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アメリカ軍における機能別統合軍 ウィキペディアから
アメリカ宇宙コマンド(アメリカうちゅうコマンド、United States Space Command:USSPACECOM)は、アメリカ軍の統合軍の一つ。1985年9月23日に設立され[2][3]、2002年10月1日にアメリカ戦略軍に整理・統合されたが[1][2]、2019年8月29日に再編成された。かつてはアメリカ宇宙軍と言われていたが、軍種であるアメリカ宇宙軍が設立されて以降は混同を避けるため公的文書などでアメリカ宇宙コマンドと言われる[4][5]。アメリカ宇宙コマンドは、宇宙空間での軍事作戦、特に平均海抜100km(62マイル)以上の全ての作戦を管轄している。
アメリカ宇宙コマンド | |
---|---|
アメリカ宇宙コマンドの部隊章 | |
活動期間 |
1985年9月23日 – 2002年10月1日 ( + 10か月 ) 2019年8月29日 – 現役 ( + 10か月 ) |
国籍 | アメリカ |
兵科 | 地域別統合軍 |
任務 |
宇宙関連部門の運用 弾道弾早期警戒 宇宙戦[1][2] |
上級部隊 | アメリカ国防総省 |
司令部 | ピーターソン宇宙軍基地, コロラド州コロラドスプリングス |
行進曲 | 宇宙コマンド行進曲(Space Command March) |
ウェブサイト |
www |
指揮 | |
司令官 | ジェームズ・H・ディキンソン陸軍大将 |
副司令官 | ジョン・E・ショウ宇宙軍中将 |
最先任下士官 | スコット・H・ストーカー最上級曹長, 海兵隊 |
識別 | |
宇宙コマンドの旗 | |
宇宙コマンドの肩章(陸軍用) | |
宇宙コマンドの記章(陸軍用) | |
アメリカ三軍における宇宙関連の部隊・機材を統合運用するために設立された。通信衛星・偵察衛星・航法衛星・気象衛星などの運用のほか、弾道ミサイル発射の早期警戒も担当していた。通信・コンピューターネットワークの運用にも責任があり、1999年からはサイバー戦の担当でもあった[1]。設立構想は戦略防衛構想との関連もあり、統合指揮の必要性が考慮され、1983年頃より検討されていた。
司令官は空軍大将が務め[1]、隷下の組織として、空軍宇宙軍団 (AFSPC) 、海軍宇宙司令部 (NAVSPACECOM) 、陸軍宇宙司令部 (USARSPACE) があった[6]。
2018年に、アメリカ戦略軍隷下の副統合軍 (sub-unified combatant command) としてアメリカ宇宙軍を再編成するための2019年国防権限法が裁可された[7]。しかしながら、2018年12月にドナルド・トランプ大統領は、アメリカ宇宙軍をフル規格の統合軍として再編成するように、アメリカ戦略軍に指示を出した[8]。
2019年3月26日に、戦略軍統合軍宇宙構成部隊司令官兼空軍宇宙軍団 (AFSPC) 司令官のジョン・ウイリアム・レイモンド空軍大将[9]が、宇宙軍司令官に指名されることが発表され、同年6月27日上院に承認された[10]。2019年8月20日、ジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長は、再発足を同29日に行うと表明し[11]、2019年8月29日実際に再発足した[12]。
なお2019年12月20日、ドナルド・トランプ大統領が署名した2020会計年度国防権限法により、陸海空軍、海兵隊及び沿岸警備隊に続く「第6の軍」、1947年以来72年ぶりとなる新しい軍種として「宇宙軍」が発足した。当初は空軍の宇宙関連部隊を中心に約1万6000人が移動する。
アメリカ宇宙コマンドは「紛争を抑止し、必要に応じ侵略に対抗し、他の統合軍に宇宙戦闘能力を付与し、同盟国やパートナーとアメリカ合衆国の重要な利益を防衛するために、宇宙空間又は宇宙空間を経由する作戦を実施すること。」を任務としている。
アメリカ宇宙コマンドは、2つの部隊で構成されている。統合軍宇宙構成部隊は、グローバルな宇宙作戦の計画と実施を担当し、他の統合軍及びアメリカ、同盟国、パートナーに宇宙戦闘能力を付与することを任務とする。統合宇宙任務部隊は、宇宙空間における優勢を獲得する作戦を支援することを任務とする。
宇宙コマンドの部隊は、次の隷下部隊から編制されている。
アメリカ宇宙コマンドは、アメリカ軍全ての宇宙軍事能力を統一的に運用するための統合軍の一つである。軍種であるアメリカ宇宙軍は、アメリカ宇宙コマンドの大部分の部隊の所属先であり、それらの部隊の訓練と装備に対する責任を有する。アメリカ宇宙軍以外にも、少数ながらアメリカ陸軍、アメリカ海兵隊、アメリカ海軍、アメリカ空軍にも宇宙部隊が存在しており、これらもまた宇宙コマンドに組み込まれている。
代 | 写真 | 氏名 | 階級 | 在任期間 | |
---|---|---|---|---|---|
着任 | 退任 | ||||
1 | ロバート・トラレス・ヘレス | 空軍大将 | 1985年 | 1987年 | |
2 | ジョン・L・ピオトロフスキー | 空軍大将 | 1987年 | 1990年 | |
3 | ドナルド・J・クティナ | 空軍大将 | 1990年 | 1992年 | |
4 | チャールズ・A・ホーナー | 空軍大将 | 1992年6月 | 1994年9月 | |
5 | ジョセフ・W・アッシュ | 空軍大将 | 1994年9月 | 1996年8月 | |
6 | ハウエル・M・エステス3世 | 空軍大将 | 1996年8月 | 1998年8月14日 | |
7 | リチャード・マイヤーズ | 空軍大将 | 1998年8月14日 | 2000年2月22日 | |
8 | ラルフ・エドワード・エバーハート | 空軍大将 | 2000年2月22日 | 2002年10月1日 | |
断絶 | |||||
9 | ジョン・W・レイモンド | 空軍大将
→宇宙軍大将 |
2019年8月29日 | 2020年8月20日 | |
10 | ジェームズ・H・ディキンソン | 陸軍大将 | 2020年8月20日 | 現役 | |
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