Loading AI tools
ウィキペディアから
77ヶ国グループ(77かこくグループ、Group of Seventy-seven、G77(ジーセブンティセブン))は、国際連合に加盟する135の発展途上国からなる連合体である。加盟国の集団的な経済的利益を推進し、国際連合機関における発言力を強化することを目的としている[1](p79)。グループ名は創設時の加盟国が77か国であったことによるが、現在の加盟国数は135か国である[1](pp79-80)。2024年よりウガンダが議長国を務める。
1964年6月15日、国際連合貿易開発会議(UNCTAD)の場において、非同盟運動に参加する77か国が発表した「77か国共同宣言」(Joint Declaration of the Seventy-Seven Countries)によって設立された[2]。最初の会合は1967年10月にアルジェリアのアルジェで開かれ、開発途上国に対する一般特恵関税制度を認めること、一次産品の関税・非関税障壁を低減すること、先進国は国民総生産の1%を途上国援助に充てることなどを求めた「アルジェ憲章」を採択され、以前ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLA)に勤務していたラウル・プレビッシュの指導の下で、組織構造の基礎が築かれた[3]。G77の支部がジュネーブ(国連)、ローマ(FAO)、ウィーン(UNIDO)、パリ(UNESCO)、ナイロビ(UNEP)、ワシントンD.C.(IMF、世界銀行)に置かれている。
G77の最高意思決定機関である南サミット(South Summit)は、2000年4月にキューバのハバナで初めて開催された[4]。第2回は2005年6月にカタールのドーハで開かれた。第3回は2024年1月にウガンダのカンパラで開催された[5]。2014年6月には、創立50周年記念にG77サミットがボリビアのサンタクルスで開催された[6]。
G77は、アパルトヘイトに反対し、世界的な軍縮を支持する共通の姿勢を持つグループとして評価されている[7]。また、新国際経済秩序を支持している[8](p30)[9]。
環境問題に関しては、先進国が温室効果ガス排出の歴史的責任を負うべきという立場であり、発展途上国と先進国の一人当たり排出量の格差についても指摘している[10](p53)。そのため、排出量削減の拘束力のある施策に対してG77はしばしば抵抗する[10](p53)。このため、G77に対しては、経済発展や貧困撲滅の取り組みばかりに注力していて、環境保護の取り組みはおざなりであるという批判がある[8](p30)。一方、1992年にリオデジャネイロで開催された環境と開発に関する国際連合会議においてG77は、富裕国の貧困撲滅に対する関心は不十分だと批判した[8](pp30-31) 。
2023年現在、G77の加盟国は135か国であり、以下を除く全ての国連加盟国(オブザーバーのパレスチナ国を含む)がG77に加盟している。
出典:[11]
G77には安保理常任理事国の中華人民共和国(中国)も加盟している[17]。中国政府はG77に対し政治的支援をするとともに、1994年以降は財政的支援もしているが、中国政府は自身をG77加盟国であるとみなしていない[18]。そのため、G77の公式声明はThe Group of 77 and China(G77と中国)もしくはG77+China(G77プラス中国)という形で行われる[19]。
G77の議長を務めた国を以下に示す[20]。
議長国 | 任期 |
---|---|
インド | 1970–71 |
ペルー | 1971–72 |
エジプト | 1972–73 |
イラン | 1973–74 |
メキシコ | 1974–75 |
マダガスカル | 1975–76 |
パキスタン | 1976–77 |
ジャマイカ | 1977–78 |
チュニジア | 1978–79 |
インド | 1979–80 |
ベネズエラ | 1980–81 |
アルジェリア | 1981–82 |
バングラデシュ | 1982–83 |
メキシコ | 1983–84 |
エジプト | 1984–85 |
ユーゴスラビア | 1985–86 |
グアテマラ | 1987 |
チュニジア | 1988 |
マレーシア | 1989 |
ボリビア | 1990 |
ガーナ | 1991 |
パキスタン | 1992 |
コロンビア | 1993 |
アルジェリア | 1994 |
フィリピン | 1995 |
コスタリカ | 1996 |
タンザニア | 1997 |
インドネシア | 1998 |
ガイアナ | 1999 |
ナイジェリア | 2000 |
イラン | 2001 |
ベネズエラ | 2002 |
モロッコ | 2003 |
カタール | 2004 |
ジャマイカ | 2005 |
南アフリカ | 2006 |
パキスタン | 2007 |
アンティグア・バーブーダ | 2008 |
スーダン | 2009 |
イエメン | 2010 |
アルゼンチン | 2011 |
アルジェリア | 2012 |
フィジー | 2013 |
ボリビア | 2014 |
南アフリカ | 2015 |
タイ | 2016 |
エクアドル | 2017 |
エジプト | 2018 |
パレスチナ国 | 2019 |
ガイアナ | 2020 |
ギニア | 2021 |
パキスタン | 2022 |
キューバ | 2023 |
ウガンダ | 2024 |
24か国グループ(G-24)は、1977年に設立されたG77のサブグループであり、国際通貨と開発金融に関する問題についての途上国の立場を調整し、国際通貨に関する交渉において途上国の利益を代表する。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.