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QF 3.7インチ高射砲(The 3.7-Inch QF AA)は、第二次世界大戦におけるイギリスの主力高射砲である。本砲は終戦後も1950年代に地対空ミサイルに置き換えられるまで用いられた。
QF 3.7inch AA Gun | |
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種類 | 高射砲 |
原開発国 | イギリス |
運用史 | |
配備期間 | 1938-1945 |
配備先 | イギリス、コモンウェルス |
関連戦争・紛争 | 第二次世界大戦 |
開発史 | |
製造業者 | 1937 |
製造期間 | 1937– |
諸元 | |
重量 | 20,541 lb (9,317 kg) |
全長 | 4.96 m |
銃身長 | /L50 185 インチ (4.7 m) |
要員数 | 7 名 |
| |
砲弾 | 28 lb (12.7 kg) |
口径 | 3.7 インチ(94 mm) |
仰角 | - |
発射速度 | 10/20 発/分 |
初速 | 792 m/s (2,598 ft/s) |
最大射程 |
水平距離 18,800 m (61,679 ft) 高射距離 12,000 m (39,370 ft) 到達高度 9,000 m (29,527 ft) |
第二次世界大戦以前、多くの国々は各々の防空システムの改良にそれほど関心を払っていなかった。広範囲に及ぶ過給機の導入による1930年代初期の航空機の飛躍的な進歩と作戦高度の著しい上昇は、新型の航空機に対して高射砲が限られた有効性しか持たないということを示していた。更に心配なことに航空機の速度の大幅な向上によって発見可能な時間が短くなることと、それにより交戦が難しくなると思われたことである。これらの事態を受けてイギリスでは自身の空軍爆撃機部隊を敵の防御に妨げられることのない抑止力だと考え、彼らにほとんど完全な信頼を置くこととなった。
このような傾向に変化が見られたのは1930年代半ばになってからである。レーダーの導入による探知時間と捕捉能力の向上は、航空機に対する防御が再び有効であるということを示唆するものであった。スーパーマリン スピットファイアのような新設計の戦闘機は真の防空体制を築くために爆撃機より優先して工場のラインに並べられた。だが新型の高射兵器に対する考えは乏しく、新型の航空機が活動する高度に到達できる射程を備えていない第一次世界大戦時のQF 3インチ 20cwt高射砲が未だ残されている状況であった。30,000フィートで活動する航空機に対処できうる新型高射砲が要求され、これが本砲の開発のきっかけとなった。
開発は急ピッチで進められ、1937年初頭には製造された砲が配備に就いた。1938年1月1日の時点でイギリス軍防空部隊は口径50mm以上の高射砲をわずかに180門しか有しておらず、そのほとんどは旧式の3インチ高射砲であった。この数字はミュンヘン会談が行なわれた同年9月には341門まで増えることとなり、第二次世界大戦の宣戦布告が行なわれた1939年9月には540門となった。そしてバトル・オブ・ブリテンの最中にこの数字は1,140門に達した。本砲を基に誕生したいくつかの派生型の製造も継続され、最終型であるMk.VIは1959年まで配備されていた。固定式砲架、および配置についた時に安定させるよう十字型の砲脚を有する移動式砲架が使用された。移動させる際には脚を折り畳み、一対の砲車を下ろしてAECマタドール牽引車に繋いだ。
3.7インチ(94mm)砲は緊急時の限られた例を除いては対戦車砲として用いられることはほとんど無かった。これはドイツが1940年以降、本砲と類似した砲である"88"こと88mm高射砲を対戦車防御兵器と一体視していたのとは対照的である。またアメリカでも1942年以降にM2/M3 90mm高射砲を、その能力を評価して対戦車任務に就けていた。
主な理由としては3.7インチ砲の機動砲架は"88"の倍の重量があったことが挙げられる。本砲の再配置には時間がかかり、また重量のあるAEC マタドール牽引車も通常は表面が堅い地形でのみ牽引に用いられていた。更に3.7インチ砲を装備した重高射砲連隊は軍団もしくは軍司令部の指揮下にあり、対戦車任務を迫られる師団レベルの指揮官にこれらの部隊を指揮は委ねられなかった。また当初の仕様要求には無かった牽引状態での水平射撃は駐退及び復座用のギアを傷付けた。
本砲はトータス重突撃戦車の主砲であるオードナンス QF 32ポンド砲の原型となった。しかしこの戦車(最適な説明は自走砲である)が配備されることは無かった。
日本は太平洋戦争初期、南方戦線で英軍から3.7インチ高射砲を鹵獲した。鹵獲された3.7インチ砲は第一陸軍技術研究所で調査され、昭和17年12月に本砲の説明書が完成した。本砲は押収三・七吋高射砲の名で使用された。
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