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壁の高い位置に設けた窓 ウィキペディアから
高窓(たかまど)またはクリアストーリー(英語: Clerestory)とは、天井付近の壁の高い位置に採光または通気のために設ける窓のことである。地窓などと向き合わせて設けると効果的な換気が得られる[1]。防犯性も高い[1]。
歴史的には、ローマ時代のバシリカの壁側の二階、またはロマネスク建築またはゴチック建築の教会堂で身廊の壁側の側廊の壁の高い部分に置くいくつかの窓を指している[2]。
高窓は鉄道車両および自動車などの交通車両の側面にも置かれることもある。機能的に、日本建築の「欄間」に似ているところがある。
西洋建築における高窓は、古代エジプトの寺院に起源があると見られている。少なくとも、アマルナ時代には、高窓がすでに表れている[3]。
クレタ島のミノア文明のクノッソス宮殿にも高窓があり、その採光効果は「光の井戸」(lightwells)で補強されている[4]。
聖書の記述によると、ソロモン王が建てた寺院にも高窓が使われたという[5]。
古代ギリシャの建築にも、高窓は使われてきた。それを受け継いだ古代ローマ人も高窓をバシリカに応用して、またそれをバシリカに似た浴場建築、宮殿建築にも使っている。
初期キリスト教の教会堂およびいくつかのビザンチン建築の教会堂は、特にイタリアではローマ時代のバシリカ建築様式になっていて、身廊の両脇に側廊があり、その壁の上に高窓があり、身廊と直角に袖廊も加えて、教会の平面図がラテン十字に見えるようにしている。
ロマネスク建築では、ローマ時代のバシリカ様式を発展させている。この時代の建築で現存する最古の教会はドイツのアウグスブルグ大聖堂(Augsburg Cathedral)である。
ロマネスク建築後に、ゴチック建築では高窓がさらに高く、大きくなっていて、フランスのアミアンのノートルダム大聖堂、イギリスのウェストミンスター寺院にそれを見ることができる。
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近代における高窓の応用は、プライバシーを確保しながら、採光と通風を目的とした壁面の高い窓として、工場などで使われている。
鉄道関係では、アメリカのプルマン社が製造した旅客車両に高窓が使われていて、イギリスへも輸入されて、ロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道の前身であるミッドランド鉄道の工場で組み立てられて、1874に試運転が行われている。
ロンドン地下鉄のQ型車両(Q Stack)には高窓があり、最後に運航されたのは1971年である。
自動車関係では、二階建てバス(Double-decker bus)にも高窓は使われて、採光のためだけでなく、換気をよくして、さらに乗客が歩きやすいように高さを確保している。
フォルクスワーゲン社製造のタイプ2ミニバスでも高窓が使われているモデルがある。1961-67年製造のサンバ(Samba)は高窓が23個もあり、収集家の人気車になっている。
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