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アクロン (USS Akron, ZRS-4) は、1930年代にアメリカ海軍が運用した硬式飛行船である。
艦歴 | |
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発注 | 1928年10月6日 |
起工 | 1929年10月31日 |
進水 | 1931年8月8日 |
就役 | 1931年10月27日 |
退役 | |
その後 | 1933年4月4日に事故で喪失 |
性能諸元 | |
重量 | 100トン(221,000ポンド) |
体積 | 180,000m3(6,500,000ft3) |
全長 | 240m (785ft) |
直径 | 40m (132.5ft) |
全高 | 46m (152.5ft) |
機関 | ガソリンエンジン 560hp 8基 |
速度 | 巡航速度:90km/h (50kt) 最大速度:130km/h (72kt) |
航続距離 | 19,594km(10,580マイル) |
乗員 | 士官、兵員89名 |
兵装 | M1918 7.62mm自動小銃[1] 単装 7基 |
航空機 | 4機 |
第一次世界大戦前後の時期の航空機は、おしなべて航続距離が短く、貨物搭載量も限られていたため、これらのデメリットを解消すべく、飛行船の軍事利用が模索されていた。そうした背景の中、アクロン号は現代の早期警戒機に近い構想に基づき建造された。
硬式飛行船であったアクロン号の全長は240m(当時米海軍で最大だったコロラド級戦艦でさえ全長190mであった)に達し、ガスの総容積は18万4,000m3に達した。ガスはヘリウムが用いられている。偵察能力を向上させるために、航空機を5機搭載していたほか、洋上(地上)からの攻撃を避けるために、偵察要員を乗せたゴンドラ部分だけを上空から数百m下方へ降ろす装置も搭載されていた。
本船最大の特徴として、同形船のメイコン号に同じく、偵察用途ではあるが航空機を搭載し、空中での離着艦が可能な機構を装備していたことが挙げられる。仮に航空母艦として分類すれば、きわめて特殊な数少ない船舶以外の空母の一つとなる。搭載機はカーチス・ライト社製F9Cスパローホークで、複葉・単発のプロペラ機であり、7.62mm機銃で武装していた。F9Cは翼の上部に離着艦時に用いる特殊な装置を備えており、“パラサイト・ファイター”と呼ばれるもので、アクロン、メイコン専用の機体であった。
アクロンは固定武装としてブローニングM1918自動小銃装備の単装銃座[1]を船体各所に計7基備えていた。
アクロン号は1931年に就役したが、翌1932年には2度の破損事故を起こし、それぞれ2/1ヶ月の修理を余儀なくされた。さらに地上作業員2名が死亡する事故も発生させており、実際の運用では突風による問題が多いことが認識された。
続く1933年4月4日12時30分頃、ニューイングランド沖合にて突風に巻き込まれて墜落し、生存者3名のみで乗員73名が死亡する事故となり、これは飛行船史上最悪の死亡事故となった。天候を無視した過酷な訓練が原因とされる。この墜落事故によって同乗していたウィリアム・A・モフェット海軍少将(“アメリカ海軍航空隊の父”と呼ばれる人物だった)も殉職した。生存者4名は現場に居合わせたドイツの船により救出されたが、そのうち1名は後日亡くなった。死亡者が多数であった原因には、任務上、洋上長時間飛行が前提であったにもかかわらず、乗組員用の救命胴衣を搭載していなかったこと、救命いかだも1艘しか装備されておらず、またそれを使用する時間の余裕がなかったことが大きいとされる。
アクロン号の後、1935年にメイコン号も墜落事故を起こし、アメリカ海軍が所有していた大型硬式飛行船の機体は1932年に退役済みのロサンゼルス (ZR-3) を除いてすべて失われている。ヒンデンブルク号爆発事故も重なり、硬式飛行船の建造は行われることは無くなった。
その後、アクロン号の教訓からアメリカ海軍とグッドイヤー社は骨格を持たない小型の軟式飛行船の増産に着手する。それらは主に沿岸での対潜哨戒任務に用いられ、第二次世界大戦中を通じて160機以上が運用された。
アクロン号の残骸は2003年にNR-1により撮影されているが、深深度にあり、現場の透明度が低いためガーダーを撮影するにとどまっている。
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