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田中芳樹による日本の小説 ウィキペディアから
『アップフェルラント物語』(アップフェルラントものがたり)は、田中芳樹による日本のライトノベル。これを原作とした舞台公演・漫画・OVAも制作されている。
20世紀初頭の中央ヨーロッパの架空の小国・アップフェルラント王国(独: Apfelland[1]、林檎の国)を舞台にしている。
1905年、中央ヨーロッパの小国「アップフェルラント」。主人公の少年ヴェルギール・シュトラウス(ヴェル)は、悪党に監禁されていた少女、フリーダ・レンバッハを助け出したことによって、大冒険に巻き込まれる。
『SFアドベンチャー』(徳間書店)にて、1989年12月号から1990年4月号にかけて連載された。作者の田中芳樹は本作の連載に先立ち、本作のような作品を分類するための定義として「ルリタニア・テーマ」という冒険小説のジャンルを提唱し、これを「近代または現代のヨーロッパ大陸の一角に、架空の小国を設定し、そこを舞台に大冒険をくりひろげるお話」[2]と位置づけている。この呼称はアンソニー・ホープの小説『ゼンダ城の虜』からの着想であるという。
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1991年、OSK日本歌劇団により、近鉄劇場と名古屋で上演された。第64期生初舞台公演。
1992年10月10日に、90分のOVA作品として発売された[5]。後日の同年12月12日には劇場でも公開されている[6]。
ルリタニア・テーマは、冒険小説のジャンルの1つとして、田中芳樹が提唱した造語である。ルリタニア・テーマという名前は、アンソニー・ホープの小説『ゼンダ城の虜』に登場する架空の国ルリタニア王国に由来している[2]。
田中は『パステルクラブ』誌1989年春季号において、「ルリタニア・テーマ」という単語を、その年の年末から『SFアドベンチャー』誌での連載を予定していた、20世紀初頭の中央ヨーロッパの小国を舞台にした「題未定の長編」のジャンルを定義するために、『ゼンダ城の虜』から着想を得て自ら「でっちあげた」造語であると説明している[2]。ただし米英においては、『ゼンダ城の虜』の舞台であるルリタニア王国というのは冒険とロマンの王国の代名詞として広く知られており、「ルリタニア・テーマ」に近い概念として「ルリタニアン・ロマンス」という用語も存在している。
なお、田中は同記事で紹介した「題未定の長編」が本作『アップフェルラント物語』であるとは、直接的には明言していない。しかし『SFアドベンチャー』1989年12月号から連載が開始された本作の単行本の巻末には、あとがきと共に『パステルクラブ』1989年春季号の記事がそのまま収録されている[2]。
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