アエギロサウルス

ウィキペディアから

アエギロサウルス

アエギロサウルス学名:Aegirosaurus)は、絶滅したプラティプテリギウス亜科魚竜の属の1つ。後期ジュラ紀から前期白亜紀にかけて現在のヨーロッパに生息していた。成体で2メートル未満の小型の魚竜であった[1]

概要 アエギロサウルス, 地質時代 ...
閉じる

発見と種

もともとワグナーが1853年の論文でイクチオサウルスの種として記載したアエギロサウルス・レプトスポンディルスは、歴史の中で分類が変化してきた。イクチオサウルス・ポツムスとして記載され、後に疑問名であるマクロプテリギウスに再分類された。ブラキプテリギウス・エクストレムスと同定されることも時折あった。

唯一記載された標本が第二次世界大戦で破壊されたため、2000年に Bardet と Fernández はイクチオサウルス・レプトスポンディルスの新基準標本として私的なコレクション中から完全な骨格を選んだ。後に、新たな属としてアエギロサウルス属を設置し新基準標本をそこに配置するべきであると2名は結論付け、アエギロサウルス・レプトスポンディルスが独立することとなった。学名は「細い脊椎を持つアエギル(ゲルマン民族の海の神)のトカゲ」という意味を持つ[1]

分類

アエギロサウルスはオフタルモサウルス科においてオフタルモサウルスと最も近縁であると考えられていた[2]が、分岐学解析によるとスヴェルトネクテスと最も近縁であり、ウンドロサウルスとも密接な関係にある可能性があると判明している。アエギロサウルスの系統にはブラキプテリギウスマイアスポンディルスも含まれており、オフタルモサウルス亜科の姉妹群であることが分かっている[3][4]

下のクラドグラムはFischerらの2013年の論文に基づく[5]

トゥンノサウルス類 

イクチオサウルス

ステノプテリギウス

チャカイコサウルス

 オフタルモサウルス科 

アースロプテリギウス

*
 オフタルモサウルス亜科 

レニニア

モレサウルス

オフタルモサウルス

バプタノドン ("O." natans)

アカンプトネクテス

 プラティプテリギウス亜科 

ブラキプテリギウス

マイアスポンディルス

アエギロサウルス

スヴェルトネクテス

プラティプテリギウス・ヘルキニクス

カイプリサウルス

アサバスカサウルス

プラティプテリギウス・アウストラリス(=Longirostria[6])

層序範囲

アエギロサウルスはドイツバイエルン州に位置する後期ジュラ紀チトニアン期前期の層から知られ、化石は始祖鳥コンプソグナトゥスおよびプテロダクティルスといった数多くの化石が産出するゾルンホーフェンの石灰岩層で発見された。ジュラ紀からの産出に加え、アエギロサウルスはフランス南東部の Chauvac-Laux-Montaux で白亜紀前期バランギニアン期の層から発見されており、バランギニアン期で記録された最初の魚竜である。これは、魚竜がジュラ紀と白亜紀の狭間を生き延びたことを示している。

出典

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.