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不安定帯[1](ふあんていたい、Instability strip[1])は、脈動変光星が占めるヘルツシュプルング・ラッセル図におけるほぼ垂直の領域である[2]。
主系列星のA型とF型(1から2太陽質量)の領域を分断しており、若干右に曲がりながらほぼ垂直に最大光度の位置まで伸びている。不安定帯の下の方は、ヘルツシュプルングの間隙と呼ばれる。
不安定帯にある恒星は、He III(二価のヘリウムイオン)のせいで脈動している。通常のA型、F型、G型の恒星では、ヘリウムは恒星の光球に中性の状態で存在する。温度が2万5000℃から3万℃の光球の下の深い位置からは、He II(一価のヘリウムイオン)層が始まる。He III層は、3万5000℃から5万℃の位置から始まる。
恒星が収縮すると、He II層の密度と温度は上昇し、He IIはHe IIIに変換し始める。これにより、恒星の不透明度は増加し、恒星内部からのエネルギー流束は、効率的に吸収される。恒星の温度は上昇し、拡大を始める。拡大が終わると、He IIIは再びHe IIに再変換し、恒星の透明度は低下し、恒星の表面温度も下がる。外層は収縮し、サイクルが初めから繰り返される。
恒星の視線速度の脈動と明るさの変化の間の相転移は、恒星表面からHe II領域の距離に依存する。
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