カンピーナス
ブラジルの都市 ウィキペディアから
概要
サンパウロから約100km内陸に入った所にある。カンピーナスはポルトガル語で「草原」という意味であり、かつては草原の広がる農業地域だったが、人口の増加により、カンピーナス市内の大半は市街地となっている。
カンピーナスの人口は約121万人(2020年)で、周辺地域を含めると約360万人となり、州内ではサンパウロに次ぐ大都市である。
歴史
当初カンピーナスは、ブラジルの奥地開拓者(バンデイランテス)の基地として建設され、カンピーナス・ヂ・マト・グロッソと名付けられた。最初の入植はフランシスコ・バヘット・レメ・ド・プラドの下1739年から1744年の間に行われた。
1797年には町に昇格し、名称もヴィラ・ヂ・サォン・カルロスに変更されたが、1842年に市に昇格した際にカンピーナスとなった。
初期のカンピーナスの主産業は農業で、肥沃な土壌を利用して主にサトウキビやコーヒーの栽培が行われていた。しかし19世紀後半に入るとコーヒーの需要が伸び、市の人口は飛躍的に増加した。空前のコーヒー景気の中1872年にはパウリスタ鉄道会社が設立され、カンピーナスはブラジル有数の大都市へと成長した。20世紀に入って黄熱病が流行し、人口の3割を失う大きな打撃を受けたが劇的な復興を見せ、「不死鳥の町」として広く知られるようになった。
1930年代になるとコーヒーの価格が暴落し、代わりに工業が盛んになった。工業の急速な発展は労働力の需要を大きく増加させ、カンピーナスにはイタリアを始めとした多くの国々からの移民が流入した。また1970年代から1980年代にかけてはブラジル国内からの大規模な人口の流入が見られ、その都度カンピーナスは大きく発展した。その発展の目覚しさはしばしば同州のサンパウロ市に対して「西方の姫君」と形容されるほどであった。さらに市内には数多くのバスターミナル(ホドヴィアーリア)が建設され、カンピーナスは陸上交通の要所としても特筆すべき発展を見せた。1990年代にはカンピーナスにIT関連のハイテク産業が集中し[1]、多くの優れた教育・研究機関も設立された。
しかしながら、1998年以降カンピーナスから工場が大量に移転した為、依然としてハイテク産業や諸研究機関の中枢ではあるものの、現在では商業が主産業となりつつある。
経済
工業
おもな工業製品は織物、機械、農業機器。
教育
- カンピーナス州立大学(1962年創立)
- カンピーナス・カトリック大学(1941年創立)
交通
空港
- ヴィラコッポス国際空港:100kmの距離であるにもかかわらず、サンパウロ市内のコンゴーニャス空港との間に航空便がある。
バス
市内各所に、数多くのバスターミナル(ホドヴィアーリア)が存在する。
道路
文化
スポーツ
- サッカー
サッカークラブのAAポンチ・プレッタとグアラニFCがカンピーナスを本拠地に活動している。
気候
カンピーナス (1890年–2012年)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 36.1 (97) |
35.8 (96.4) |
34.5 (94.1) |
33.6 (92.5) |
32.4 (90.3) |
30.0 (86) |
31.2 (88.2) |
35.0 (95) |
37.8 (100) |
37.8 (100) |
37.8 (100) |
36.8 (98.2) |
37.8 (100) |
平均最高気温 °C (°F) | 28.9 (84) |
29.1 (84.4) |
28.7 (83.7) |
27.2 (81) |
25.0 (77) |
24.0 (75.2) |
24.2 (75.6) |
26.1 (79) |
27.0 (80.6) |
27.8 (82) |
28.3 (82.9) |
28.4 (83.1) |
27.1 (80.8) |
平均最低気温 °C (°F) | 18.6 (65.5) |
19.0 (66.2) |
18.2 (64.8) |
16.2 (61.2) |
13.6 (56.5) |
12.0 (53.6) |
11.4 (52.5) |
12.6 (54.7) |
14.4 (57.9) |
15.9 (60.6) |
16.9 (62.4) |
18.0 (64.4) |
15.5 (59.9) |
最低気温記録 °C (°F) | 10.1 (50.2) |
10.4 (50.7) |
10.0 (50) |
3.8 (38.8) |
0.2 (32.4) |
−1.5 (29.3) |
−0.2 (31.6) |
0.2 (32.4) |
1.8 (35.2) |
5.2 (41.4) |
8.0 (46.4) |
9.5 (49.1) |
−1.5 (29.3) |
降水量 mm (inch) | 280.3 (11.035) |
215.9 (8.5) |
162.3 (6.39) |
58.6 (2.307) |
63.3 (2.492) |
35.4 (1.394) |
43.3 (1.705) |
22.9 (0.902) |
59.5 (2.343) |
123.5 (4.862) |
155.6 (6.126) |
203.9 (8.028) |
1,424.5 (56.083) |
% 湿度 | 57 | 54 | 50 | 47 | 46 | 43 | 41 | 36 | 43 | 46 | 49 | 54 | 47 |
出典:IAC – Instituto Agronômico de Campinas (Temperaturas) / CEPAGRI-UNICAMP (Outros dados) |
姉妹都市・提携都市
サンディエゴ(アメリカ合衆国)
コルドバ(アルゼンチン共和国 コルドバ州)
トリノ(イタリア共和国 ピエモンテ州)
マリート(イタリア共和国 カラブリア州)
ダロア(コートジボワール共和国 サッサンドラ・マラウェ地方 高サッサンドラ州)
ノヴィ・サド(セルビア共和国 ヴォイヴォディナ州)
福州市(中華人民共和国 福建省)
靖安県(中華人民共和国 江西省 宜春市)
撫順市(中華人民共和国 遼寧省)
コンセプシオン(チリ共和国 ビオビオ州)
岐阜市(日本国 中部地方 岐阜県)
アスンシオン(パラグアイ共和国 アスンシオン首都圏)
エリコ(パレスチナ国 ヨルダン川西岸地区 エリコ県)
サンタ・クルス・デ・ラ・シエラ(ボリビア多民族国 サンタクルス県)
ブルメナウ(ブラジル連邦 サンタカタリーナ州)
ベレン(ブラジル連邦 パラー州)
関連項目
- カンピーナスの聖母
脚注
外部リンク
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