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昆布を加工した食材 ウィキペディアから
とろろ昆布(とろろこんぶ、とろろこぶ、薯蕷昆布)とは、コンブを加工した食材のことである。削りこんぶとも。酢に漬けて柔らかくしたマコンブやリシリコンブをブロック状に固め、その断面を薄く糸状に削りとったもの。おぼろ昆布は糸状ではなく昆布の表面を職人が一枚ずつ帯状に削ったもののことである。
昆布は北海道で生産され、北前船で敦賀や堺などの主要港湾の加工地に運ばれていた。江戸時代はカビを防止する技術が無く北前船での輸送中に昆布の中心部にカビが発生する事が多々あり、カビの生えていない表面だけを薄く削って商品化したのが、おぼろ昆布である。カビを防止できる近代に入ってからも中心部の白板昆布は廃棄されていたが、大阪の寿司屋の提案で、バッテラに使われた事を切っ掛けとしてこちらも現在は白板昆布として利用されている。とろろ昆布はおぼろ昆布にヒントを得て、昆布をブロック状に固めて削った製品である。よって、とろろ昆布の生産後に白板昆布は残らない。昔は両方とも手で削る事で作られていたが、とろろ昆布は後に機械化されたため、現在ではおぼろ昆布の方が加工の手間から高級品として流通している。
まず、形を均一にするため昆布の両端が切り取られる。この切り取った部分を耳昆布という。そして、表面から削ってゆくが、昆布の表面に近い黒い部分が黒おぼろ昆布となる。そして、芯に近い白い部分が白おぼろ昆布となる(太白地ともいう)。削ってゆき最後に残った白い芯の部分が白板昆布である。
昆布の削り加工には、鉋の様な装置や、鉋身だけの様な昆布包丁が用いられる。これらの刃物は普通に研いだ刃先を鉄棒で擦ることで意図的に曲げ(Card scraperも参照のこと)、そのまげて作った鈎で引っ掛ける様にして薄く削る。この刃先を曲げる鉄棒あるいは技術のことを「あきた」と称しており、その昆布包丁は大阪の堺で作られている。
この技術が出来る大正時代まではおぼろ昆布は現在のような長い布状の形態ではなかったといわれている。
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