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ギリシャで生産されるワイン ウィキペディアから
ギリシャワイン(英: Greek wine)は、ギリシャ共和国で生産されるワインである。ワインは、ギリシャ語で Κρασί(クラシ) あるいは οίνος(現代音でイノス、古典音でオイノス)と言う。
ギリシャは、世界で最も古いワイン生産国の一つである。古代ギリシアは、ワインの歴史の上で重要な役割を果たした。特権階級の飲み物であったワインが庶民に広まったのはエーゲ海の諸島が最初と考えられている。ワインはここからギリシャ本土やイタリア半島などへ普及していった。ギリシャワインは酸味が豊かなものが多い。
ギリシャ共和国の気候は、ブドウ栽培にとっては暑すぎる、乾燥しすぎる、突然の暴風があるなどの難点があるが、高原や北側の斜面での栽培などにより成功している。
3500年の伝統があるサントリーニ島にはフィロキセラ(ブドウネアブラムシ)の害がない。サモス島ではカトリック教会が聖餐用の甘口ワインを生産し、その生産権利がサモス県に譲渡されるなどした。ギリシャは生食用ブドウと干しブドウの生産も盛んである。食用として知られるマスカットは、ギリシャではワインの主要品種のひとつである。
ギリシャワインのボトルのラベルは、商品名だけギリシャ文字で生産地やブドウ品種がラテン文字の場合や、全てラテン文字の場合がある。また、生産地はギリシャ語に英語やフランス語が併記されることが多く、ギリシャ語が省かれることもある。
ワイン造りは、フェニキア人の手によって、オリエントから古代ギリシア世界へ伝播した。その時期は紀元前2000年頃であるとされる。当時、ワインは水割りの形で嗜まれた。現在ギリシャ語で「ワイン」を指す κρασί という語は、「混合」を意味している。古代ギリシア世界では盛んにワイン醸造が行われ、ギリシャ人の活動とともに地中海に広まった。古代、ワインなどの運搬・保存に用いられた陶器がアンフォラである。タソス島の博物館には紀元前4世紀のものとされる、生産者と役人の名が刻印されたアンフォラがある。
ローマ帝国の支配下(紀元前146年 - 紀元後330年)、修道院でブドウが栽培された。東ローマ帝国時代(331年 - 1453年)を通じて、ワインは生産されていた。
オスマン帝国の支配下(1454年-1821年)ではワイン生産は停滞気味だった。
1960年代、ハルキディキに拠点を置くワインメーカー、ドメーヌ・ポルト・カラス(Κτήμα Πόρτο Καρράς, Domaine Porto Carras)[1]で先駆的な革新があった。
1971年、ギリシャ農務省はワイン保護のための法を制定し、ギリシャで最初の原産地呼称としてナウサ(Νάουσα / Naoussa, Naousa)が認定された。1981年にギリシャが欧州連合に加盟し、EUのワイン法が導入されるとともに、投資の拡大とともに技術が向上した。1985年には外国で勉強した栽培学者と醸造学者の帰国組によって新時代を開けた。2007年、ドデカネス諸島最大の島・ロドス島で世界最優秀ソムリエコンクールが開催された。
ギリシャのワイン法では、ワインを4種類に格付け分類している。上から順に、
である。
O.P.A.P.(ギリシア語: Ο.Π.Α.Π.、オパプ)は、高品質の「原産地呼称ワイン」(V.Q.P.R.D.)。オノマシア・プロエレフシス・アノテラス・ピオティタス(Ονομασίας Προέλευσης Ανώτερης Ποιότητας / Onomasia Proelefsis Anoteras Piotitas ; 英: Appellation of Origin of High Quality)の略である。
ギリシャで最初にO.P.A.P.に認定されたのは、1971年指定の「O.P.A.P.ナウサ」である。O.P.A.P.に認定された産地の70%は、古代からの伝統を持つワイン産地である。
熟成具合により、レゼルヴとグランド・レゼルヴの表示が可能となる。
O.P.E.(ギリシア語: Ο.Π.Ε.、オペ)は、甘口ワインとデザートワインに関しての「原産地呼称ワイン」(V.Q.P.R.D.)。オノマシア・プロエレフシス・エレフォメニ(Ονομασίας Προελεύσεως Ελεγχόμενης / Onomasia Proelefsis Elechomeni ; 英: Appellation of Controlled Origin)の略である。
原料となるブドウは、マスカット種とマヴロダフネ種限定。マスカット(白ブドウ)から甘口白ワインおよびデザートワインの白、マヴロダフネ(黒ブドウ)からは甘口赤ワインが生産される。ものによっては、ワイン1000ml中180gの残糖があり、ワインとしてかなり甘口となる。
トピコス・イノス(Τοπικός Οίνος / Topikos Oinos)はヴァン・ド・ペイ(地ワイン)に相当する。
エピトラペジオス・イノス(Επιτραπέζιος οίνος / Epitrapezios Oinos)は、テーブルワインに相当する。エピトラペジオス・イノスはさらに、一般テーブルワイン、カヴァ、伝統的アペラシオンに分類される。
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