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『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』(アーサーおうきゅうていのコネチカット・ヤンキー、英語原題:A Connecticut Yankee in King Arthur's Court )は、1889年にアメリカの作家マーク・トウェインが発表した長編小説。
アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー A Connecticut Yankee in King Arthur's Court | ||
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原書の表紙 | ||
著者 | マーク・トウェイン | |
発行日 | 1889年 | |
ジャンル | 風刺、歴史改変小説 | |
国 | ||
言語 | 英語 | |
コード | ISBN | |
ウィキポータル 文学 | ||
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現代(出版当時)のアメリカ人技師が、タイム・スリップしてアーサー王時代のイングランドに紛れ込む物語である。トウェインは、理性的・人道的な現代人である主人公の目を通して中世イングランド社会(腐敗した貴族制、キリスト教会の圧制、騎士道の欺瞞、人間の愚昧さ・非道さ・強欲さなど)を描き、それと類似している(と彼が考えた)アメリカ(の南部)社会を風刺した。「ヤンキー (Yankee) 」とは「アメリカ北部人」を意味する語である。
サイエンス・フィクションの分野においては、時間旅行および歴史改変を扱った初期の作品としても有名である。
イングランドのウォリック城を見物していた「私」は、アーサー王の時代に異常なほど詳しい男と出会う。その男は、展示されている鎧に空いた穴を指して「これは自分が銃であけた穴だ」と言う。不審に思う「私」の元に、その夜、男が現われて自分の体験を書いた手記を見せる。それは以下のような内容であった。
コネチカット州ハートフォード出身のハンク・モーガンは、技師の父親と獣医の叔父に両方の技術を仕込まれた男で、兵器工場の職長である。ある日、モーガンは部下に殴られて気絶する。意識を取り戻すと目の前には騎士がいて、馬上槍試合を申まれる。返事もしないうちに槍で木の上に追いやられたモーガンは、相手を狂人だと思い、大人しく「捕虜」になる。騎士に連れて行かれた先はキャメロットで、モーガンは自分が西暦528年のアーサー王宮廷にいることを知る。モーガンは慣例として処刑されそうになるが、日食を利用してそれを逃れる。そしてマーリンとの魔法合戦にも勝利して宮廷での地位を確立する。
以後、ハンク・モーガンは「ボス卿」("The Boss")を名乗り、科学知識を活かして社会改革に取り組む。学校を作って若者を教育・啓蒙する一方、近代的な産業を打ちたて、それによって貴族制と教会の圧制を覆そうと計画する。また、王をお忍びの国内視察に連れ出し、民衆の不幸を教える、涸れた泉を復活させる、500対1の決闘に勝利するなどの行為で、魔術師としての名声もさらに高める。
しかし、彼がフランスへ旅行している間に情勢が変わる。教会の陰謀により内戦が勃発し、王も敵方も死に、ボス卿がイングランドに帰った時には漁夫の利を得る形で教会が国を支配していた。ボス卿とその部下たちは、教会に扇動された軍勢に攻められる。地雷・鉄条網・機関銃といった科学兵器で敵を撃退するが、ボス卿は負傷する。
ボス卿を看病するために一人の老婆が雇われるが、それは変装したマーリンだった。マーリンは主人公を未来に追放するべく魔法をかける。それは効力を発揮し、彼は1300年間(出版当時の「現在」まで)眠り続けることになったのだった。
「私」が手記を読み終え、男の元を訪ねると、男はアーサー王の世界の妻と子に対して、最後の戦争や、現代の世界に生まれ、また戻ってきたことが、非常に現実的で恐ろしい夢であり、到底耐えられるものではないと語る。「私」は男が死にかけていることに気付く。男は、王のためにラッパを奏でるという最後の「効果」を上げようとするが、それが果たされることはなかった。
初版本はダニエル・カーター・ビアド[1](1850年 - 1941年)による挿絵を222枚収録していた。ビアドは当時ギュスターヴ・ドレにも比されていた画家で、トウェイン自身に指名されて、これらの挿絵を9ヶ月で描き上げた。契約内容は「250枚ないし260枚の挿絵に対し、報酬3000ドル」というものだった。完成した挿絵を、トウェインは非常に高く評価した。後にビアドは「百万ポンド紙幣」、『トム・ソーヤーの空中旅行(1984年)[2]、『赤道に沿って』の挿絵も手がけている。
ニューディール政策の名は、本作中におけるモーガンの政策の名称にちなんでいる[3]。
「アメリカのことが知りたかったら、マーク・トウェインの著作を読め」と言われるほど彼の作品はアメリカの代名詞として一役買っている[4]
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20世紀初頭より本作は何度も舞台化・映像化が行われているが、代表的な作品は以下のものである。一部引用、大まかに基にしているものも含む。
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