アロダポスクス科(アロダポスクスか、学名Allodaposuchidae)は、後期白亜紀サントニアン期からマーストリヒチアン期にかけてヨーロッパに生息していた、正鰐類絶滅した分岐群[1][2]

概要 アロダポスクス科, 地質時代 ...
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アロダポスクス科のタイプ属であるアロダポスクスルーマニアトランシルヴァニアのハツェグ盆地に分布するマーストリヒチアン階のサルド層で化石が発見され、1928年にフランツ・ノプシャが北アメリカのレイディオスクスに近縁な属として記載・分類した[3]。アロダポスクスが2001年の論文でワニ目に属さない正鰐類として分類された後[4]、他の多数のヨーロッパの正鰐類であるアレニスクス英語版イスキロチャンプサ英語版マッサリアスクス英語版ムスツルザバルスクス英語版も発見され、アロダポスクスとそれに近縁な全てのヨーロッパの正鰐類を収容するアロダポスクス科という分岐群が設立されるに至った[1][2][5][6][7]。Narváez et al. (2015)は分岐学的にアロダポスクス科を定義した。その内容は、Allodaposuchus precedensと、Hylaeochampsa vectianaShamosuchus djadochtaensisBorealosuchus sternbergiiPlanocrania datangensisAlligator mississippiensisCrocodylus niloticusGavialis gangeticusよりもそれに近縁な全てのワニ形類というものであった[1][8]

アロダポスクス科の正確な位置付けはいまだ議論が続いている。Narváez et al. はアロダポスクス科をハイラエオチャンプサ科の姉妹群とし、さらにそれら2科を纏めてワニ目の姉妹群とした[1]。別の研究では、これら2科は姉妹群ではなくワニ目に至る進化的段階を示すものとして扱われ、またアロダポスクス科はハイラエオチャンプサ科よりも派生的とされた[9][8]。体骨格の情報を組み込んだ2021年の研究ではアロダポスクス科はワニ目の内部に位置付けられた[10]

以下のクラドグラムは2021年のBlancoの研究に基づきアロダポスクス科内の類縁関係を示す[10]

アロダポスクス科

Arenysuchus gascabadiolorum

Allodaposuchus precedens

Allodaposuchus iberoarmoricanus

Allodaposuchus subjuniperus

Allodaposuchus palustris

Allodaposuchus hulki

Agaresuchus fontisensis

Lohuecosuchus mechinorum

Lohuecosuchus megadontos

2021年の研究においてBlancoアロダポスクスアガレスクス英語版ロフエコスクス英語版と共に側系統群として扱い、後者2種をアロダポスクスのジュニアシノニムにすべきであると主張している[10]


出典

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