オニヒョウタンボク

スイカズラ科の種 ウィキペディアから

オニヒョウタンボク

オニヒョウタンボク(鬼瓢箪木、学名: Lonicera vidalii)は、スイカズラ科スイカズラ属落葉小高木[3][4][5][6]

概要 オニヒョウタンボク, 分類(APG IV) ...
オニヒョウタンボク
長野県軽井沢町 2024年5月中旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : キキョウ類 Campanulids
: マツムシソウ目 Dipsacales
: スイカズラ科 Caprifoliaceae
: スイカズラ属 Lonicera
: オニヒョウタンボク L. vidalii
学名
Lonicera vidalii Franch. et Sav. (1878)[1]
シノニム
和名
オニヒョウタンボク(鬼瓢箪木)[3]
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直立する小高木で、樹皮が縦に裂け、剝れ落ちる。は中実。子房基部のは赤色を帯び、線形になる。花冠は2唇形になり、上唇は4裂し、反り返る。の裏面に毛が多く、こののなかでは葉柄が長い[3][4][5][6]

特徴

高さは3-5mになり、よく分枝して茂る。の樹皮は灰褐色になり、縦に裂け、紙状に剝れ落ちる。は茶褐色で中実、微細な腺点がある。は対生し、葉柄は長さ5-20mmになり、毛と細かい腺毛が生える。葉身は長さ3-9cm、幅2-5cmの倒卵形から長楕円形で、先端はとがり、基部は円形またはくさび状となって細まり、縁は全縁になる。葉の両面にやや硬い毛が生え、裏面に微細な腺点があり、裏面葉脈上に開出毛が生える[3][4][5][6]

花期は5-6月。若い枝の下部の葉腋から長さ10-15mmになる花柄を伸ばし、その先に2個のをつける。子房の基部に2個のがあり、赤色を帯び、線形で長さ2-4mm、無毛または腺毛が生える。苞の内側にある小苞は卵形で長さ1-2mm、緑色で、縁に腺毛が生え、下部は合着する。子房は楕円形になり、2室あり、無毛または腺毛が生え、基部は合着する。片は5裂し、裂片の長さは0.3-0.5mm、縁に腺毛が生える。花冠は2唇形になり、はじめ帯緑白色で、のちに淡黄色を帯び、ふつう毛と腺毛が生える。花冠筒部は長さ5-7mmになり、基部の1方が袋状に膨らむ。上唇は長さ7-10mmになり、4浅裂して外側に反り返り、下唇は長さ7-11mm、楕円形になり、外側に反り返る。雄蕊は5個あり、花冠より長く、花糸の基部には毛が生える。雌蕊は1個、柱頭は頭状になり、花柱の基部に毛が生える。果実は径7-11mmになる球状の液果で、2個の下半分は合着し、7-8月に赤く熟す。果実は有毒。種子は長さ4.5-6mmの卵円形となり、平滑である[3][4][5][6]

分布と生育環境

日本では、岩手県群馬県長野県岡山県広島県島根県隠岐島に隔離分布し[5][7]、ごく一部の山地に生育する[3][6][4][5]。世界では、朝鮮半島南部に分布する[5][6][7]

名前の由来

和名オニヒョウタンボクは、「鬼瓢箪木」の意で[3]、樹皮の裂け方など[3]、植物体全体の姿が「荒々しいヒョウタンボク」の意味からきている[3][6]

種小名(種形容語)vidalii は、「採集者ビダルの」の意味[8]で、具体的には、明治初期に富岡製糸場に勤務したフランス人医師のヴィダル (Vidal) への献名である[9]

種の保全状況評価

絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト

Thumb

[7][10]

都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は、次の通りとなっている。岩手県-Aランク、福島県-情報不足(DD)、群馬県-絶滅危惧II類(VU)、埼玉県-絶滅危惧IA類(CA)、長野県-準絶滅危惧(NT)、島根県-準絶滅危惧(NT)、岡山県-絶滅危惧I類、広島県-絶滅危惧II類(VU)[10]

ギャラリー

脚注

参考文献

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