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シクロクロス(仏: Cyclo-cross 蘭: Veldrijden)とは、オフロードで行われる自転車競技である。競技は秋から冬にかけて行われることが多く、舗装路、未舗装路、芝、急坂、障害物などの含まれる短い(2.5-3.5km)コースを、自転車に乗車・降車・担ぐ等しながら周回し、ゴールの順番や所要時間を争う。「シクロクロス」はフランス語読みであり、英語では「サイクロクロス」と発音される。略語として「CX」と表記される。
競技は1周が3 - 4キロメートルの不整地の周回路で行われるが、始めに競技時間が規定され、周回数が競技中に決定される。1周目のラップタイムで規定された競技時間を除算して周回数が定められ、この周回数を最初に消化した選手が勝者となる。競技時間はロードレースに比べると短く、40分から1時間である。コースには人工の障害物(柵、階段など)が設けられ、必ず下車して自転車を担がなければならない部分が作られている。またシクロクロス特有のルールとして、ピットで自転車の乗り換えを含む機材交換が可能となっており、1人の選手に対して複数のピットクルー(アマチュア選手の場合、多くは友人)[独自研究?]が代車を用意してピットにつくことが多い。使用機材は、上級カテゴリーではドロップハンドルの使用が義務づけられているなどの規定がある。ロードレースがチームでの連携や陽動などの複雑な駆け引きが戦術として大きく作用するのに対して、シクロクロスは選手個人の身体的能力や自転車の操舵能力が結果を左右する。 シクロクロスの起源はロードレース選手の冬季トレーニングの一環として始まり、現在ではヨーロッパ、とくにベルギーのフランデレン地域、オランダ、チェコで盛んに行われている。 主要なレースはロードレースのオフシーズンである11月から2月上旬にヨーロッパ各地で行われ、また世界選手権も同様に冬季に行われる。多くの選手は他の自転車競技にも参戦しているが、シクロクロスにのみ参戦する選手もいる。同じくロードレースのオフシーズンに集中開催されるトラックレースの6日間レースよりも現在では人気面で凌駕しており[独自研究?]、最高峰の大会である世界選手権の他に、UCIシクロクロスワールドカップ、スーパープレスティージュ、X²O・バットカームルス・トロフェーという3つのシリーズ戦も並行して行われている。なお、以上4つの大会全てを同一年度シーズンに制覇した選手のことを、グランドスラムと呼んでいるが、スヴェン・ネイスが2005年に達成した。2016年からはこのほかにEthias Crossというシリーズ戦も行われている。 オランダ出身のマリアンヌ・フォスは、世界選手権で8回優勝している。
シクロクロスの起源は1900年代に遡る。その成り立ちにはいろいろな説があり一概には言えないが、一説には自転車選手が隣町までの競走の際、近道のためにフェンスの中に入り畑の中を自転車で走ったのが起源だとも伝えられる(この当時、冬場の休耕地であれば立ち入る事は許されていた)。これは当時オフシーズン期間にもコンディションを保つ方法でもあり、また不整地を走る事によって自転車の操舵能力、瞬発力を高める訓練にもなった。初期のツール・ド・フランスの優勝者にこのようなシクロクロスの原型とも言える練習方法として取り入れていた人物がいる[誰?]。 次第に本来練習であったものが競技として形成され、1902年にフランスで国内選手権が開催され、そしてフランスより生まれたこの競技は次第に近隣の国へと伝わり、1924年に最初の国際大会がパリで行われ、1940年代に国際自転車競技連盟(UCI)が正式な競技として認定、1950年には世界選手権が開催された。その後シクロクロスは大西洋を越えてアメリカに伝わり、1970年代に隆盛、1975年にはアメリカで国内選手権が開かれている。また、マウンテンバイクの誕生にこの時代のシクロクロスのレースが関わっている[1]。
自転車の車種としてのシクロクロス(シクロクロス車、シクロクロスバイク(Cyclo-cross bicycle)ともいう)は、UCIのシクロクロス競技規定に準じた物で有る。UCIまたはその傘下の団体主催の競技では必須である。UCI管轄外の競技であってもそれに準じる物もあるが、不整地の走行を想定して設計されているマウンテンバイクやビーチクルーザーなどのシクロクロス車以外でも参加出来る場合も有る。 UCIが規定したシクロクロスの特徴は以下の通り。
シクロクロス競技では不整地を自転車あるいは自転車を担いで走る必要があるため、選手はランニングに不適なロードレース用のレーサーシューズではなく、ツーリングシューズ、またはMTB用シューズを履く[5]。また競技会場は木々が無造作に生い茂るところも多いために木の枝を衣服に引っ掛けないように、もっと肌に密着した上下一体型のレーシングスーツを着用する事もある。
競技用のシクロクロス車をもとに、ロードバイクとしての使用も想定した車両も販売されている。この種の車両はホイールベースが長い、キャリア取付用ダボやボトルケージ用のねじ穴の存在など、純粋な競技機材としてのシクロクロス車とは異なる部分がある。
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