Mk.56 砲射撃指揮装置
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Mk.56 砲射撃指揮装置(英語: Mark 56 Gun Fire Control System, Mk.56 GFCS)は、アメリカ海軍が開発した艦砲用の射撃指揮装置。第二次世界大戦世代のGFCSとしては最高度の性能を備えている[1]。
種別 | 追尾レーダー |
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開発・運用史 | |
開発国 | アメリカ合衆国 |
就役年 |
1945年8月 (初号機) 1950年代 (艦隊配備) |
送信機 | |
周波数 | Xバンド(8.5〜9.6GHz) |
パルス幅 | 0.1〜0.15マイクロ秒 |
パルス繰返数 | 3,000 pps |
送信尖頭電力 | 50 kW |
アンテナ | |
形式 | パラボラアンテナ |
直径・寸法 | 48 in (120 cm) |
アンテナ利得 | 37.5 dB |
ビーム幅 | 2° |
方位角 | 全周無制限(方位盤上に設置) |
仰俯角 | -15 〜 +85° |
探知性能 | |
探知距離 | 30,000 yd (27,000 m)(対爆撃機) |
精度 |
測距: 9 m(10 yds) 測角: 0.028°(0.5ミル) |
分解能 |
測距: 23 m (25 yds) 測角: 1.5° |
その他諸元 | |
重量 |
全体: 7,700〜12,000 kg 甲板上部分のみ: 9,809 lb (4,449 kg) |
方位盤は機力操縦で、XバンドのレーダーMk.35(後に軍用電子機器の命名規則に基づきAN/SPG-35と改称)と光学照準器を備えており、操作員2名が搭乗する有人式であった[2]。操作員の光学照準による目標追尾も可能であるが、完全な自動追尾が基本的な運用であり[3]、アメリカ海軍の実用機としては初めて盲目射撃(blindfire)も可能となっている[1][4]。
まずビームを6度の角度で振ることでゆっくり空間を走査する螺旋走査(スパイラルスキャン)によって目標を捕捉したのち、ビームを振る角度を0.5度に狭めて素早く測角・測距する円錐走査(コニカルスキャン)によって目標を追尾する[1]。追尾目標の速度は方位盤のジャイロスコープおよび距離追尾サーボ系のタコメーター・ジェネレータで求められる。弾道計算は艦内に収容されたコンピュータMk.42で行なわれ、弾道計算筐体を追加すれば同一目標に対して2種類の砲を指向することもできた[3]。また、大戦中、高速で突入する特攻機に対してレーダー追尾が追いつかないケースが多発したことから、アメリカ海軍作戦部長アーネスト・キング大将は、光学機器を追加装備させた[1]。
本機種は、1945年8月に初号機が納入され、1950年代より運用に入った。戦後も性能向上が進められ、亜音速機に対してであれば、追尾開始から2秒間で射撃を開始できるまでになった[1]。指揮する砲としては、当初は38口径5インチ砲が用いられたが、戦後に50口径3インチ連装速射砲が開発されるとこちらが標準的になった。また54口径5インチ単装速射砲についてはMk.68が標準的であったが、本機も副方位盤として用いられた。
日本の海上自衛隊では、戦後初の国産護衛艦であったはるかぜ型(28DD)で本機種の装備を要求したがアメリカ側より認められず、実際の装備化は第2次防衛力整備計画でのやまぐも型(37DDK)以降となった経緯がある[2]。
イギリスでは、本機種を元にMRS-3(Medium Range System)が開発された。原型となる903型は1946年より開発開始され、1958年より就役した。またGWS.22 シーキャット個艦防空ミサイル・システム用の派生型として904型も開発された[4]。
このほか、射撃指揮レーダーを砲側装備(当初はMk.63と同じAN/SPG-34、のちにAN/SPG-48)に変更したMk.64 GUNARも開発され、これは主としてカナダ海軍において使用された。これは後に、カナダが独自にデジタル化改修を施し、レーダーをSPG-515に変更したMk.69に発展した[4]。
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