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アクトール(古希: Ἄκτωρ, Aktōr)は、ギリシア神話の人物である。長音を省略してアクトルとも表記される。同名の人物が多数知られており、代表的な人物として、
のほか多くの人物が知られている。以下に説明する。
このアクトールは、プティーアーの王ミュルミドーンとアイオロスの娘ペイシディケーの子で、アンティポス[1][2]、エリュシクトーン[3][4]、エウポレメイア[5][6]、ヒスキュラと兄弟[7]。河神アーソーポスの娘アイギーナとの間に[8]、メノイティオス[6][8][9][10][11][12][13]、イーロス[14]あるいはエウリュティオーンをもうけた[15][16]。
アクトールの名前はプティーアー王家の系譜に現れるが、この人物がメノイティオスの父アクトールであるかどうかについては曖昧である。また一般的にメノイティオスはロクリス地方のオプースと結びついている[11][13][17][18]。シケリアのディオドーロスによると、アクトールはプティーアーの王であり、ペーレウスがポーコス殺しの罪で亡命してくると、彼の罪を浄めた。またアクトールには男子がいなかったため、ペーレウスに王権を継がせたという[19]。しかしディオドーロスは他の箇所ではアクトールに息子メノイティオスがいたと述べている[13]。アポロドーロスでは、ペーレウスが亡命したときのプティーアーの王は息子のエウリュティオーンとなっている[16]。
このアクトールは、巨人アトラースとプレーイオネーの娘アルキュオネー(プレイアデスの1人)とポセイドーンの子で[20]、アイトゥーサ、ヒュリエウス、ヒュペレーノール[21]、エポーペウス、ベーロス[20]、ヒュペレース、アンタースと兄弟[22]。
このアクトールは、ポーキス地方の王デーイオーンとクスートスの娘ディオメーデーの子で、アステロディアー、アイネトス、ピュラコス、ケパロス[23]、ニーソスと兄弟[24]。ヘーシオドスによるとプローテシラーオスの父[25]。
このアクトールは、エーリス地方の王の1人ポルバースと[26][27]、エペイオスの娘ヒュルミーネーの子で[26]、アウゲイアース[27][28]、ティーピュスと兄弟[6][29]。モーリオネーとの間に、モリオネと呼ばれる双子の兄弟エウリュトスとクテアトスをもうけた[30][31][32][33]。彼らの本当の父はポセイドーンであるとも[30][31][32]、生まれてきた子供は結合双生児であったともとも言われる[30][31][34][35]。
シケリアのディオドーロスによると、父ポルバースはもともとテッサリアー地方のラピテース族の王であったが、後にエーリス地方の王アレクトールに招かれて王権を分け与えられ[27]、アクトールは兄弟のアウゲイアースとともにその後を継いだ[36]。一方、パウサニアースはディオドーロスと似た系譜伝承を述べているが[26]、アクトールとアウゲイアースを兄弟としていない[37]。またエーリス地方の王の1人アマリュンケウスをテッサリアー地方の出身とする一方で、アクトールの一族をエーリス地方の出身としている[26]。
なお、アクトールは母の名前にちなんだ都市ヒュルミーネーを建設したと伝えられている[26]。
このアクトールは、テッサリアー地方の都市イオールコスの王アカストスの子である。アルゴナウタイの1人[38]。誤ってペーレウスに殺された[39]。
このアクトールは、プリクソスの子孫にあたるオルコメノス王クリュメノス[40]の子アゼオスの子で、娘アステュオケーの父。アステュオケーはアレースとの間にアスカラポスとイアルメノスを生んだ[41][42]。
このアクトールは、アイスキュロスの悲劇『テーバイ攻めの七将』によるとテーバイ人オイノプスの子で、ヒュペルビオスと兄弟。テーバイがアドラーストス率いる七将の攻撃を受けたとき、ヒュペルビオスがオンカ・アテーナーの門でヒッポメドーンと戦ったのに対し[43]、アクトールはアムピーオーン王の墳墓に近い北の門でパルテノパイオスと戦った[44]。
このアクトールは、アイネイアースの部下である。トロイア陥落後、アイネイアースに従ってイタリアまで航海した。ラティウムの武将ウォルケンスとの戦いでエウリュアロスが戦死したとき、その母がひどく嘆き悲しんだ。そのためイーリオネウスとアスカニオスの命で、イーダイオスとともに彼女を城壁から引き離して屋根のある場所まで運んだ[45]。
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