アルファルド

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アルファルド

アルファルド[2] (Alphard[3][4]) あるいはうみへび座αは、うみへび座で最も明るい恒星で2等星。

概要 うみへび座α星 Alphard, 仮符号・別名 ...
うみへび座α[1]
Alphard
仮符号・別名 アルファルド[2], Alphard[3][4]
星座 うみへび座
見かけの等級 (mv) 1.97[1]
1.93 - 2.01(変光)[5]
変光星型 疑わしい[5]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  09h 27m 35.24270s[1]
赤緯 (Dec, δ) −08° 39 30.9583[1]
赤方偏移 -0.000014[1]
視線速度 (Rv) -4.27km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -15.23 ミリ秒/年[1]
赤緯: 34.37 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 18.09 ± 0.18ミリ秒[1]
(誤差1%)
距離 180 ± 2 光年[注 1]
(55.3 ± 0.6 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -1.7[注 2]
Thumb
アルファルドの位置
物理的性質
半径 34.5 R

56.6 R [6] 57.8 R [6]

質量 3.03 M

~4.5 M [6]

自転速度 17km/s
スペクトル分類 K3IIIa [1]
光度 400 L
表面温度 4,400 K
色指数 (B-V) +1.44[7]
色指数 (U-B) +1.72[7]
色指数 (R-I) +0.77[7]
他のカタログでの名称
コル・ヒドラエ[2]
うみへび座30番星[1]
BD -08 2680[1]
FK5 354[1], HD 81797[1]
HIP 46390[1], HR 3748[1]
SAO 136871[1]
NSV 4496[1]
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概要

2等星の中では際立って明るいほうではないが、アルファルドの属するうみへび座をはじめ、周囲の星座はろくぶんぎ座コップ座など暗い星ばかりからなる星座ばかりであるため、その中で橙色に光るこの星は、容易に見つけることができる。

詳しい視線速度測定の結果、視線速度スペクトル線形の変化があることが分かった。アルファルドの震動(星震という)は複数のものが並行していて、かつ周期的である。期間は数時間から数日である。短期的な変化は、太陽と同様に、星の脈拍の結果であると思われる。また、スペクトル線形と視線速度の非対称である変化の間に、相関関係も見つけられた。アルファルドの震動は、星震学においては非常に興味深いものである[8]

巨星化が進んでおり、太陽の位置においた場合、表面は水星軌道の半分辺りまで達する。巨星または輝巨星であるアルファルドは、同じくらい巨星化が進んだ段階にあるアークトゥルスアルデバランと比べて、実際の光度が大きい。また、アルファルドは若干バリウム星としての性質を持っている。バリウム星の多くが、以前は連星だったと考えられている。今のアルファルドより大きかった当時の主星が、先に巨星化して死を迎え、そのときの核融合の結果にできた物質がアルファルドに流れ込んだものであると考えられる[6]

名称

α Hydrae、略称α Hya。固有名のアルファルド (Alphard) は、アラビア語で「孤独なもの」を意味する فرد|الفرد (al-Fard, Fard) に由来する[3]。周囲に明るい星がないことから名づけられた名前である。2016年7月20日、国際天文学連合の恒星の固有名に関するワーキンググループは、Alphard を、うみへび座α星の固有名として正式に承認した[4]

別名のコル・ヒドラエ[2] (Cor Hydrae) は、ラテン語で「蛇の心臓」という意味で、ちょうどうみへびの心臓に位置することからティコ・ブラーエによって名付けられた[2]。日本語文献でコル・ヒドレとも書かれたこともあるが、他の恒星と同じく古典式ラテン語の発音に従えば「コル・ヒドラエ」のほうがより近しい発音となる[2]

脚注

関連項目

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