キルキス県
ギリシャ共和国の中央マケドニア地方を構成する行政区 ウィキペディアから
ギリシャ共和国の中央マケドニア地方を構成する行政区 ウィキペディアから
キルキス県(キルキスけん、ギリシア語: Κιλκίς / Kilkís)は、ギリシャ共和国の中央マケドニア地方を構成する行政区(ペリフェリアキ・エノティタ)のひとつ。県都はキルキス。
キルキス県の西部にはペコ山脈が、北東部にはケルキニ山脈が、東部にはクルシア山脈が連なっている。また、県北部にはドイラニ湖(en:Doirani)が存在する。 キルキス県の東はセレス県、南はテッサロニキ県、西はペラ県と接し、北はマケドニア共和国のゲヴゲリヤと国境を接している。
現在のキルキス県の地域は、マケドニア王国に征服され、併合されるまでは数々の王国が存在していた。第三次マケドニア戦争(en:Third Macedonian War)でマケドニア王国が敗れ、この地は共和政ローマの支配下に入った。395年にローマ帝国が東西に分裂すると、東ローマ帝国の統治領となった。10世紀にこの地域は第一次ブルガリア帝国に征服され、ブルガリア人が居住するようになった。11世紀にはビザンツ帝国がこの地域を奪回したが、1204年にラテン帝国領となり、その60年後に再びビザンツ帝国領となった。
その後オスマン帝国に併合されてから500年間、オスマン帝国領であり続けた。19世紀の終わりにマケドニア抗争が始まると、この地域のギリシア人とブルガリア人の間で衝突が起こった。その後1912年の第一次バルカン戦争で、現在のキルキス県東部はブルガリア領となった。しかし、1913年に起きた第二次バルカン戦争では、ギリシャ王国がこの地域を占領し、ギリシャ王国に併合された。この時北部マケドニア地方(現在のマケドニア共和国)のギリシア人がこの地域に移住した。[1]また、ヌイイ条約の結果、北トラキア地方のギリシア人がこの地域に移り住み、逆にこの地域に住むブルガリア人はブルガリアへ移住した。その結果この地域のギリシャ語話者は多数派となった。さらに、1922年の希土戦争の後に結ばれたローザンヌ条約で、小アジアからのギリシア人も移住した。
1939年までこの地域はテッサロニキ県の一部だったが分割され、現在のキルキス県が構成された。第二次世界大戦とギリシャ内戦では多くの建造物が破壊されたが、戦後修復された。その後人口は増加し、海外へも流出した。1972年には国道1号線が開通した。
キルキス県は、以下の自治体(ディモス、市)から構成される。人口は2001年国勢調査時点。
カリクラティス改革(2011年1月施行)以前の広域自治体(ノモス)としてのキルキス県(Νομός Κιλκίς)は、以下の基礎自治体(ディモスとキノティタ)から構成されていた。改革後、旧自治体は新自治体(ディモス)を構成する行政区(ディモティキ・エノティタ)となっている。
下表の番号は右図と対応している。「旧自治体」欄で※印を付したものはキノティタ、それ以外はディモス。「政庁所在地」欄で太字になっているものは、新自治体の政庁所在地となったものを示す。
旧自治体 | 綴り | 政庁所在地 | 新自治体 | |
---|---|---|---|---|
1 | キルキス | Κιλκίς | キルキス | キルキス |
2 | アクシウポリ | Αξιούπολη | アクシウーポリ (el) | ペオニア |
3 | ガリコス | Γαλλικός | カンバニ (el) | キルキス |
4 | グメニサ | Γουμένισσα | グメニサ (el) | ペオニア |
5 | ドイラニ | Δοϊράνη | ドイラニ | キルキス |
6 | エヴロポス | Ευρωπός | エヴロポス (el) | ペオニア |
7 | クルサ | Κρούσσα | テルピロス | キルキス |
8 | ムリエス | Μουριές | スタトモス・ムリオン | キルキス |
9 | ピクロリムニ | Πικρολίμνη | ミクロカンボス | キルキス |
10 | ポリカストロ | Πολύκαστρο | ポリカストロ | ペオニア |
11 | ヘルソ | Χέρσο | ヘルソ | キルキス |
12 | リヴァディア ※ | Λιβάδια | リヴァディア | ペオニア |
ノモスとしてのキルキス県には以下の郡(エパルヒア)があったが、2006年以降法的な位置づけは行われていない。
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