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クライオトロンは超伝導を使用したスイッチの一種。[1] クライオトロンは超伝導体は外部磁場が臨界磁場を超えると常伝導状態に転移するという原理に基いて動作する。これは非常に単純な構造で、臨界温度 (Tc) の異なる二本の超伝導ワイヤからなる。 クライオトロンはマサチューセッツ工科大学リンカーン研究所の ダドリー・アレン・バックにより発明された。
バックによる説明[2]に沿えば、タンタル(Tcがより低い)の直線状の芯線にニオブの単層コイルを巻きつけることで作られる。 二本のワイヤは互いに絶縁される。この装置を液体ヘリウムに浸すと、両方のワイヤは超伝導状態になり電流が抵抗無しに流れるようになる。ここでタンタル線に巻き付いているニオブ線に電流を流すと磁場が生じ、これにより超伝導状態を保ったままタンタル線の流すことのできる電流は減少する。このように、芯線に流れる大電流の量をコイルに小さな電流を流すことにより制御することができる。例えるなら、タンタル線を「蛇口」、ニオブ線を「水栓」と考えることができる。
バックの論文[2]にはクライオトロンを用いて実装された論理回路をいくつか見ることができ、全加算器、キャリー先読み回路、バイナリアキュムレータ、シフトレジスタなどが含まれる。
鉛とスズの薄膜を用いた平面型クライオトロンは1957にJohn BremerによりスケネクタディのGE General Engineering Labにおいて発明された。これは半導体ではなく超伝導体を用いているが最初期の集積回路の一つである。数年後にはデモ用コンピュータが作成され、2000台が連結されて運用された。 IEEE History Centerのニュースレター2007年11月号[3]に関連する歴史を見ることができる。
マティソーはジョセフソン接合を用いたクライオトロンを開発[4]した。彼によれば従来型のクライオトロンの弱点は超伝導状態と常伝導状態との相転移によってスイッチングを行うため動作が比較的遅いことであるという。
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