エキサイゼリ(益斎芹、学名Apodicarpum ikenoi)は、セリ科に分類される多年生植物で、日本固有種である。オバゼリ(婆芹)とも称される。また、本種のみで構成されるエキサイゼリ属 Apodicarpum は、日本の固有属である。

概要 エキサイゼリ, 保全状況評価 ...
エキサイゼリ
保全状況評価
準絶滅危惧環境省レッドリスト
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : キキョウ類 campanulids
: セリ目 Apiales
: セリ科 Apiaceae
: エキサイゼリ属 Apodicarpum
: エキサイゼリ A. ikenoi
学名
Apodicarpum ikenoi
Makino
和名
エキサイゼリ(益斎芹)
オバゼリ(婆芹)
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名称

「エキサイゼリ」という和名は、この種を越中富山藩主・前田利保江戸郊外で初めて採集し、画家に描かせたことから、この大名の「益斎(エキサイ)」を取って命名された[1][2]。「オバゼリ」とも呼ばれるが、これは「婆芹」から来ており、利用価値のないセリを意味する[2]

特徴

多年草で、高さは約30 cmあり[1][2][3]、全体にはない[2]はやわらかく、基部で分枝し、斜めに立つ[2]葉柄があり、葉身羽状複葉互生している[2][3]。小葉は柄がなく、1-4対、長さ1-3 cm、幅0.5-1.5 cmで、鋸歯がある[3]

5月頃に花期を迎え、複散形花序茎頂につけ、小白花をに咲かせる。花柄は5-6本[注 1]総苞片1-2個、小総苞片2-3個を有する。花弁は5個で、上部は内側に曲がる。雄しべは5本で花弁より短い[2]果実は長さ2-3 mm分果の隆条は太く、コルク質で分果柄が存在しない[3]。また、熟しても緑色のままである[2]

ヌマゼリとよく似ているが、分果の点で大きく異なる[1]

分布と生育環境

関東地方濃尾平野湿地に自生している[2]。広大なヨシ原に覆われている渡良瀬遊水地では、毎年春に「ヨシ焼き」が行われている。立ち枯れしたヨシが取り除かれることで地表に日光が届き、エキサイゼリをはじめ、トネハナヤスリ Ophioglossum namegataeタチスミレ Viola raddeana といった希少な植物の生育を助けている[4]

保全状況評価

準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト[5]

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脚注

参考文献

外部リンク

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