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『サモンナイトエクステーゼ 夜明けの翼』(サモンナイトエクステーゼ よあけのつばさ、Summon Night EX-THESE)は、バンプレスト(後のバンダイナムコエンターテインメント)から2005年8月4日にPlayStation 2用ソフトとして発売されたアクションRPG。
『サモンナイトシリーズ』の外伝の一つで、ジャンルは「ファンタジックアクションRPG」。キャラクターデザインはいるも晴章。
本編シリーズがシミュレーションRPGの体裁となっているのに対し、本作はリアルタイムのアクション性を前面に押し出した内容となっている。また、世界観も本編シリーズとの繋がりは持ちつつも、これまでの作品とは異なる舞台となっている。
本作では、男女二人の主人公が一つの身体を共有しているという設定となっている。二人の主人公を任意のタイミングで切り替えつつ、剣によるアクションや召喚術を駆使して物語を進めていく。
ごくオーソドックスなトップビュー形式のアクションRPGの体裁となっている。プレイヤーは主人公を操作して、フィールド上をリアルタイムで移動する雑魚キャラクター、ボスキャラクターと戦ったり、NPC(村や街の住人など)との会話を進めたりしながら物語を進めていく。フィールドの描画には3DCGも用いられてはいるが、視点の変更や回転はできない。キャラクターは2DCGで描かれる。
プレイヤーは方向キーとボタンの操作によって、前後左右への移動、ジャンプ、チェンジ(主人公の交代)、剣による攻撃、MPを消費しての召喚術、装備中の回復アイテムの使用、といったアクションを行うことができる。この他にメニューを開くことにより、装備や召喚可能な召喚獣の変更、任意のアイテムを使用することができるが、ボスキャラクターとの戦闘中にはメニューを開くことができない。
剣による攻撃の際、攻撃ボタンを連打することで連続攻撃が発生する。攻撃のモーションや連続攻撃の攻撃回数は、行動中の主人公が装備している「剣技」によって変化する。また、男主人公のみ攻撃ボタンを一定時間押続けてから離す操作によって「チャージアタック」と呼称される威力の大きな攻撃を繰り出すことができる。
身体を共有する二人の主人公は任意のタイミングで「チェンジ」を行うことができ、これによりその場でもう一方の主人公へと変身することができる。二人はそれぞれHPとMP、経験値とレベルが独立して設定されており、待機中の主人公は少しずつHPとMPが回復していく[注 1]。二人の主人公は基本的な移動速度やジャンプ力には違いがないが[注 2]、装備可能な「剣技」が異なるために攻撃モーションが異なる、召喚獣ごとに呼び出した際の威力もしくは効果などが違っている、属性攻撃に対する耐性が異なるなどといった差異があり、加えてそれぞれ性能の異なる防具や憑依召喚獣を別々に装備することができる。更に、フィールド上には男主人公か女主人公の一方でしかダメージを与えられない敵が数多く存在しているため、こまめに主人公を切り替えながらゲームを進めていく必要がある。
チェンジには制限もあり、短時間に連続してチェンジを繰り返すと一定期間交代が不可能になる。またチェンジの瞬間には若干の隙が生じるが、「チェンジスキル」と呼ばれるスキルを装備することにより、隙を補ったり、交代動作に特別な効果を付与したりすることができる。
経験値は倒した敵が落とす「ジェム」と呼称されるアイテムを拾うことで獲得する。このため敵を倒してジェムを拾い集める前にチェンジを行えば、もう一方の主人公に経験値を譲り渡すことができる。レベルアップは各主人公の経験値を貯めることで行われる。
召喚獣は「名前のかけら」を揃えて真名を明らかにすることによって召喚が可能となる。「名前のかけら」は特定の雑魚キャラクターを倒す、宝箱などを開ける、イベントでNPCから譲られるなどといった手段によって入手することができる。召喚獣を召喚した時の効果は一定範囲を攻撃するもの、自律的に敵を攻撃するもの、主人公の能力を向上させたりHPを回復したりするものなど様々で、さらに召喚獣と召喚者の組み合わせごとに異なる。また憑依召喚獣として各主人公に装備させることで、各主人公の攻撃性能や属性耐性など様々な能力を向上させることができる。
また、これらの召喚獣の多くはフィールド上で使用したり主人公に憑依させたりすることにより、ダンジョンの仕掛けを解除したり、宝箱などに隠されたアイテムや他の召喚獣の「名前のかけら」を入手したりするなど、ストーリー進行に必要なトリガーとしても機能する。このため召喚獣集めはゲームを進める上でも重要な作業となる。
敵の攻撃によって行動中の主人公がダメージを受け、HPが0になると行動不能状態となり、もう一方の主人公への強制的な交代が発生する。その後はセーブポイントなどで休息するか、メニューから使用できる復活アイテムによって行動不能状態を回復させるまでは交代が不可能になる。なお、ボスキャラクターとの戦闘中にはメニューを開くことができない関係上、もう一方の主人公の行動不能を回復する手段がなくなる。
二人の主人公のHPが両者とも0になるとゲームオーバーとなる。雑魚キャラクターとの戦いやイベント戦闘で敗れた場合は以前にセーブしたところからやり直しとなるが、ボスキャラクター戦闘では負けても戦闘の直前からやり直すことが可能となっている。
サモンナイトシリーズにおける共通要素である「夜会話」は、物語の合間に挿入される強制的なイベントとして扱われている。本作の夜会話は二人の主人公の会話に限定されており、相手を選ぶことはできない。
見知らぬ洞窟の中で目覚めた主人公は、過去の記憶を失っていること、一つの身体に二つの意識が入ってしまっていることに気付く。彼らの目の前に現れた不思議な少年・ノヴァの言葉により、二人は自分自身と世界の理を知るための長い旅に出る。
二人は冒険を重ね、「白夜」と呼ばれる慈善集団の助力を得るようになるが、世界の真実に迫るうちに、自分たちの身に降りかかった奇異の原因が、世界全体を巻き込みつつある脅威の一端であるという真相に辿り着く。
過去の記憶を失い、一つの身体を共有することになってしまった男女二人の冒険者。開始時に選んだ主人公が物語を牽引する役割を割り振られる。ちなみに二人は一つの身体を共有しているため、実世界で会って話す事は出来ないが、常夜の石で意思の疎通が出来る。
元々は二人で転生の塔を目指してノヴァと共に旅を続けていた。転生の塔に入り込んだ時にエグゼナの襲撃に遭い、片方の主人公の体が乗っ取られてしまう。ノヴァの力で乗っ取られた体と魂を引き剥がし、主人公の体に魂を入れるが、その結果として記憶を失ってしまう。エンディングでは無事に体と魂が元に戻る。
アレスパの街を本拠地としている、人々を導くという目的を持って活動している慈善集団。
本作の舞台となる世界は「界の狭間」または「夢と現の界層」と呼ばれ、サモンナイトシリーズの世界観においては「輪廻転生の輪」からこぼれてしまった魂が行き着く、いわゆる死後の世界と位置づけられている。住人の多くは自分たちが死者であることを忘れており、その自覚を持たないまま日々の生活に埋もれ、世界を構成する一部となっていく一方、世界の真実に自力で気づき試練を乗り越え、「導き手」と呼ばれる者の助力を得て「転生の塔」と呼ばれる場所に辿り着くことができたほんのひと握りの者のみが、転生する資格のある魂として選別され、サモンナイトシリーズの主要な舞台であるリィンバウムなどの世界に生まれ変わることができるとされている。日常に埋もれていく者たちは「定着せし者」、日常に埋もれることに抗い世界の真実を求め転生を目指す者は「放浪者」と呼ばれる。
これらの真相は物語の開始時には伏せられており、中盤になって明かされる。
『サモンナイト4』の無限界廊(界の狭間)の最終ステージが転生の塔であり、そこに白夜のユヅキ、リゼルド、オーレル、ピアが最強の敵として登場する。オーレルはつぎはぎの石版と双覇竜ブリスゴアを装備し、クリア後にレオンとエイナのものと思われる大剣と細剣が入手出来る。バトルの前後に4のキャラとの会話があり、ファンサービスとなっている。会話ではルチルとムガも登場するが[注 3]、そこで本作本編の会話にあった“同業者の飲み仲間”がメイメイであった事も明らかになる。また、4の召喚ユニットはお気に入りに指定する事でカラーの変更が可能だが、プニムのカラーバリエーションにレオン&エイナの変身バージョンも含まれている。
2005年6月30日に発売された週刊少年ジャンプの増刊号『ジャンプヒーローズ』に読み切り作品として掲載。作画は岡野剛。
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