称としては正しくない。販売用のカタログでも強調されているように、購入企業がボディーに独自の広告を再塗装することによりイメージアップして売り上げを倍増できるとしている。車体側面の水平基調のプレスラインは、塗装時の基準線としても活用出来る。人目を引くデザインや人が立てる程の高い室内スペースを活かし、国内でもそれなりの数のタイプHが移動販売車などに使用されているが、湿度の高い日本の気候により車体の腐食が進んだ個体も多い。
河口湖自動車博物館にはフランス本国にも多く現存していない貴重な未再生原形の正規輸入車(HY IN2)が、また日本自動車博物館にも大変綺麗に修復された正規輸入車(HY IN2)が収蔵されているが、共に静態保存車両である。移動販売車の流行により2000年以降だけでも数十台以上のタイプHが並行輸入されているが、大半がガソリンエンジン搭載車である。
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