クボガイ

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クボガイ

クボガイ(久保貝[4]、学名:Tegula rugata, 旧学名:Chlorostoma lischkei) は、古腹足亜綱 Vetigastropodaに属する巻貝の一種で、ヘソアキクボガイクマノコガイとともに日本の磯で普通に見られる貝である[5][6]ニシキウズ科 Trochidaeクボガイ亜科に分類されていたが[2]、その後の分子を用いた分類などにより独立したクボガイ科 Tegulidae に分けられるようになり[7]、さらに2021年発表の研究ではリュウテン科に含め、その中のクボガイ亜科 Tegura属として分類することが妥当であることが示されている[1]

概要 クボガイ, 分類 ...
クボガイ
Thumb
Chlorostoma lischkei
分類
: 動物Animalia
: 軟体動物Mollusca
: 腹足綱 Gastropoda
亜綱 : 古腹足亜綱 Vetigastropoda
: ニシキウズ目 Trochida
上科 : ニシキウズガイ上科 Trochoidea
: リュウテン科 Turbinidae[1]
亜科 : クボガイ亜科 Tegulinae[2]
: クボガイ属 Tegula
: クボガイ T. rugata
学名
Tegula rugata (Gould, 1861)[3]
シノニム

Chlorostoma lischkei

和名
クボガイ(久保貝)
英名
Silver-mouthed Monodont
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形態

貝殻
殻は高さ約3cm以下。黒っぽい色で表面が粗く、丸っこい円錐形。多数の螺肋が成長脈と交差しながら密にならぶ。旧属名(シノニム)の Chlorostoma「緑色の口」の通り、殻底の中心部は緑色で、臍孔は無い。内面は平滑で真珠光沢がある[5][6]
軟体
古腹足類に分類されることから、触角は頭部ではなく足の左右に4対ある。腎臓や鰓下腺も左右一対ある。蓋は濃褐色で革質の多旋型。サザエと同様に、内臓が緑色なのはメスでクリーム色なのはオス。はらわたが始まる部分に渦巻き状の胃盲嚢(gastric caecum)が見える[8]

生態

主に底生珪藻類を食べて生きる。北海道南西部での観察によると、冬季には潮間帯から潮間帯下部へ移動して大型藻類の幼胞子体などの摂食量が増加する。繁殖期は主に8月から9月にかけてで、交尾はせずに放精・放卵を行う[9]

分布

北海道南部以南の日本各地から朝鮮半島、中国南部にかけての潮間帯の岩礫地[6]

人との関係

江戸時代後期の武蔵石壽著『目八譜』に「久保介」として紹介されている[4]。海の幸として「磯もの」や「磯玉」と呼ばれ、「シッタカ」とともに海辺の居酒屋や宿などで、ゆでたものが出ることがある。身は小さいが、はらわたは磯の風味があり、足には甘みがあって美味[10]

出典

外部リンク

 

 

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