サッサフラス
芳香があり、香料の原料に使うクスノキ科の樹木。 ウィキペディアから
サッサフラス(薩沙富拉斯[1]、羅: Sassafras)はクスノキ科サッサフラス属の樹木の総称、またはそのうち特に北米東部原産の1種サッサフラスノキ Sassafras albidum を指す。芳香があり、香料原料として用いられる。
なお分類上は異なるが、同じくクスノキ目で、オーストラリアに産し類似の芳香を持つアテロスペルマ科の Atherosperma moschatum 、 Doryphora 属なども「サッサフラス」と呼ばれるが、毒性があるとされており香料としては用いられない。
性質
雌雄異株の落葉性高木。葉は一般に先が3裂するが、同じ木でも裂けない卵形または2裂のことも多く、4-5裂のこともある。花は小型の5弁花で春に咲く。果実は液果で青黒く熟す。
利用
木全体に柑橘様の芳香がある。特に根から精油「サッサフラス油」が抽出され、香料として用いられる。サッサフラス油はサフロールを主要成分とするが、サフロールに毒性があるため、現在サッサフラス油の使用はアメリカ合衆国にて食品使用が禁止されている[2]ほど制限され、サフロールを除いたものが用いられる。またクスノキ等から得られる代替品が多く用いられる。逆に、サッサフラスの根を蒸留する事でサフロールを抽出することもできる。ネイティブアメリカン達は、傷の治療やクマの油の風味付け、肉の保存などにサッサフラスの葉を用いていた。
他に木材も用いられるが、独特の香りを放つ。フェンダー・ストラトキャスターに一時的に使用されており、エリック・ジョンソンの愛器「ヴァージニア」がサッサフラス製だと判明してシグネイチャーモデルに用いられた[3]。
中国では薬用にもされる。かつては根がルートビアの風味付けに用いられた。
フィレ・パウダー
アメリカ合衆国のケイジャン料理とクレオール料理では、サッサフラス(S. albidum)の葉を粉にしたものをフィレパウダー(filé powder)と呼び、ガンボのとろみ付けに用いる。なお、葉にはサフロールは含まれていない。
種類
現生種としては北米東部に1種、東アジアに2種がある。
脚注
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